紙の本
主旨はよく分かる
2021/11/11 17:59
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
福島第1原発事故から10年。
発生から現在までの終わらない問題について記されている。
記者ならではの取材だと思うが、なぜか文章が読みにくかった。悪文というわけではないのになぜだろう(新聞記者が書いた本は、分かりやすく読みやすいケースが多いのに)
紙の本
リタイアしました
2021/02/12 21:01
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
すみません、内容が難解で読み進めを途中リタイアしました。
現役新聞記者の著者が、福島第一原発で被曝し、甲状腺がんになった方々がおられるのに、放射線の被害が隠蔽された理由をジャーナリスト精神で追い続ける内容です。証拠の文章などが、当書内に余す事なく掲載されています。
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見慣れない用語が多くてたじろぐけど、情報開示請求を駆使して取材を進めていくところは推理小説のよう。
当時の現場の切羽詰まった状況も読みとれるけど、おかしな計算式には息をのんだ。
執念の取材で公開してくれたことに感謝したい。
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福島原発のメルトダウンが起こって、放射線被害はないとされている。
福島第一原子力発電所の事故では、主に放射性ヨウ素や放射性セシウムが放出された。 すべての放出量(ヨウ素換算)は、57万~90万テラベクレル(テラは1兆)と推定されている。 これらの放射性物質は、主に2011年3月12日~15日にかけて放出された。
チェルノブイリ原子力発電所事故では、事故直後に飲食物の適切な摂取制限がなされず、住民が汚染された飲食物を摂取したことが内部被ばくの要因となった。
一方、福島第一原子力発電所事故では、2011年3月17日に放射性ヨウ素と放射性セシウムの暫定規制値を定め、水や牛乳、葉物などの農作物、海産物などの放射性物質を検査し、暫定規制値を上回るものについては、摂取や出荷の制限が行われた。二日間の空白がある。
福島県では、2011年3月11日以降の行動を把握し、7月11日までの4か月間に外部被ばくした量を推計した。放射線の業務従事経験者と推計期間が4か月未満の方を除いた約46万人の推計結果をみると、約94%が2ミリシーベルト未満で、最高値は25ミリシーベルト、平均値は0.8ミリシーベルトとなっている。「放射線による健康影響があるとは考えにくい」としている。
2011年6月~2020年5月の累計で約34万人がホールボディカウンターによる内部被ばく検査を受け、1ミリシーベルト未満が34万4,790人、1~3ミリシーベルトが26人、それ以上は0人。
チェルノブイリのメルトダウンで、放射線ヨウ素による甲状腺がんが15歳以下の子供達に多く出たが、日本ではコントロールしてい他ので、放射線による健康被害があると考えにくいと言われているので、安心していた。ところが、本書の著者 榊原崇仁は、それは本当か?と言って、地道に証拠集めをして、どうもおかしいと言っている。
事実(測定する機器、測定する人、正確な数値)と判断基準(どこを持って安全とするか)がある。
さらに最近は、「見たくない事実」は、削除されるという官僚たちの恣意性まで登場している。
中国やロシアではある話であったが、日本でもそんなことが起こると信じがたいのだ。勤勉で、誠実で、ニヤニヤ笑う日本人という定説は、どうもニヤニヤ笑うだけになったようだ。
東京新聞の記者らしく、執拗に追いかけている。愛知県出身で、京都大学、そして中日新聞、東京新聞という経歴に、なんとも言えず私の友人を思い出しシンパシーがある。
まず、福島原発水素爆発をした当時、双葉町の戸外で遊んでいた11歳の少女に注目する。
彼女は、頸部5から7万cpmが検出された。とりこみ時、100ミリシーベルト程度(国のがんが発生する基準値と同じ)、測定器はGMサーベイメータ(本来測るべきはNaIサーベイメータ)という。
このデータの信憑性が問われる。非常に、綱渡りのようなデータである。事実としてどう見るか?
しかし、そのデータは公表されていない。著者が、膨大な情報開示を請求したメモの中から見つけたのだ。なぜ、その少女のデータが公表されなかったのか?ということを、関係者に当たるのだ。
甲状腺ガンを引き起こす放射線ヨウ素は、気化しやすく、空気中や水の中に入り内部被曝しやすい。
また、放射線ヨウ素は半減期が8日間で極めて短い。しかし、発がんに至るまでには数年の時間を要する。2011年3月24日から30日に、喉に甲状腺にある放射線ヨウ素の測定したのは1080人という。なぜ1080人しか測定されなかったのか?またもやというべきか、コロナ発生時にPCR検査をしなかった。PCR検査をすると医療崩壊するからというわけのわからない論理を使っていた。
少女のデータは、放射線医学総合研究所の会議のメモで登場する。物語の編集がうまい。とてもスリリングな展開。放射線要素の半減期は8日間となっている。本来ならば、メルトダウンが起こった時から、1ケ月以内にその住民の測定すべきであったが、測定していないので、甲状腺がんの因果関係を説明できない。このメモから、そのデータを隠したい人、そして被害がないとしたい人が登場する。取材に対しても拒否をする。あーぁ。読んでるだけでも、胸クソ悪くなる。日本の優秀な官僚はどこに行った。自分たちのやっていることは間違いがない。間違いがあったらひたすら隠す。見たくない事実は見ないのだ。それが1080人の検査なのだ。10万cpmでも、少ない数値に解釈する研究者さえいる。終わりの方に、甲状腺ガンになった女子学生が出てくるが、彼女は、メルトダウン時に福島県中通りにいた。中学の卒業式があり、地震があったので、家の手伝いで色々作業をした。
甲状腺がんになったことの因果関係は、その当時ヨウ素測定をすれば、根拠になるが、していないので、説明できない。彼女の家系で甲状腺がんになった人はいないという。「ガンになって歯車が狂った」という彼女は、被曝のせいでガンになったと思いながらも、そのことを言えない。
「放射線被害は、なく、甲状腺は安全なのだ」
たとえ、甲状腺がんがあっても。