紙の本
旅のお供に
2021/05/05 22:34
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投稿者:yukiちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私はSF読みなので、本来なら、このような本は手に取ることはないのだが、この短編集に収録されている作家の中に、酉島伝法や宮澤伊織の名があったので買ってみた。
結果から言えば、SFっぽい話もあるし、いささかドタバタ喜劇っぽい話もあったりで、結構楽しめた。
田舎に帰る新幹線の中で読むにはちょうどいいかなって感じの本でした。
紙の本
売れっ子から新進気鋭までキラリ
2023/10/18 06:28
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会派作家のイメージが強かった寺地はるなさん、こんな想像力豊かなSFを発表していたとは。宮澤伊織の実験作も、のちの長編「そいねドリーマー」にも繋がるものがありました。
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タイトルでSF小説をイメージにしていたのですが、宇宙をテーマにした小説でした(;^_^A
加納朋子さんの父と娘の石垣島への旅を描いた「南の十字に会いにいく」が素敵な話で大好きです。やっぱり優しいお話はいいですねぇ。
深緑野分さんの「空へ昇る」が重力に反して土塊が空へ登っていく現象を描いています。それが面白かったです。
川端祐人の「小さな家と生き物の木」もコロナ禍の中で家の中で研究をしている父親と家で自己学習している娘の二人。この時世にふさわしい作品でした。
楽しい作品集でした。
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作者によってかなり作品のカラーが分かれていて、自分では選ばないような作風の物語も読むことができました。
ひとつひとつのお話が短いので、電車の中や、ちょっとした待ち時間に重宝します。
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――
あの日から、星空ばかり見上げている。
今日だって。
SF、とは少し違った、もっと広い意味で“宇宙”をテーマにした短編集。身近なところから外宇宙まで、それこそ星を見上げる、にもこれだけいろんなバリエーションがあるもので。
今回はそれぞれ。
「南の十字に会いに行く」 加納朋子
あそこに居るんだなぁ、って星を見上げるなんて素敵。そして言葉の厳密な意味においてそこに居る可能性が出てきた現代は、うん、素敵。
序盤から匂わせられている母親の不在が、なんとなく何かの仕掛けなのかなぁと思っていたら二段構えで大団円。しかもその二段構えもちょっと恥ずかしく母と息子を繋いでいて、それをあっさり見破る孫娘。これがまたいい。
旅要素もあって、とても気に入りました。この短編集の心意気みたいなものを、いちばん表しているかも。
「惑星マスコ」 寺地はるな
所謂こりん星的な、って云うと失礼かな…失礼だよね。これはまた反対方向で、内側の“宇宙”のおはなし。
「空へ昇る」 深緑野分
深緑野分さん、本屋大賞受賞おめでとうございます、って云っとく。後から修正とかしません! 淡々と語られるひとつの学問史が、その長い歴史に連綿と連なるひとの核心をやんわりと描いて。
ところでどんな天才の傍にもなんでか親友と云えるひとはいるもんだね。孤独に学問は出来ないもので。
「惑い星」 酉島伝法
やっぱり、合わないなぁという感想。なんとか頑張って翻訳したほかの言語を読んでるみたい。あれ? それってもしかして結構本格的なSF体験か?
「アンテュルディエン?」 雪舟えま
急に青春小説。いやSF小説なんて全部青春か? これもまた宇宙というか…うーん? 言葉遣いは嫌いじゃないけど、活字遣いがちょっと合わなかった、かなぁ。幸あれー、って感じ。
「キリング・ベクトル」 宮澤伊織
もうなんか安定。特にコメント無いです…読んで、楽しむ。それ以外無い。
「小さな家と生きものの木」 川端裕人
宮澤伊織が外宇宙まで飛び出したと思ったら、締めはアットホームな短編。この振れ幅もSFのいいとこですよね…
現代、というか現代をリアルに描いていること、そして対話の相手が主に子供であることから、とてもすんなりとこの手のひらの中に“宇宙”が収まる感じ。ここまで読んできて、じゃぁあなたなりの“宇宙”をどうぞ持っていってね、って云われてるような気がした。
遠くを見る技術、遠くまで行く技術。これまで見えなかったものを見えるようにする技術、数えられなかったものを数える技術。すべて詳らかにして、けれどそうはならなくて、また見えなくなって、
それが、でも、それでも。
星を見上げるのも、自分の内側にじっと目を凝らすのも、同じか。
じっと、どこを見たって、それも宇宙。
解説で紹介されている木村繁氏によるエッセイが、とても良いクールダウンになっている。
こんなエッセイが小学校の教科書に載っていたなんて。いいなぁ、って素直に、思ってしまった。
さびしさ。それをもっと、きちんと、受け止められるようになってたかなぁ。そしたら。
なぁんて、ね。まぜこぜになって、☆3
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裏世界ピクニックの宮澤伊織作品「キリング・ベクトル」が含まれるアンソロジーということで購入。さすが宮沢作品、面白い。序盤から最後へ向かうベクトル、後半に行けば行くほど、その大胆な急上昇ぶりには目を見張るものがある。そのオチには賛否両論があるかもしれないが、とにかく予想しなかった結末の余韻に浸っている。
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「宇宙」をテーマにして複数の作家が各々の宇宙を描いた短編集。
宇宙そのものに主軸を置いているものもあればエッセンス程度に収めているものもあった。
個人的には「南の十字に会いに行く」と「惑星マスコ」がお気に入り。
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見上げる星空、だけが宇宙じゃないんだなと、視点の面白さを感じられる7編のアンソロジー。
『惑星マスコ』(寺地はるな)、『キリング・ベクトル』(宮澤伊織)がおもしろくて好き。
"自分は魔法使いかも"、"とくべつかも"と思うことのある子供時代、「へんなの」「わかんない」と否定され続けたことがもとで、"自分は異星人かも"と思った万寿子。大人になって、「あんた、宇宙人でしょ」と言ってきた女の子や、変わり者?のおじさんと出会ってかつての自分を思い、"わかりあえない"ことをネガティブに考えないところへたどり着くのが良かった。
「でももし今惑星マスコからの使者がわたしを迎えにきたとしても、わたしはUFOには乗らない。もうすこしだけここでがんばってみたいんです。」
『惑い星』(酉島伝法)は作者独特の造語、当て字がイマジネーション豊か。くらい宇宙空間で、めいめいに輝きながら生まれ、育ち、恋をする星々が映像のように浮かぶ。
『小さな家と生きものの木』(川端裕人)の中で、生まれて間もない原始星について書かれているところで、惑い星のイメージが展開して、ひとりでフフッとなった。
装画(岩岡ヒサエ)もかわいらしい。"回る地球"!
