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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
元長野県警山岳遭難救助隊で今は遭難対策協議会に所属する得丸は登山者の中に登山技術のない中年男性を見つける。その男性は得丸と同じ大学の山岳部の池谷で、警視庁の公安部に所属する刑事であった。
池谷の山登りを手伝ううちに不思議なことが次々と発生する。得丸は池谷に不信感を持ち始めるが・・・。
池谷の正体や登場人物には驚きもあったが、結末にもちょっと驚きました。
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馳君と言えばノワール物のイメージが強いが、最近では犬絡みの物語も有り、書店で本を手に取るのが楽しみな作家の一人だ。
これも一気読みした。会話の一言一言をじっくりと味わいながら読むのがオススメ。
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よかった
寒々とした風景描写、自然脅威
読みながら凍えるし、熱くなる
人間関係まわりで、ん?と思うところはなくもないが、それは気にならないぐらいにのめり込めた
もっと伏線が張られてた気もしてたが、全て杞憂だった、素直に読めばよかった
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登山もしない私でも、山の景色の細かい描写に読む度に心惹かれていきました。綺麗な景色と反対に繰り広げられる逃亡劇。途中までは細かく描かれていたのですが、最後にぎゅっと詰めたような急ぎが感じられました。しかし続きがあるのかな?とも思わせられたので、続きに期待したいです。
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最後の最後での大学時代の回想。初めて山行をした時の池谷の山に魅了された瞬間がたまらなかった。雷鳥、雲海、ご来光。山にいるときだけは全てを忘れて登山に没頭出来ていたのだろうと思うと・・・。
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元長野県警の山岳遭難救助隊員だった得丸は現在は山岳ガイドとして白馬村観光課に勤めている
ある日、残雪の状況を確認していた得丸は無謀な登山者に出会う
それは、大学時代の山岳部の同期池谷だった
池谷もまた警視庁公安部に所属する警察官だった
卒業後二十年全く山から離れていた池谷の身体はすっかりなまっていた
そんな池谷に白馬岳までのガイドを引き受けた得丸だったが…
・
二十年も山から離れていた池谷が何故急に山に戻ってきたのか
何故友人である得丸を脅してまで登り続けなければならなかったのか
その理由はあまりにも衝撃的で思わずえっ!?と声が出てしまうほどでした
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登山をする人ならもっと臨場感が伝わり楽しめたのだろうな、と思います
何せ、専門用語とか道具の名前とかよく分からなかったので…
そこを差し引いても充分楽しめるスケールの大きな物語でした
・
二人の大学時代が織り交ぜながら語られていますが、二人の同期でありライバルであり目指すべき存在であった天才登山家若林は8000メートル級のK2で命を落とし、遺体は発見されていない
得丸が若林の遺体を発見するため、K2に挑む…という続編に期待したいです
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蒼き山嶺、読み終えました(^^)
とても良かったです。
山登りしてる人なら、感動する本だと思います。
やっぱり山はいいですよね。
そう思いました。
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同作者の『神奈備』という山岳小説を読み、本作へ高い期待を持ち読み始めた!
読んで正解の一冊となる!
山岳ガイドの得丸は、雪山で大学時代の山岳部で同期の池谷と再開する。
池谷はかつて徳丸と並ぶ程の山屋であったが久々の山登りに四苦八苦・・・
どうしても山を登りたい池谷は得丸をガイドとして雇うのだが・・・
山での出会い、池谷の焦燥、不穏な影と大自然の優雅さ、そして失われた学生時代の青春と亡くした友!?
色んなものが絡み合ってるけど何故かスッキリ?
湊かなえの山岳小説は山に登りたくなるが、馳星周の山岳小説は生半可な体力と気持ちで山に登ってはいけないと思わせる!
