電子書籍
読みやすい。
2021/05/21 22:30
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞のように過度に持ち上げるでもなく、淡々と藤井二冠の実績と過去の将棋界の業績を比べて語る文章がとてもいいと思います。観戦記者の人の文章も悪くはないですが、私はやはり棋士の方の文章が好きです。
紙の本
藤井総太論 将棋の未来
2021/09/03 15:44
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投稿者:渡り鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
客観的な数字のデータで藤井総太の凄さを語ると共に何が凄いかをプロ棋士の視点で谷川永世名人が分析する。谷川流の分析によるとケタ外れの頭の体力,時間のコントロール能力,直観の精度の高さや局面の認識能力,不動のメンタル,類まれな終盤力が藤井の快進撃の原動力とし、それを具体的に非常に解りやすく解説している。唯一、懸念として心配しているのがライバルの不在。羽生善治らは佐藤康光や森内俊之や村山聖や郷田真隆と言ったライバルたちと10代から切磋琢磨して成長してきたが、藤井の場合は突出し過ぎて同世代でライバル的な棋士が存在しておらず、ライバル不在が将来の成長に関して懸念と見ている。今、藤井は順位戦のB級1組に在籍している。藤井が名人になる為には、今年B1組で結果を残し、来年A級に昇格し、A級順位戦を勝ち抜き、再来年に名人に挑戦しなければならない。そして7番勝負に勝たねば名人になれない。順調に再来年に名人を獲得すれば、最年少名人誕生となる。が、その実現の為には順位戦での少しの失敗も許されない。ワンチャンスである。最年少名人位獲得は、藤井といえども極めて厳しい目標だ。この最年少名人の記録を持っているのが著者の谷川であり、その谷川が藤井論を語るから面白し、説得力がある。
紙の本
谷川さんも良いのです。
2022/01/25 19:58
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投稿者:もかが好き - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が、天才と呼ばれながら歩んだ足跡があるからこそ浮かぶ懸念ということが、書かれているかと、勝手に、推測して読み始めたが、藤井聡太という棋士が、優れた才能をもつだけでなく、望む結果を導き出せる行動を選択して、実行できる才も持ち合わせているのだと分からせてくれるものだった。
電子書籍
将棋界の人が
2021/10/18 04:51
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
将棋界の若手ホープ藤井聡太くんを書いているので、マスコミとは、ちょっと違う書き方で、興味をそそられました。藤井聡太くんは、いずれ、たくさんのタイトルを取られるでしょうが……
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昨年の藤井聡太さんのタイトル戦登場以来将棋観戦にはまり大ファンになり、関連書籍をかなり読み漁っている。これは既に知っている藤井聡太さんのエピソードが谷川浩司さんのフィルターを通して書かれていて、棋士ならではの考えや苦悩を改めて知ることができた。かなり最近のエピソードにも触れていて入念に準備したんだと思う。ただ、タイトルに藤井聡太論って付けてるのは、それの有無が売り上げに比例するからなのか?と思うところもあった。
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「藤井聡太論」というほどには藤井聡太のことは書かれていないが、過去の天才棋士の系統、戦術の変遷、AI活用など、GENDAIの将棋界を取り巻く状況が著者である谷川九段の経験を踏まえて語られ、常人では理解の及ばない世界の一端に触れることができる(気になる)。
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タイトル戦が行われている絶好のタイミングでの刊行。AIが取りざたされるが、もともと強い藤井二冠の強さとは関係ないのだと。藤井二冠の強さのうち、「考えることが好き」というこの部分は自分も日々心掛けたいところ。
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藤井聡太さんが強いとか、勝率が高いとか、詰将棋が得意とかそういう話はもう周知の事実ですが、その中で谷川九段がどんな内容の本を書かれるのか興味がありました。
一部の内容はWebで先に読んでいたものもありましたが文章がわかりやすく読みやすかったです。
将棋の世界にはAIが早くから導入されプロ棋士の多くが現在研究のために利用されていますが、強い棋士がAIだけによるものかというとそうではないと考えられている点がとても興味深い点です。確かに対局が終わった後、棋譜をAIにかけて評価値の上限を確認し、いい手だったか悪い手だったか、またその後の流れはどのようなものが考えられたか、研究を助けるものにはなりますが、それがわかったからと言って次回の棋戦で必ず勝てるということはないわけです。
藤井聡太さん自身、またトップ棋士である渡辺明名人も藤井聡太さんの強さはAIだけによるものではなく、もともと中盤・終盤が異常に強いというところに依るものであると考えているようです。
勝率が6割を超えれば優秀と言われる将棋界においてなぜ8割超えの勝率を4年間も続けられるのか、誰もがその理由をわかりかねているようです。
普段の将棋への取り組みという点で言うと、とにかく将棋への集中力が並はずれており、木村王位とのタイトル戦でのエピソードがそれを示しています。封じ手の時間を18時に告げられてから18時19分まで考え続け、飛車の成り捨てで封じました。タイトル戦において、これだけ重要な手を対局室に人が入ってくる落ち着きのない時間帯において考え決定した集中力は並外れたものであることは間違いありません。
先日棋聖戦の防衛戦、渡辺明名人との第1局を勝利し、今日も順位戦B級1組を屋敷九段と戦っていますが、対局姿勢はどこも変わらず盤面に集中し続けています。
