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TBSラジオリスナーとしてこのドラマは見逃せず、ドラマをいい機会と捉えて、本作を読了しました。
別の語り口であれば相当な毒親になってしまいそうだが、それでも軽やかに、しかし母が死に、父親ではなく男としての父親と向き合う必要が出た時の、胃のキリキリするような生活。
家族とは愛憎関係であり、これもまた地獄。
禍福とは糾える縄の如し
オチになり恐縮だが、母親が100万円もする服を隠し持っていたエピソードが非常に興味深い。
母親の寂しさは、最も筆の重さを感じた。
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ジェーン・スーさんのコラムをいくつか読んだことがあるが、人間のサガの部分の描写のアケスケさに、性別を超越しているなぁと感じたものだけど、この作品を読むと分かる、子どもだから、娘だから、女だから、という枠に安穏とさせては貰えない20代、30代があったんだなと。
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親の世代が同じなので共感できる部分が多いだけでなく
空襲で家族を置いて逃げ延びる
袈裟懸けのような結核の手術跡がある
大手百貨店に自ら売り込んで商品の取引をして一時は羽振りが良かった
衣服のセンスが良くおしゃれ
食通で行きつけの店がある
117クーペに乗っていた等々
私の父との共通点がいくつもあって
いつの間にか自分の生い立ちを追うように読み進んだ
それだけに晩年娘の財布を頼る場面では切なく痛く
親を恨んだ時間が蘇った
子供は親を選べない
子供は親を師として人生を送る
親になった私はどんな終末を迎えればいいのか
答えのない行き先を思った
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ドラマ化され、話題になっていたので読んでみた。
ジェーン・スーが父親について書いたエッセー。母親が急逝してしまい、母親の人生について聞けなかったことを後悔しているので、父親知っておきたいというきっかけで書くことにしたとのこと。
すごく父親との距離感が近いと思った。お互い都内で別居というのは私も同じ状況だが、こんなにしょっちゅう会ったり食事に行ったりしない。いろいろお金を出してあげたりもしない。今さら父親のことを知りたいと思わなくても、十分知っていると思う。
いくつになっても近くに女性がいる父親というのはどうなんだろう?母親がいないから夫婦間の問題はないが、娘としては複雑だろうな。ドラマの役柄から國村準を想像してしまうが、それならモテるかもしれない。
ドラマはすべて観たわけではないが、この原作にかなり忠実だったことがわかった。
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TVドラマに感化されてついつい購入。ジェーンスーさんが父に対して感じたことが、歯に衣着せぬ物言いでユーモラスに表現されていた。ドラマで聞くのもよかったけど、文字として読み進めるのも違った良さがあるものである。
ドラマだと、吉田羊さん演じるジェーンスーさんがラジオパーソナリティを務める傍らで、父親についてのエッセイを書き上げていくっていう構造になっている。それを踏まえて原作本を読むと「あ、あの時書いていた話だな」という感じで、視聴者が完成を見守っていたエッセイを、いざ実際に読んでいるような錯覚に陥っていた(実際はエッセイが原作であるのにもかかわらず)。それもまたメディアミックスの面白さなのかもしれない。
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【一万円選書】読んでいて、父親と確執がない娘って少数派なのかもしれないな、と思う。心の中に淡い嫌悪も持ちながらなんだかんだと切れない縁。母親なしに父と向き合えるかといったら私は無理だなと思う。まだ全然こんな準備はできてないし著者みたいに仲良しできる自信はない。
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ドラマを見てからジェーンスーさんが気になり始めて、読んだ。ドラマとは細かい話の内容が違って、盛り上がるように作られていたんだなと。モテモテお父さんがすごいし、どうしようもない父を受け入れて向き合っている娘もすごい。
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ドラマ化されたとラジオで聴きながら見られず。気になりながらやっと原作を読めた次第。