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【収録作品】「南の十字に会いに行く」 加納朋子/「惑星マスコ」 寺地はるな/「空へ昇る」 深緑野分/「惑い星」 酉島伝法/「アンテュルディエン?」 雪舟えま/「キリング・ベクトル」 宮澤伊織/「小さな家と生きものの木」 川端裕人
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お気に入りは、
*「南の十字に会いに行く」加納朋子
家族の物語。温かい読後感が良かった♪
*「小さな家と生きものの木」川端裕人
コロナの今と重なる短編で天文学者の父と娘のやりとりが素敵。ちょっとした仕掛けも♪
寺地さんの「惑星マスコ」も良かったなぁ。
全く異なる趣の7編。著者の“宇宙”の捉え方の違いが面白い。
惑星の擬人化、SFアクション風、地球の不思議現象、家族の物語…。個人的にちょっと読みづらいのもありましたが、初めての作家さんもいて楽しめました。
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宇宙がテーマのアンソロジー。
どれもけっこう楽しめたけど、中でも特に「アンデュルディエン?」が良かった。主人公2人の物語が文庫になってるそうなので、ぜひ読みたい。
「惑い星」もなかなかだったけど、良くできてる、という感想になってしまって、読書の楽しみ
とは少し違う感じ。
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宇宙だったり宇宙人だったりのアンソロジー。寺地さんと雪舟さんが特に好き。宮澤さんのプリンタにはびっくりした。未来だ!
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宇宙って言葉の意味は範囲が広いそうです(解説より)。
オムニバス的に色んなお話が読める短編集は、面白さが色んな角度からやってきてワクワクします。
この短編は、最初から最後まで種々様々なお話が連なって、まるで違う星から持ち寄ったみたいでした。南十字星、私も見に行きたいです。
最後のお話で、この天文学者が宇宙に思う恐怖は私にも覚えがありますが、星の木と生き物の木が繋がっている、そう思うとちょっと浮かべるような気になりました。
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最近、夜空を見上げていますか? 個性豊かな人気作家陣が「宇宙」をテーマに描くのは、無限の想像力がきらめく七つの物語。石垣島を旅する父娘に、コロナ禍でステイホーム中の天文学者。銀河を舞台に戦う殺し屋に、恋する惑星!? じんわり泣ける家族小説から、前衛的SF作品まで、未知との遭遇を約束する傑作アンソロジー。鬱屈した日々に息苦しさを覚えたら、この一冊とともに、いざ宇宙へ!
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加納朋子「南の十字に会いに行く」 寺地はるな「惑星マスコ」 深緑野分「空へ昇る」 西島伝法「惑い星」 雪舟えま「アンテュルディエン」 宮澤伊織「キリング・ベクトル」 川端裕人「小さな家と生きものの木」
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宇宙が主題の物語たちなのだが、扱い方はそれぞれで興味深い。割と普通のストーリーだと思っていると、唐突に宇宙感が出てきたり、まるっきり宇宙が舞台なのにも関わらず人間の営みのようだったり、遠い宇宙と自分の身の回りを知識と想像力とで行ったり来たりしていたり。さまざまな宇宙を愉しめる一冊だった。
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雪舟えまさんの作品が好きで、購入した。
「アンデュルディエン?」というタイトルにまずどういう意味なんだろう?宇宙って感じがする!アンテュルディエン…アンテュルディエン…と呟きながら読んでいたら、あっ、そういう意味だったのか!と案外簡単な言葉あそびで、楽しかった。
「南の十字に会いに行く」と、「小さな家と生きものの木」も好みだったが、中でも一番最後に面白かった!と思わされたのは「キリング・ベクトル」だった。最初読んでいる時は、まさにSFという感じで、状況がよくわからなくて戸惑ったが、読み進めるうちに小出しで情報が与えられ、最後まで読んで初めて、この作品の面白さが十分に味わえた。人類の欠陥についていくつも指摘するところと、時々挟まれる宣伝に笑ってしまう。