忙しいとか、季節によって調子が変わるとか、疲労が出るのではとか、プレッシャーがあるのではと言っているのは、あくまで周りの人間であり藤井聡太さん本人からはそのようなものへの迷いは一切感じません。
この本のよかったところは谷川九段の、偏りのない藤井聡太さんに対する分析がなされているところと、令和の時代にあっても将棋に対する取り組み方や礼儀作法を重視する姿勢が通底しているところです。ただ将棋が強ければいい、そんな思いは一切感じません。なかなか若手に対して厳しいアドバイスをする人も少ない世の中において都度若手に向けてメッセージを発する谷川さんの姿勢は素晴らしいと感じます。
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将棋の事はてんでダメなんですが、こと藤井聡太くんに関しては、様子を知りたいヒトにて図書館より拝読。谷川さんの自分との比較論がちょっと気に障りますが(こういうところが世間一般に騒がれなかった所以では?)、「対局時の作法や服装、普段の生活などから『将棋の神様』に見守られ運を味方につけている」という意味の下りに納得。偉ぶらず荒ぶらず謙虚で真摯に目の前の事に対峙している藤井聡太が見たいんだね。
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Amazonでセールだったので電子書籍で。大雑把に言えば、将棋界の過去、現在と未来を谷川先生の視点で書かれた内容で、藤井聡太は新時代の代表として書かれているだけかと。ただ、考えさせられたのは、たしかにAI全盛時代に入って、べらぼうに記憶量の高い人間が現れて、序盤だけでなく中盤まで制してしまったら、将棋というゲームの面白みは無くなってしまう…と無いとは思いますが、そんなことを考えさせられました
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天才による天才の解説。面白くないはずがない。何より天才は素人に分かり易く説明してくれます。
負け局も面白いという指摘、そういう見方するんですなぁと感心しきり。
でも何でも勝たんといかんですよ、一番になることが前提で皆楽しむんですよ。考え方の相違と言われればそれまででござりますが、only oneとかいう発想はありえんでしょう、勝負の世界では。
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本書を読んでいる最中の9月13日に藤井聡太さん3冠となりました。
デビューから今日まで8割5分近い勝率(5勝1敗ペース)を維持しているので、8冠となるのも必然の強さです。
野球で言えば、野村克也さんや落合博満さんの解説で、素人にはわかり得ないプロの世界を感じることができますが、
将棋では谷川浩司さん程の実績を持っている現役棋士が解説してくれることで、藤井聡太さんと将棋棋士の凄さがビンビンと伝わってきます。
谷川さんは自身の「月下推敲」という詰将棋の本をプロになった藤井さんにサイン付きでプレゼントしたことがあるそうです。
藤井さんはもちろん大喜びでしたが、小学校4年の時に買って全部解いていたそうです。
私は将棋好きの友人から「月下推敲」と書かれた谷川浩司さんの扇子を貰って持っています。(本の題名だったのか)
いつか藤井聡太さんの扇子も手に入れたいと思っています。
藤井聡太さんは詰将棋でも第一人者であり詰将棋作家でもあるので詰将棋の話題にも多く触れられています。
攻め方にも玉がある双玉詰将棋は知りませんでした。
面白そうなので今度やってみようと思います。
詰将棋には100手超詰めはおろか1000手超詰めもあるようで、どうやって考えるのか想像もつきません。
藤井さんは40手超えの詰将棋を30秒で解いたこともあるそうです。
終盤の強さは詰将棋で磨かれた部分もあるのかも知れません。
終盤の攻めも強いが受けも強く、序盤中盤のミスもなくなってきた。
局面の認識能力・直観力、つまり実戦での局面で候補手10手から3手に絞る能力に長けており、終盤戦で1分将棋にならないような持ち時間の使い方もうまい。
付け入るスキがない状態ですね。
野球では落合博満さんは、「その投手の決め球・勝負球を狙って打つ」と言っていたことがあるが、羽生さんも相手の得意戦法で将棋の技術を磨いていたそうです。
藤井さんも対戦前に相手の研究をして弱点をつくといった将棋はしないそうです。
本書は、藤井聡太論というタイトルですが、現在~未来の将棋界を語る上で、どうしても羽生さんやライバル棋士たちの話題やAIによる盤面分析やその活用方法の話題にそれてしまいます。
でもそれが面白い部分でもあります。
例えば、対局中に羽生さんが思わず「あっ!」と発することがあり、その意味(何を考えていたか)など面白いエピソードも教えてくれたりします。
スポーツ選手が「ゾーン」に入るという表現を使うことがありますが、棋士も対局中に「ゾーン」に入ったという状態を感じることがあるそうです。
藤井さんも「ゾーン」に入ったときは、1分間がすごく長く感じたと言っています。
羽生さんが7冠を独占してから25年になります。
羽生さんを超える棋士は当面は現れないだろうと思っていましたが、藤井聡太さんが現れましたね。
これからの活躍に期待が膨らみます。
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仕事での PC 利用は何とかついて行っているけれど、将棋の AI の活躍については目を見張るものがある。米長永世棋聖が将棋ソフトと対戦した頃、まだどちらが強いのか興味津々だったのを思い出す。
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同じ棋士同士でこのように一冊の本をまとめるのは、様々な意見を惹起しそうですが、冷静、客観的な記載の中に思いが込められていて、嫌味なく読めました。
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谷川浩司棋士が藤井聡太棋士を論じた本。お二人は面識があったとのこと。
藤井棋士に関してはやはりAIを駆使して強くなっている印象が強いですね。あとは詰将棋を幼い時から得意にしていて、それが今に活きているとのことでした。