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生者のみのための近代を問い直す
2021/11/24 06:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:三分法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「横の会」のメンバー5人の一人一人が学び考えていることを座談会と小論の形で述べているものである。内容は、書名のように、「近代を問い直す」ということで、近代が抹殺してきた問題、特に「死者」のことと「霊性」の問題に焦点を当てている。本書は、主題のもとで横に無限に広がっていこうという趣旨のもので、意見を統一するものではない。以下、個人的に心に留まったことを述べる。
近代を問い直す
1.近代的世界観の何が問題なのかといえば、科学的合理性によって把握できないもの、見えざるものを、公的な場から容赦なく抹殺していること。消された見えざるものの代表が死者たちであり、死者を排除することが近代的とされる。死者の問題は政治(たとえば靖国問題、憲法問題)とも関わる。
2. 近代的世界観に代わるべき思想はどのようなものであらねばならないのだろうか。世俗政治と宗教とは理念を一つにして協力して進むことができるのではないか。より大きな宗教(メタ宗教)の世界観の枠の中に、世俗社会や政治も位置付けられるべきではないのか。
死者
我々は死者と共に、あるいは他者と共に生きている。「一度死んだ者は永遠に生きない」と考えるものは、人間の存在を生物的生命からなるものとしか見ていない、あるいは「人格的生命を単に理性的に」捉えているにすぎない。死者は「ゾーエー」(生物・動物として生きていることそのもの)を失っても、「ビオス」(社会的政治的生)の次元において生きている。死者は存在しないのではない。死者として存在しているのだ。
霊性
西田が―大拙もまた―いう霊性とは、生者のなかでありありと働くものである。霊性における「霊」は、超越的実在を意味する。霊性とは、万人のなかにあって、「意識的自己を超えた」超越者を求めずにはいられない本能を指す。
宗教学・哲学の権威5名が集まった座談会
2021/09/16 13:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
今の日本の宗教学・哲学に長ける権威・5名が一堂に会し、タイトルについて語り合う「座談会」が実際に開かれ、その内容を文章化したものがメインの、実に専門書らしい威厳のある1冊です。
内容は難しいですが、数多くの世界中の宗教家・哲学者を取り上げて話をしており、彼らの説明文が各章末にまとめられています。この説明文がかなりの紙幅を占め、メインの紙幅が非常に薄く、一気に読み切れます。知っている宗教家・哲学者が取り上げられたときは話の内容が分かりやすく、思わず嬉しく感じました。
おもしろい
2024/07/15 13:12
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
眼に見えないものを追求している筆者たちの思索の過程が、興味深く読むことができました。具体的な話で、読みやすかったです。
期待した内容ではなかった
2024/01/12 09:53
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投稿者:井沢ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
残念ながら私の期待する内容ではなかった。それぞれのスペシャリストが対話式で書かれた内容で、主に社会や宗教、および哲学的な見方から書かれた内容になっている。しかし、私の求めているのは、霊性の実際であり、死後の存在やその内容、そしてその深層であり、ざっくり言えば、霊界や幽界の存在とその創造主や目的に少しでも触れている内容を期待していた。第一線の学者の方が霊性という内容を取り上げたことにはリスペクトするが、私の求める内容との乖離が大きく残念だった。
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