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蒼き山嶺 馳星周さん
1.購読動機
山を見たかったからです。
身体の都合もあり、久しく山から遠ざかっています。
そこで、山を舞台にする小説に出会いたく、手にとりました。
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2.馳星周さん
初めましてです。
2021年に出会えてよかった作家さんのお一人となりました。
登場人物が少ないこと。だから、ストーリーに入りやすいです。
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3.「蒼き山嶺」
山岳の描写が力強く、美しいです。
光が差し込む。
吹ぶく。
雪解けの音が聞こえる。
五感に訴求してくる文体の臨場感。
巻末に、馳さんご自身が軽井沢に転居してから、登山に魅了されたとの談話があります。
2021年。
名刺代わりの小説10選にノミネートです。
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#馳星周 さん好きな人とつながりたい
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山好きの自分としては、山の美しい風景、厳しさ、山歩きのメンタリティが鮮やかに描かれていて、とても面白かった。
まるで自分が登山している気分になる。
日本海に着いた後、得丸らはどうなったのかまで描いて欲しかったが、そういう終わり方もアリか。
K2に若林を捜索しにいく続編が書かれることを切に願う。
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北アルプスで山岳ガイドをしている得丸は、体力技術不足の登山者と出会う。
それは得丸の大学時代の山岳部同期、池谷だった。
卒業後、公安の刑事となった池谷は山から離れていたため、すっかり鈍っており、得丸にガイドを依頼する。
山岳小説であり、公安がらみの事件に巻き込まれる男っぽい作品で、非常に面白かった。
今作では雪の白馬岳がとてもハードなのだが、大学時代の記憶パートがまた良い。
池谷の背景を知った上で読む、山岳部での描写に特に胸打たれました。
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長野県警(サツカン)、ハム~北朝鮮、大学時代の山岳仲間、K2遭難死亡の友・・そして北アルプス白馬と来るんだもの、馳さんの手にかかる調理の最高潮は確定的。
作品の3割ほど、かつての盟友若林との回想と幻影に割かれていた。
特のラストの死の影がちらつく日本海へ向けての歩きのシーンはくど過ぎる感有り・・まぁ、限界を超えて100キロの荷物を背負って死の歩みをするには常人を超えないとならないからやむを得ないかな。
同性から見ても素人レベルを超えた若い女性が若林の妹‥で、出来すぎた臭さが有った・・が設定の素材には美味しかったのかも。
10年前、雪倉から親知らずまで歩いた・・4人の仲間と・・2人はバテバテでその後 山から離れた。
美しく、自然をいやというほど知らされらツガミ新道・・忘れられないひとこま。
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山岳部で同級だった今は山岳ガイドの得丸、公安警察官の池谷、K2で死んだ友人の妹だと判明するゆかり。拳銃で脅される関係になりながら、雪山で人は死なせないという信念の得丸は池谷をかばって歩き続ける。池谷が「池谷」でさえないことがわかってからも雪山を背負ってさらに歩く。少し都合よく人物が揃いすぎた気がするのであるが、都合をつけるのが小説でもあるからよしとしなければならない。ガイドとしての使命感の「公」と友情という「私」が交錯しつつ、これまであまり読んだことのない物語世界を楽しませてくれた。
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馳さんの作品は「少年と犬」を読み、これで2作品目です。
山岳ガイドの得丸が白馬岳で大学山岳部の同期の池谷と再会。
卒業後警視庁公安刑事になっていた池谷が山頂まで一緒に登ることに
なったが突如得丸に拳銃を突き付ける事態になる。
果たして二人は白馬岳を越えることができるだろうかという山岳冒険小説。
山岳小説というと以前湊かなえさんの「山女日記」を
思い起されましたが、それとはまた違った作風です。
湊さんの作品では山登りは大自然の美しさを満喫させて
山の良さを楽しむという印象ですが、
こちらの作品では自然の美しさはそのままですが、
それプラス自然の厳しさを十分に伝え、
自然の恐ろしさ、そして山岳救助隊の過酷な任務状況、
登山での男の熱き友情がとても表現されていると思いました。
厳しい冬山での登山の様子がとても細かく描かれていて、
その中で得丸と池谷の攻防戦や池谷が何故、何があっても日本海に行かなければならないのかという理由。
何とかして答えが欲しい得丸との言葉のやり取りも
読んでいてとてもドキドキしました。
そして池谷の真実が徐々に分かってから池谷の
身体の具合の悪さと雪山の悪天候中での生死を
分けるほどの緊迫感のある状況下の描写がとても緊張感のある様子でページを捲る手が止まらず一気に読んでしまいました。
現在の登山の様子も緊迫感があって読み応えがありますが、その合間に出てくる山岳部時代での登山光景も青春の一ページを熱く切り取っているかのように
迫真に迫る描写で心を掴まれました。
徐々に弱っていく池谷に対して得丸が言っていた
「もし無事に故郷に変えれたら・・・」(中略)
「そこの山に登ってくれ。山頂から見える景色を
写真に撮って送ってくれ」
という言葉に胸を打たれて感涙しそうになりました。
もう後半は二人の生命が気になってしまい、
特に池谷の最後はどうなってしまったのかと思うばかりで読了後も暫く余韻に浸ってしまいました。
得丸とゆかりが一緒にK2へ行くという約束が果たせたのだろうか、
そして池谷は故郷へ無事に戻ることが出来たのだろうか。
などとこの続きが読みたいと思うので
続編を切望したいと思います。
久しぶりに心揺さぶれる作品に出会えて
本当にこの作品を読んで良かったです。
自然の美しさと厳しさ、そして熱き友情を楽しみたい方はお勧めな一冊だと思います。
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ちょっと都合良すぎ。
面白かったようなそうでもないような。主人公が池谷に会った偶然も若林の妹に会った偶然も、偶然が出来すぎていて興ざめ。だけど、小説なんてそんなもんだと思えばそんなもんだしなぁ。