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評価内訳
2021/08/18 22:32
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前作「狐の日本史」に続けて、足利時代あたりからの狐について多くの文献を比較参照しながら狐がどのようなものと思われていたのか、狐信仰がどのように変遷して多くのものを担う信仰対象となったのかをつまびらかにしている。稲荷神社の総本宮は京都にあるのに、なぜ江戸に稲荷が多いのか、またそれらの稲荷がどのように変遷して、信仰されていたのかなどがいろいろな面からとらえられているのは面白く発見があったが、いかんせん一つの出来事に対する文献比較が大半を占めていて、ちょっと読みづらく面白みに欠ける部分ではあった。前作にも共通するのだが、狐が出てきてどうこうしたというような話は多く採録されて検証されているのだが、逆に一般民衆によって多く信じられていたであろう、どこそこで狐火が多く出たとか、狐にだまされたというような話は一切ない。文献に残りにくいそういう話は対象でないのだろうけど、それを抜きにして狐と日本人の関わりを考察するのは片手落ちではないかという気がする。