紙の本
面白かったです
2021/05/31 18:19
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投稿者:A - この投稿者のレビュー一覧を見る
一気に読みました。文章も綺麗で、内容もよく、最後を読むのが惜しかったです。個人的に、表紙がとても気に入っています。
紙の本
空に散った少女
2022/08/03 03:34
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
アンケートに回答した6人の目線から、ひとりの女子高生の姿が映し出されていて興味深いです。川崎朱音の遺書が何処にあるのか、物語を締めくくるのは誰なのかも予想外でした。
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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく気持ち悪いです。
作品そのものは読みやすいし、どんどん読み進められるんだけど、登場人物が誰一人好きになれない。リアルといえばそうなのかもしれないけど、薄情だったり執着していたり、みんなこわいです。
なんでずっと友達とか言っちゃうんですかね人って。そんなの守れる人ほぼいないのに。
「くひっ」って笑い声が恐怖です…。
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タイトルに惹かれて衝動買い。
不完全で箱庭で生きる大人になり切れない高校生だからこそのリアルさを感じる(大人になることが果たして良いことなのかはわからないが)。
世界は小さいんだなぁ、と改めて実感。
1人だけ共感できなかった莉苑の完璧さには恐怖を通り越して魅力的にすら思える。
実はこうして世界は回っているのかもしれない。私たちが気付いていないだけで。
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キレーにまとまった。良かった(人は死んでいる)。伏線全部が回収されて気持ちいいーー!!
こういうヤツおるよな、、、が多くてよかった。
構成が上手いんだな…。他作品挙げてあれだけど、告白(湊かなえ)のえぐみを多少薄めましたみたいな感じ。
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青春の痛々しさを思いっきり煮詰めて固めて血と狂気でコーティングした感じ
ほら皆こういうのが好きなんでしょ?と言われている気がしないでもない
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好き
爽やかな物語でもなくて、綺麗な物語でもないと思うけれど、わくわくして読んだ後ににやっとした
いいわあと思った。不謹慎かもしれんなあ。
あと、夏川莉苑がダントツで好きだなと
一つだけ気になったのは、
朱音は愛のために死のうとしてる
というところ
愛のために死のうとしてるの?
それがよくわかんなかった。
読んだ時は、愛=細江さんのことだと思ってたけど。
愛=loveのことだとしたら。でもなあ。
と最初はしっくり来なかったけど。
朱音は愛されたくて愛されたくてひたすら愛されるだけの世界をのぞんでいて、だから自分の死を選んだけど。
莉苑はそれに気づいた上で、生きる人のために世界はあるのだと思っているから、嘘をついた。
そんで、朱音に最後にあなたの望む世界は死んだ後にやってこないよって見せつけたのは、死を選ぶことより生きることを選ぶことのがよっぽど綺麗なのに馬鹿だなあって朱音に伝えたってことなのかなあ
わかんないけど
うん。この結末、個人的には大好物だな
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クラスメイトの朱音が自殺したこと、それは一つの出来事。彼女の死が巡るクラスメイトたちの情景。一章ごとに段々と物語の輪郭が見えてきて、それと同時に朱音の特異性も見えてきて、彼女たちの世界は決して明るく清廉なものではないことが分かる。
みな嫉妬や打算で生きている。褒められたものではないかもしれないが、いちぶ彼女たちの気持ちも分からないことはないと感じました。
良い読後感ではありませんが、重く入っていける本でした。面白かったです。
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学校の屋上から飛び降り自殺をした朱音と、それに関連する人たちの視点で展開する「なぜ朱音は自殺したのか?」をめぐるお話
ミステリというか、青春小説(カラッとしたものではなく、ドロッとしたもの)、そしてある意味でサイコホラー
朱音はなぜ自殺したのか?いじめはあったのか?ネットに投稿された動画を撮ったのは誰か?動画に映っていた屋上の人影は誰か?遺書は本当になかったのか?
