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著者が出ているラジオ番組を好きでよく聴いている。
ラジオでの楽しい感じとは違った私生活のシリアスなことが書かれている。
ドラマ化もされて、その時に著者がエッセイをよくドラマ化できた的なことを言っていたけど、この本の中で充分ドラマとして完成していると思った。
自分は読書が苦手な方だけどなぜかスラスラと読めた。
評判通り文章が上手いからなのかもしれない。
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淡々とした独白のように綴られた、父親への愛憎入り混じった行き場のない気持ち。後悔や恥など、見たくないものをも直視するような、自らへの厳しさを感じる文章。人間は「いい人」「悪い人」で分けられるような単純なものではないのだ。内容に反して(?)読み心地は軽く、一気に読んでしまった。
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介護は対岸の火事ではないと頭で分かっていながら、自分の親はまだ大丈夫と根拠のない思い込みで四苦八苦した20年前を思い出しました。
本書とは逆で父が癌の闘病中に、母が精神的に持たず、両方介護する事態になり、私も介護鬱になりました。スーさんのように何処か俯瞰して笑う技を少しでも持てたら違っていたでしょう。
突き放したくなったり、でも労ってあげたくなったり、家族って不思議。
遊び心のある軽快な文章で、重いテーマをサラリと綴っていてとても読みやすかったです。
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スーさんは「ザ・トップ5」以来TBSラジオで愛聴しているが、まとまった文章は初めて読んだ。
文章力すばらしい!
そして親子の愛憎、親の死と老い、という誰にとっても他人事ではない題材。
スーさんほど激しくなくとも、あらゆる親子があざなえる縄のように愛と憎しみでつながっている。
中年にならなければ得られない諦観があると、中年になってようやく知ったが、年を重ねて知ることはだいたい手遅れなんだよな……。
思ったことを書くタイプのエッセイというよりは、エピソードを重ねていくタイプで、多少物語っぽい。
未鑑賞だがテレビドラマ化されていて、wikipediaで各エピソードのサブタイトルを見てみると、結構原作に忠実っぽい。
吉田羊(40代)、國村隼(父)、松岡茉優(20代)、富田靖子(母)、という配役は綺麗すぎんかと思うが、ちょっと興味をそそられる。
目次
1. この男、肉親につき
2. 男の愛嬌
3. 結核男とダビデの星
4. サバランとミルフィーユ
5. ファミリー・ツリー
6. 不都合な遺伝子
7. 戦中派の終点とブラスバンド
8. 七月の焼茄子
9. それぞれの銀座
10. ミニ・トランプ
11. 東京生まれの東京知らず
12. H氏のこと
13. 二人にしかわからないこと
14. 商売は難しい
15. ステーキとパナマ帽
16. 騙すとか騙されるとか
17. ここにはいない人
18. ふたたびの沼津
19. 真っ赤なマニキュア
20. 予兆
21. はんぶんのおどり
22. 小石川の家 I
23. 小石川の家 II
24. いいニュースと悪いニュース
25. 似て非なる似た者同士
26. 父からの申し次ぎ
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年末に読み終えていたが、バタバタしていて感想が遅れました……。
昨年ドラマ化されており、毎週楽しみに見ていた作品。
先に映像化したものを見てしまうと、読んでいるときのイメージは完全に役者さんに引っ張られるので、ジェーン・スーさんのお父さんは國村隼さんで。
原作を改めて読んでみて、雰囲気をよく摑んだドラマだったんだなぁ、と感じた。
著者はリベラルな考えの持ち主だと思うんだけど、やっぱり「父」と「娘」(「息子」ではなく)というところに、無意識に従来のジェンダー的価値観が入ってくるところが、非常に興味深い。
やっぱりただの「親子」とはまた別に「父と娘」「父と息子」「母と娘」「母と息子」といった関係性も、家族を語るときに無視できないのだ。
これから自分自身も直面するであろう「親の老い」を、著者のように、ある意味俯瞰して受け止めるために、「書く」という行為が、私にも必要になっていくような予感がする。
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大好きなジェーン・スーさんのご家族のおはなし。
私自分の両親の親としての顔しか知らないし、それ以外の顔を知るのがどこか怖い。老いと共に「親」と「子」という「頼られる人」「頼る人」の関係が変化していく中で、私は両親をどう見るのだろう。
スーさんの生き方は、この先の不安をわくわくに変えてくれるから
大好きです。
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家族の物語には、ハッピーエンドもバッドエンドもない。ただ一切が過ぎていく。
自身と父親の関係を感傷的にならず淡々と描写する筆致は軽やかなのに、密度が大きくて受ける印象は重かった。
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この著者のpodcastが大好きで、通勤とか寝る前とかによく聞いてたのですが、ドラマをやるって聞いてからずっと読みたかった作品!やっと読めました。
お父さん結構破天荒だなって思ったけど、そんなお父さんにすこしでも寄り添ったり理解しようとするスーさんの優しさにほっこりしました。あと何だかんだでほっとけなくさせるそんなお父さんの人柄もあるのかなと思いました。
波乱万丈な人生を歩んでこられたからこそ、ラジオでも言葉に重みがあるのかなと思った。そして普通なら悲しいことでも、笑いに変えてしまうスーさんは強い。特に両親共に病気で1週間精神おかしくなって、その時の記憶がないことも笑い話に変えてしまうのは本当にすごい。自分が同じ立場だったらって考えたら、出来ない。
他の本も読んでみようと思いました。あと久しぶりにラジオいっぱい聴こう!