作者と父親との過去と今。手広く手がけた事業。お金のある時代に行った名店の思い出。両親の闘病生活。高齢で生まれた一人っ子の作者が、親に目とお金をかけられて育った子供時代から一転、今度は看病に実家の処分にと一人奔走し、父親と付かず離れずの関係を続ける。母の墓参りでつながる父娘。
時折りラジオで父親のことを話すのを耳にする機会があり、どうやら彼は相当破天荒な人だと思っていたが、それなのにスーさんが、食事を管理してあげたり関係を維持できるのはどうしてだろうと思っていた。本を読むと、お父さんの、人に放っておかせない人柄?が見事に伝わってきて妙に納得。それにしても、どうやら昔から影のちらついていた母ではない女性の存在に嫉妬し、傷つき、そして悔しくも頼ってしまった時の作者の気持ちの描写の素晴らしさ。憎めない父親の姿を描きながら、時々そんな差し掛かる暗い影に覆い尽くされることなく淡々と描き続けられる肝の座りっぷりに、改めてスーさんのファンになった。
言われてみれば親のことなどよく知らずにあっという間に歳を取る。あの出来事はなんだったかなんて過去のことを聞けるのは、自分が大人になって親の頭もまだしっかりしている束の間しかない。文筆業を理由にしながらも、しっかりお父さんから話を聞けた作者が少し羨ましい。
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ラジオ番組を聞いてジェーン・スーさんを知った時にはドラマが終わっておりました。ラジオでのエネルギッシュな話し方や選ぶ言葉に共感して原作を読みたくなり本を手に取りました。スーさんの人柄と負けへんで精神と、お父様の色男ぶりと。楽しんで読めました。自分の人生もこれからどうなるのか不安もたくさんあるけれど負けへんで精神を見習います。禍福はあざなえる縄の如し。この言葉を私は無知で知らなかったのですが、なるほどと最後に心に残りました。
是非ドラマの再放送をお願いしたいです。
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ドラマが良かったので同タイトルの著作を読んでみました。
ドラマは著作を忠実に作っていたんだなぁと思いました。
ドラマを思い出しながら、吉田羊さんと國村隼さんの声で読んでます。
戦中、戦後の話とか、私は全然知らなかったので、ドラマも本も、学びにもなりました。
ドラマの下敷きになったジェーン・スーさんの他の著作も読みたくなりました!
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これだけ起伏が多くスピード感のある人生を歩んできたから含蓄のある言葉を発することが出来るんだろうなあ。人生は一筋縄では行かないこと、決して自分の力だけで生きてこられた訳では無く、周囲の人に生かされいるということを良く理解している人。
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ドラマからはいったんだが
あのドラマすごくよかったんだなとこの本を読んでわかった。
この小説の空気感そのまんま。
素晴らしいドラマだったな。
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ドラマを観てから読んだ。結構忠実に再現されたドラマのように思った。
身近な地名もちらほらあるので、具体的にどのあたりなんだろう、とか想像した。
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親子の赤裸々な関係を描いた自伝的な書。
父親を放っておけない著者が、父親をめぐるエピソードを書いてはいるが、これは自伝だとも思う。
何より、中江友里氏の解説が秀逸!
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自分の父親も、自分の前では「父親」の顔しか見せなかった。それが崩れてきたのが、私が高校に上がったくらいのことだ。
どうやら仕事がうまくいっていないらしい。「波動石」やら「よくわからん麻糸」やらスピリチュアルなものにハマった時期もあった。父方の身内と父親が喧嘩して、父親に借金があると知った。私が就職した後、兄弟で両親の還暦を祝う準備をしているとき、その身内から「(私の父)に貸したお金を返して貰えないから、息子たちで返してくれ」と電話があった。その時初めて、借金が返せないくらいの額であることを知った。
私は父が好きではない。プライドが高く、外ヅラだけがいい父を。
それでも、「父のことは憎めない」とこの本を読んで思った。やっぱり、どこがで繋がっていて、自分のことを育ててくれたという事実。父は父ではなく、一個人の「人間」であり、醜い部分もあるということ。スーさんの面白い語り口と、後半のシビアな状況と、なんだか自分の親はどうだろうなと重ねながらつい読んでしまった。特に後半。親の大切さに気づけたよ。スーさん、ありがとう。