各章は事件後に学校から配られたアンケートの回答者の一人称で描かれる
それぞれ立場の違う人間から見た事件の認識と明かされる真実
同級生の男子、クラスの地味目グループ、朱音をいじめていたとされる派手目の女子、優等生女子、プライドの高い秀才男子、親友、そして本人
学校という狭い環境で生きる生徒達の承認欲求、嫉妬、自己保身、自尊心、愛情のもつれ、傲慢、打算、依存などが満載で、ちょっといやぁーな気になる
読書会で紹介されたときには「桐島、部活やめるってよ」的なものを想像していたわけで
各話異なった人物による一人称で、章が進む事で価値観の逆転というのは共通点としてあるものの、受ける印象は全く逆
周囲からの評価と本人の思考の差異が一番大きいのが細江さん
周囲からはギャル系で不真面目な印象があるものの、その実は至って普通にしているつもりという、環境とのギャップが原因なんだな
そして莉苑の内心が結構サイコパスっぽくて怖い
本人としては合理的思考なんだろうけどね
莉苑のお祖母ちゃんの言葉が、この事件に一番影響を与えている
「世界はね、生きている人のためにあるべきなの。死んだ人間のために今生きている人間が犠牲になることは絶対にいけないことよ。だから、誰かの死のせいで生きている人が不当に傷付けられないよう、人間には真実を曲げる権利がある」
果たして、事件をわかりやすくしたのか、わかりにくくしたのか?
ただ隠しただけなんだけど、もしその行動をしなかったらどうなるかを想像してみた
けど、結局は学校側の行動は変わらなかっあだろうし、同級生たちの意識もそんなに違いはないし、朱音の親もそんなに違いはないんじゃないかという気がしてきた。
結局は、最後の「だから何?」という一言に集約されてしまうんだろうなぁ
「私たちの青春を語るな」という言葉も、親世代となってしまった今だからこそよくわかる
世間の風潮や一般的な出来事を例に、自分たちで理解できるような情報に再構成したがるのが大人だけど、本当の事は当人達にしたわかりえないんだよね
僕が中学生の頃、隣の中学校でいじめで亡くなった子がいるわけだけれども
同じ市内で起こった事件という事で、先生達はいじめに関して何やら敏感になっていたものの、生徒たちは所詮は自分の事とは捉えずに、無責任な噂話に興じていた記憶がある
だから、それが同じ学校でも、同じクラスでもやはりこの物語みたいに他人事なんじゃなかろうか?というのは理解できる
どこまで近ければ自分の事として捉えられる���だろうね?
「死人に口なし」という言葉があるけれども
本来は莉苑のお祖母ちゃんが言うように、死んだ人は反論ができないから悪く言わないという意味だっただろうに、人の死を都合のいいように解釈できるという意味で使われている昨今
死んだ人より、生きている人のほうが大事という逆説的な例外も認めるのもありだと思う
最初の目次は人物の名前だけで、章の終わりに人名ではない本当のタイトルが判る仕掛けは面白い
最後のページで各章の本当のタイトルの一覧と「だから何?」となっているわけで
「その日、朱音は空を飛んだ」というタイトルの本当のタイトルの形がそれである事を示しているのかな?
