電子書籍
こども視点の難しさ
2022/06/18 05:23
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投稿者:きが - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の少女の一人称視点の作品ですが、歳相応の幼稚性やこども特有の純粋無垢・無知ゆえの残酷性などをおとなが表現することの難しさのようなものを感じました。
たまにはっとするような文学的表現力を感じる文章もあるのですが、どうしても全体的に恣意的で奇をてらっているような印象がぬぐえませんでした。
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投稿者:漂白 - この投稿者のレビュー一覧を見る
だから何、とか言ってはだめだと思うんですが、だから何、と言いたくなるような読後でした。文学賞に受賞したいんだろうなぁというような作品。
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芥川賞候補おめでとうございます。
主人公の「私」目線でお話がすすむので物語への没入感が凄かったです。「私」の思ってることが読み手の自分の視点と全く違ってびっくりしたり、それとは別に視点が全く同じで自分も小さいころにこんなこと思ったなと逆にびっくりしたり。アクションものでもサスペンスものでもないのに、ページをめくるたびにドキドキがすごくて胸がしめつけられる気持ちでした。読み終えたあと、こころに温かいものが流れてきて尾崎さんの書いた小説を読んだこと、読めたことをあらためて感じて嬉しくなりました。
普段の生活の中で当たり前すぎて気にとめないことを丁寧に表現されてて、気にとめてないはずのに読んだときはっきり情景が浮かぶのは、気にとまる言葉でそれらを表現されてるからだと思いました。うまく言えませんが…。こんな気持ちをくれた母影という作品を自分のなかで大切にしたいです。
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少女目線で簡単な単語で綴られた文体のため早く読み進めることができました。その特徴的な文体は芥川賞の選評でもあったが、大人が書いた少女だというあざとさがたしかに終始透けて見えました。少女の目線に徹するのであれば大人のセリフもすべて少女が知っているであろう漢字だけを漢字で表記すべきだったのではないでしょうか。また、少女の語りが過剰に幼稚な表現である点もあくまで大人の想像の範囲を超えられていなかったように思えて仕方がなかったです。私には少女の影を踏む作者が浮かび上がりました。
少女の知らない世界が自身の不遇さの原因となりそれを本人が理解しようと純粋な気持ちで触れる切なさが痛く感じられます。
改札機のくだりは小さいことですが少女の成長が上手に表現されていました。
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第164回2020下半期芥川賞候補作。受賞作は宇佐見りんの「推し、燃ゆ」
山田詠美の選評で「今回、取り扱い注意の少女ばっかり登場で辟易したのだが、この作品もそのひとつ。男の書き手がそういう少女を描くと、自らの求めるイメージを投影し過ぎる。自分の好みの傷付きように沿って、彼女らを傷付かせるのだ。むしろ、私は、少女のお母さんを主に書いてもらいたかった。」(一部抜粋)
とあったが、私も『少女のお母さんを主に』した小説を読んでみたかったと思った。
設定年齢は小学校低学年だろうか。低学年にしてはあまりに鋭い(大人のような)考え方じゃないか?と気になる部分もあった。
小説全体に尾崎世界観独特の表現が見られ、「らしい」小説ではあった。
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ロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル&ギターの尾崎世界観さん初の純文学作品。第164回 芥川賞候補作です。
女の子の語り口でとても静かに、するすると進んでいくのですが、終始胸が痛い。それは私が全部わかっている大人だから?彼女に同情したから?