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ドラマから原作本にと流されるアタシのパターン。
ドラマの影響で吉田羊さんと國村隼さんが頭の中で動く動くww
家族って近くて遠くて分かってるけど分かってないし、色んな感情がサラサラドロドロと出てくるし、「ホンマにもうっ!」とかってなるけどアレよ、アレ。
いや、ホンマに、、、。
ねぇ?
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つい最近中学生の子どもの国語の教科書をパラパラ読んで、手紙に関する記述があった。
東北出身でバスガイドをしていた方が10年後に届く親への手紙を書き、
震災でその後亡くなったが、時を経て親には手紙が届いた話があった。
手紙ではないが著者スーさんが引越しの際の荷物整理の中で、亡き母の非常に高額な未使用のコートが見つかったエピソードが同じような感情を惹起した。
友人に真顔で「寂しかったんだね」と指摘されてスーさんはハッとする。
時間が経っても本人の感情が伝わってくる。そういう買い物をせざるを得ないような心の状態に追いやられていたことが間接的に伝わって心がキュっとなる。
生前の母と父とが同時に入院になった時の話も非常に印象に残った。
自らは休職して対応していたが、どうしても回らない状況になった時、父の浮気相手に依頼した時の感情とか。
その後、母は亡くなってお互い別々に暮らすけど、たまたま父はモテる人だったから生活を支えてくれる人に恵まれたけど、もしモテる人じゃなかったら同居せざるを得なかったかもしれない。
そうしたら全く違う人間ドラマになったろうと思う。
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ずっと読みたかった本。ご家族は大変かもしれないけれど、ジェーンスーさんのお父様は魅力のある方なんだろうなと思う。お洒落だし会話が可笑しくて憎めない。
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ラジオやエッセイで活躍する著者が、父や家族の来し方と、その今について書いた一冊。
分類的にはエッセイになるんだろうけど、そのずっしりとした読後感はエッセイのものではない。特に終盤の描写は心をえぐるものがある。ほぼ私小説のような印象を受けた。
しかし序盤中盤はエッセイだ。特に冒頭の「この男、肉親につき。」は本の導入部として読者を惹きつける。ファミレスのメニューにないロイヤルミルクティーをわざわざ父のために作る描写に続いて、『女に「この男になにかしてあげたい」と思わせる能力が異常に発達しているのが私の父だ。』と書かれたら、この父という男に興味を持たずにいられない。
本書では、父親と著者の日頃の関わりを中心に、昔の両親の事や親戚の話が綴られる。読んでいると、自分の育った環境や、これまでに出会った人々のことを思い出す。自分が他者との関係を続ける努力をできなかったことも。この先、彼ら彼女らと再び関わることはあるのだろうか。そして、この先関わらざるを得ない人とどう関わって生きていくのか。
終盤で描かれる、両親の病気や家を出る場面の描写は胸に迫るものがある。著者の焦燥を我が事のように感じられる。主観と客観の両方の視線を感じた。恐らく、これを書くために本書は書かれ、ここに至るまでの文章は助走だったのだろう。助走しながら過去の出来事と自分の心を探っていたのではないか。
著者は何故このような困難を乗り越え、今の立場を得ることができたのか?綺麗ごとでは済まない世界を生きるたくましさを感じる。もちろん本人の資質はあるが、親戚や友人等との繋がりがあったからではないか。文章の端々から、大人として他者と関わるふるまいを身に着けていると感じるし、義理堅さというか、他者との関係をあきらめずに続ける意思と努力が垣間見えた。だからこそ、著者は様々な人から助けを得ることもできたのだろう。
肉親という他者とどう付き合うのか。真正面から向き合うのが正解なのだろうか。著者と父親の距離感について心理学的な立場から批判することもできるだろう。しかし、何が正解かなんて誰にもわからない。我々にできるのは、選んだ道を正解にしていくことだけだ。よく著者が言っているように。
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一気読み。
5回ぐらい声出して笑う箇所あり。中盤以降が前半より圧倒的に面白い。
叔母さんが亡くなる前のスーパーでの買い物あたりからもう目が離せない。
湿っぽくないのにしっかり胸に響く何かがある。
ジェーンスーさん、未婚のプロとか言いながらしっかり「パートナー」がいらっしゃるんですね。
豪放磊落なご家族に囲まれた、お金持ちのお嬢様が強かに生きているお話でした。
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ジェーン・スーさんとそのお父さんの物語。
なかなかに破天荒なお父さんだったようで、他人の話だから吹き出したりしながら読んでいたが、実の父親だったら……
それでも"親"だったら許してしまうのだろうか?
老いてくる親とのつきあい方には自分も共感したり、見習わないとな…と思うところも多々あり。
身につまされるところの多い本だった。
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生活圏とか家族構成とか父親がタラシなところとか諸々、自分に近い部分が多くて個人的にのめり込んで読んだ。