莉苑の行動とか細江さん側の視点での朱音の行動や、愛のために死ぬとかってあたりに途中で何度かミスリードされ、最後まで読むとさらにいやぁーな気になるというイヤミスですなぁ
何が嫌かって、作者の武田綾乃が
「武田綾乃イヤミス二点セットです
みんなが読み終えた時にどんな顔をしてるのか知りたいですね」
と、笑顔の絵文字をつけてツィートしてるあたりが、作者の意地悪さが見えてイヤ(笑)
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朱音と遠かった人物からエピソードが始まり、近しい人物で終わる話の構成で、段々と朱音の為人がわかっていった。
いじめに関するアンケートで近しい人物は何かしら飛び降り事件の原因の手がかりを記載するかと思えば、皆一応に素っ気ない回答ばかり。
それはそうだろうと思う。いじめはなかったのだから。
物語上でよく動く人物が夏川莉苑だ。
莉苑は祖母からの教えられた、
「世界はね、生きている人のためにあるべきなの。死んだ人間のために今生きている人間が犠牲になることは絶対にいけないことよ。だから、誰かの死のせいで生きている人が不当に傷つけられないよう、人間には真実を曲げる権利がある」
という言葉通りに、生きているクラスメイトのために嘘の物語をつくっていく。
これに対して、朱音は自分の死を使って自分を軽んじた人間たちに最大のダメージを与えられるかを模索し、真実を曲げた遺書を残し死んでいった。
遺書を読んだ莉苑が朱音を止めなければならないという気持ちが微塵も湧いてこなかったのは、この朱音の企みを読み取ったからだと思う。
莉苑が、朱音は愛のために死のうとしていると考えているところで、初めは細江愛のため?と思ったが、おそらく朱音の自己愛のためが正しいのではないだろうか。
第四章の莉苑の話の最後で、朱音が愛に込めたメッセージに込めたスイセンの意味について考えている場面がある。
ここで、勿忘草は今の朱音に相応しいと思えたとあるので、もしかしたら莉音は死ぬ前の朱音にはスイセンが相応しいと思ったのではないだろうか。
朱音が飛び降りたときに、莉苑が遺書を破り笑うのは、
朱音の自己愛のために生きている私たちが傷つけられるべきではないんだよと伝えたかったのだと思う。
莉苑にとっては、朱音が死を決めた時点でこの世界で優先すべき人間ではなくなった。
なので、ただ朱音はあの日死んだという事実だけでクラスメイトを守ろうとしている。
最後の「その日、朱音は空を飛んだ。だから何?」はそれぞれのアンケートの筆跡から見て莉苑の言葉ではないかと私は思った。
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自殺した女の子を取り巻く世界の話。
短編というか、その自殺周辺の色んな人の話の話が刻まれて書かれていて、面白い構成。
最初遠い人間からどんどん近付いていくのが面白くてススム。
最後自殺の理由?書かれてるのが意外、色んな要因があって明確なネタ明かしって無いと思ってた。
思春期って何でこういう感情何だろう?って思う。
今歳取って振り返ると、思春期独特の感性とか未熟さって本当不思議。
そういう多感な時期の、色んな感情が読めて面白かった。
ヒエラルキーとか、人間関係の複雑さとか、社会人になるとなあなあになるのか慣れるのか…。
あの時の妙に敏感な感じとか、常に周りが気になるのとか、自分が思いもせずに誰かを突き動かししてたり。。。
本当危うい時期…凄く表現上手くて一気読みできた。
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読み始めた頃は最後の展開は少しも予想していなかったし、少し読み進める事に自分の考えが覆されてとても楽しめた
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評価や感想が分かれるお話だと思います。
構成はとても良く練られていると思うし、おもしろいです。
最後の綿矢りささんの解説まで読むことを個人的にはおすすめしたいです。
解説内でも少し触れられていますが、狭い閉じられた空間(クラス)で起こりうる病理をよく現している作品で、朱音の飢えに対して周りとのギャップが凄まじい。
個人的にはこういった後味がなんとも言えない、口のなかでもう味のしないガムがべたつく感じは少し苦手です。
ただ、一度読み始めると否が応でもページを捲りたくなる作品ではあると思います。
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ある出来事を複数人の視点から描く作りの本でも最高の部類かも。
莉苑の造形が良い。残酷なのか。いやまあ、生きてる人のためにあるべきという考えがもとの行動。
これはアニメにはできないだろうな、多分つまらない。
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最初は青春物だと思ってた。作者さんがそういう小説書くイメージだったから。でも違った。狂気が滲み出てる話だった。
主人公である朱音のメンヘラ(?)具合がえぐいし、莉苑ちゃんも普通にやべぇ。最後の最後まじで怖かった莉苑ちゃん。
でも、読んでて面白かった。謎がどんどん明らかにされていく感じたまらん。でも読後感は煮え切らない感情になる。
朱音ちゃんが幸せで、たくさんの友達と笑いあってる姿が見たいよ...