いや、それだけでなく...私も幼少期に同じような経験があるからこその胸の痛みかもしれません。
ブログにて詳しいレビューしています*
https://happybooks.fun/entry/2024/01/25/200000
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序盤、いじめられながらも健気な少女が可哀想で胸が締まる/ すこし知能が遅れている母親が抜き有りのマッサージ店で働き、誰からも優しくされずに娘と生きているのは読んでいて辛い/ エンタメ小説でないのは分かるが、オチが弱く話があまりにも短い/ 芥川賞に選ばれなくてよかった/
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カーテン越しに見る母の影と自分を探す。自分の反対側は母親で、母親の反対側は自分。
尾崎世界観。いや、僕はクリープハイプの大ファンだ。なんならかれこれ7、8年くらい推してる。
クリープハイプの歌詞も音も繊細でいて新しく
、面白い。この小説もクリープの歌詞のように繊細で面白い。基本的に小学生の語彙力で表現されているからか、表現の仕方や物の見方が斬新だ。
読んでいて歌詞の一部を思い出す。
"誰にでもできる昼の仕事と誰にも言えない夜のこと"
"どこにも行かない悲しみとどこにも行けない私のこと"この二面性が優しく複雑に絡み合っているような作品。
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良くないことだと何となく思うのに、それが具体的に"何"とは言えず、もしかしたら全て勘違いであり、良いことなのかもしれない。怖くて確かめることもできず目を瞑ってしまおうとする少女。小さい頃、世界は知らないことに溢れていた、あの世界が尾崎さんなりに表現された作品なのではないだろうか。
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尾崎世界観の作品へ対するこだわりが凄い。
本作品は始終幼い女の子の目線で語られているが、漢字一つ言葉一つ、全て年齢に合わせた使い方になっていた。素晴らしい、、、
読み終えた後、なんだかとても虚しく切ない気持ちになった。泣きたいのに泣けない、そんな気持ちになった。読んでいる最中は変に色々考察したり勘繰ってしまったが、純粋無垢な愛に胸が締め付けられた。
とても素敵な作品です。
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語り手である女の子が書いたような書き方になっていて、文字を読むだけでも幼さを感じました。また彼女の「汚い」や「かわいそう」といった感情に純粋さを感じるとともに、家庭環境からくる捩れを感じました。感動したり心が暖かくなる話ではないかもしれませんが、1人の女の子の心の内を覗くことで純粋さを与えられる作品です。
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小学生の私から見たお母さんのお仕事、それは子どもにはわからないけれどいけないことのような~
クラスの中での(私)お母さんと一緒に銭湯に行った時の(私)カーテンのかげからお母さんの仕事が終わるのを息を殺して待つ(私)そんな小学生の気持ちがイタくて切なくて。
この作家さんは言葉の選び方がとても上手な方だと思います。もともと作家ではなくてミュージシャンだと知ってふむふむと思いました。
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一つ一つの表現がキャッチフレーズのように鮮烈なので、凄く引き込まれた。主人公が子どもの小説が好きで良く読むけれど、初めて読む感じの子どもで、自分の幼少期とあまり重ならなかった。というか出てくる全ての人にあまり共感出来なかったので、ファンタジーだと思った。発言や行動、思惑
ひとつひとつに、なんだか違和感がある。少し苦しいとまで思った。ラストシーンで、急に優しくされて、驚いた。搾り取られて染み出した愛が描かれていた。芥川賞候補も納得、なんだか曲みたいで、変で、良い物語だった。
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私の中で尾崎世界観はクリープハイプのvocal.guitarという認識の方が強い。
音楽をよく聞くし、
フェスなどで、生でライブを見た事がある。
だからどんな本を書くのか?楽しみに読んだ。
尾崎世界観はライブのMCではハッキリとモノを言うのに、この本ではやんわりしている印象が強く、イメージにギャップがあった。
これはしっかりと文学作品だった。
なるほど芥川賞候補になりそうな文章だと思った。
尾崎世界観が多才で、素晴らしいと思った。
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尾崎世界観の本はもう読みたくない。と毎回思います。
しかし2年後に読んだらまた違った視点でみれるかも。と期待してしまいます。
サラッと読めました。
なんでそんなに子供目線からの視点で書けるのか。不思議でたまりません。
何を伝えたいのかはあまり分からず、淡々としてて五感が研ぎ澄まされていて、小学生の作文を読んだみたいな。気持ちです。
読み取れる事だけでわかる情報がまあまあ少ないので、別の人物の視点からの本を出して欲しいようなこのまま自分達で想像を巡らせるのが良いようななんとも言えない気持ちです。