紙の本
50年飼われ続けた自由研究材料。
2022/08/25 08:53
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
夏休みの宿題には苦労も楽しさも、みなそれぞれに思い出になるものだと思います。小学三年生の夏休み自由研究で取り上げたものが50年後にはこんなになることもある、というお話です。今自由研究の課題をもらっているお子さんも、昔もらっていた大人も、それぞれが面白い話だと思います。
採集してきて観察した、自由研究での発表の文章も載っています。同世代が読んだら懐かしい。今の小学生が読んだらどんな感想を持つでしょう?
スゴイと思うのは、観察した後もずっと飼い続けていたこと。特に著者が研究者になったり、思い入れが強かったという感じでもなさそうです。それほど手を掛けるというわけでもなく、著者が実家を離れてもずっと捨てられずに生き続けた。植物も強かったかもしれませんが、「飼い始めたものは捨てない」のも大切なこと、と教えられました。
50年もたつと、採集した場所は激変していたようです。今ではもう「採集は禁止」。時間が示す自然の変化も教えられたお話でした。
富士山にもマリモがいるんだ、と驚きもして読み始めましたが、自然環境のこととか自由研究の意味(その後への影響)とか、いろいろ考えさせられた本でした。
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小学校2年生のときに山中湖でマリモを採取し、5年生のときに自由研究のレポートにまとめる。
いつしかお母さまにマリモの世話はバトンタッチされて、採取してから50年。山中湖で丸いマリモが絶滅したことを聞いた亀田さんはびっくりして、家のマリモを研究所に送付する。
・阿寒湖以外にも、マリモがいることを知らなかった
・50年後の博士ちゃんたちの姿かも
・夏休み前に紹介したい
・小学生のときに疑問に思ってたことが、時を経て解消したのが良いなと思った
・お母さま、大切に手入れされてたんだろうなあ
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夢のある一冊だなぁ。
でも、夢ではないんだよね。
現実に、筆者の小学生時代の夏休み自由研究「富士まりも」が、50年の歳月を経て、国立科学博物館の研究に関わるものになったのだから。
今の子どもたちに希望を与えるよね!
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夏休みの自由研究が一生の研究対象になるなんて!
現役の小学生は必ず自由研究をするのだから、とても参考になる本だと思う。
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「ある一家の庭で、半世紀育まれたまりもの物語
「まりも」は、名前の通り丸い形をした藻のなかま。北海道の阿寒湖にすむものが有名ですが、じつは、富士山のふもと山中湖にも、まりもがすんでいるのです。最近は数が減ってほとんど見られなくなり、絶滅したのではないかと案じられていました。ところが、50年以上も前、当時小学生だった著者は、自由研究のため山中湖からまりもを持ち帰り、今日まで自宅で大切に育て続けていたのです。様々な縁に守られて数十年家庭で育まれたまりもの物語」
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少年の頃に湖でとって、自由研究のテーマとして観察し、少年が巣出ってからも実家で大事に育てられてきたまりも。
実はその間に、当の湖ではまりもが激減し、絶滅していたとは…。
50年の時を超えてまりもが日の目を見る、壮大なストーリー。ひとりの子どもの自由研究がこんな重要な発見につながるということに、親子でロマンを感じました。
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IDの使い回しの都合で月刊絵本の登録が消えてしまったので、後で出た単行本の方にひとまず当時のレビューを転記しておく。
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2014年2月4日登録/読了
亀田良成/文 斉藤俊行/絵「富士山のまりも」(2014年3月号)→傑作集(単行本化)
こどものころの自由研究が50年を経て、
かけがえのないものになっていた驚き、
こどもの自由研究作品やまりもの水槽を、
ただそのまま大切に保管してきたおかあさんのすごさ、いろいろ考え学ぶことがあった。
巻末ふろくのふしぎ新聞には、
先月の投稿特集を受けた宮川彬良さんの寄稿
「歌はだれがどうやってつくったの?」、
音楽からもっと学ぼう、という日頃の宮川彬良さんの活動姿勢そのままで、
このテーマの深さに気づかせつつ、歌とは、ことばとは、作曲とは・・・
と好奇心をくすぐりあらためて考えたくなる、たのしく読み応えのある文章。