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愛するものの喪失と再生を描いた連作短編集で、第166回直木賞候補作。娘の死から離婚、職場でのトラブルなど、悩みを多く抱える青子が主人公の短編「新しい星」でスタートし、続く短編もそれぞれに悩みを抱える青子の大学時代の友人(女性1男性2)を主人公として進行する。いろいろな解釈ができる作品で、10年経ってもそれぞれの境遇関係なく、冗談を言えて助け合える仲の男女関係がひたすらうらやましかったりも。コロナ禍の微妙な社会情勢も物語に絡めているのもうまかった。
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第166回直木賞候補作だったので、読んでみた。
不幸が直撃。辛い。
娘の死、乳癌、パワハラによるイジメが原因の引きこもり、コロナ別居の末の離婚。
弱っている4人。
でも前を向く。
自分をケアする方法を探る。
誰にでも悩みはあると思う。
私にもある。誰にも言わないけどある。
4人のうちの、1人、茅乃さん。
大学時代の部活の仲間。
合気道では1番強い茅乃さんは、
癌が骨に転移して、亡くなった。
青子、茅乃、玄也、卓馬の4人の友情が温かい。
4人それぞれの物語だけど、1人だったら辛かった。
助け合えて良い仲間がいて、心の救いになった。
お墓の前での、娘さんとげんげんの会話にグッときた。
絶対に1人じゃない。
生涯を通じて決して1人にはならない。と、
母が残した言葉が染みる。
タコを飼えると知った。可愛いかも。
絵のような写真、表紙も素敵。
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どちらかというと既に自立した人生の中盤から後半戦において、自分ではどうしようもない”困難”に遭遇した時、どんな風に向き合っていくか、考えていくか、乗り越えていけるか。。。
このお話では「大学時代の友達」にその活路を見出しているが、そこまで濃厚な友人関係を長く維持できる人はそうそう多いとは思えないので、だとしたら、どうしたらいいだろう、、ということも考えてしまいました。
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大学の合気道部で一緒だった四人。その後社会人になってから、癌になったり、引きこもりになったり、つらい生活になった。しかし四人で乗り越えれば・・・
字が少なめなので薄っべらい内容かと侮ってたら、深かった。哲学的だった。
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日々笑顔で過ごしている人も、みんな何かしら悩みを抱えているのだなと思わされた1冊。
でも、たまに会ったり、学生時代の部屋飲みみたいな雰囲気でオンライン飲み会したりしながら近況を伝え合える関係て素敵。
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小さな日常風景の4人の大学友達を描いた物語。
短編ながらそれは一つのストーリーとしてつながり、一人一人が抱える問題を4人が支えあう読んでいて温かい。
些末な動作や感情、目に映る風景の描写がきれいで話の内容は決してハッピーエンドに向かっていないながらもほんわかする。最後の高校生の女の子と引き籠りだった男性とが交わした言葉がスッと全章を結んでくれた。
面白い、とかそんな感想じゃない、読んでいて心に入る物語だった。こんな大学生活を送れた物語の中の登場人物は幸せだ。2022年の現在、いまだ日本の大学生の大半が自宅オンライン授業だけの生活でキャンパスライフというものを体験していない。使用してもいない施設料だけを毎年払われさせられながらも一切の施設に足を踏み入れることなく二回、三回生を迎える学生たちを思う。
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本とは出逢うべき時に出逢うもの、と常々思っている。
彩瀬まる初読。書評から手に取る。
自分と歳の変わらない4人の男女の数年間の物語。
生後2ヶ月で子どもを亡くした青子が、日溜まりの中でふと辿り着いた一つの考え。
「それなら私は、失ったのではなく、得たのではないか。」p10
ハッとした。
確かにそうかもしれない。悲しむために出逢ったのではない。大切な記憶を得たのだと思える経験を、自分もしたばかりだった。
「いつしか悲しみが、ちょっとしたお守りみたいになってしまった。」p79
「あるものとないものは似ている。」p85
「でも、それにふれなかったからといって、自分の人生が欠けているとは思わない。」p191
「こうだろう、と思った像から、実際のその人の在り方はいつだって少しずれる。ふたしかで、揺れて、矛盾してーーだからなんどでも会いたくなる。会い足りる、ということがない。」p192
かなしみを、慎重に、まるでこわれものを扱うように優しく、言葉にあらわす作家、という印象を持った。
人生の中で、誰もが思いがけずぶつかる困難を「ふいに叩き落とされた新しい星」p11 と表現し、「堕ちた砂地で途方に暮れ」る人々の姿を温かく見守る作者の眼差しに、励まされる。
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アラサー世代の生き方、悩みがリアルで生々しくて、読んでいて正直辛かった。でも肩の力を抜いて自然に受け入れて進んでいくような方向性で、心地よい読後感。読んでよかった。
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大学の合気道部でつながった男女四人、再び交流が始まって行く。一人は胎児の成長に問題のある体質で嬰児は産後間もなく死亡し、離婚され、実家にも理解されない悲しみ。一人は乳癌。一人は会社でのパワハラめいたイジメで極度の引きこもり。一人は…。
再び交流し始めてから少しずつ時間が経過していく様が淡々と綴られていく。後半、人前では読めないです。突然涙腺壊れました。
少し自慰などの描写あるのと、年齢・経験高めの考察多いので中学以上から。
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気づけば30代になって、幸福で充実していることが当たり前って雰囲気が何となくある中で、そこから外れることに対してなんやかんや誰しも漠然とした不安を抱えてると思う。
当たり前にあった思い描いてた人生の軌道が逸れだした登場人物達が、自分や周囲との折り合いをつけていく過程を丁寧に描いていて、とてもいい作品だった。
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繊細で淡い世界が広がるような描写の仕方やそれぞれの短編が連なってできているので一つの話でも満足できるだけでなく全体として楽しめた。
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全8編からなる連作短編小説。
学生の頃、同じ部活で気心の知れた男女4人。
彼らが大人になってからの日常、 それぞれに訪れる悲しみや辛さ、それと向き合い受け入れる過程、
ストーリーに派手さはないですが、それぞれの
人物の心情を丁寧に掬い上げ表現された文章が
魅力的でした。
良い本に出会えたな、と素直に思える一冊。
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たまたまメンタル削られた日に読んだら、優しい文章で癒された。読んでて心地よかった。
途中うるっときてしまった。
亡くなった人を、自分の中に生かし続けるっていう考え方、良いなと思った。
彩瀬まるさん、初めて読んだけど、他の作品も読みたいと思った。
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この4人、いいなぁ。「あなたは決して一人にならない」この言葉を胸に、奈緒ちゃんは生きていけるね。そして仙太郎…描写がカワイイな。
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最後の方ずっと泣いてた…
ワタシもどうにも進めなくなった時手を差し伸べてくれるような友達が欲しいよ。
「私が変えられるのは自分の運命だけなんだ。子供の運命はそれがどんなものであっても、その子が一人で背負うしかない。」