紙の本
静かに心に沁み込んでくる作品集です
2022/09/05 09:40
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞候補になったのも頷ける、どこか懐かしさを感じながら、静かに心に沁み込んでくる作品集でした。誰にでも起こり得ることで、主人公たちの幸せな暮らしが崩れてしまいますが、仲間たちとの交流もあって諦めたり受け入れたりしながら前に進んでいく姿に共感できました。茅乃というピースを娘の奈緒が埋めるような最終話が秀逸です。
紙の本
とても面白かった
2022/01/12 16:07
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投稿者:ぼちぼち - この投稿者のレビュー一覧を見る
普段はホラー寄りのミステリーしか読まないが装丁が綺麗だったので購入。誰も死なないけど(笑)とても面白かった。大学時代の男女2人ずつの仲間が各々の深刻な悩みについて何十年経っても真剣に支え合っていく。その姿は羨ましくもあったが、ある種今では天然記念物のような気さえする。そんな絵空事な話も作者の素敵な言葉の表現力によって心にガツンときた。最後は4人の温かい友情に泣けた
紙の本
美しく静かな文章
2022/01/08 20:18
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
4人の男女の人生が織りなす8つの物語。ひとつひとつの物語が、とびとびにつながり、静かに流れていく。それぞれの人の愛するっものを喪失すること、そしてそこから再生して生きていくことが、語られる。私たちが一人ではないことを意識させ、それがいつまでも続くように祈るようにして、物語は終わる。なにが「普通」の生き方なのだろうか、普通の人生って、良いものだろうか、と思う。
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はぁ…読んでてすごくわかるって気持ちと寂しくて苦しいが溢れて辛かった。。特に最後の方はいつのまにか涙こぼしてた。こう言う話だと思ってなかった、喪失の物語。
幸せそうに、元気そうに見えても実は色々抱えてる人ってほとんどだと思う。頼れる何かがその人たちにみつかりますように。
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ある一定の年代にとってはなかなか堪えるのではないだろうか
わたしも当然ながら「今」というこの瞬間に、戸惑い、怯む
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連作短編集。サクサク読めた。
友人関係って、長い期間で少しずつ変わっていく。
立場や状況が変化しても、お互いを思いやる関係性が築けてる4人が羨ましかった。
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【直木賞候補作『くちなし』から4年、注目を集め続ける新鋭が放つ、新たな代表作――】「普通」の人生を謳歌していたはずの四人に訪れる、思いがけない転機。コロナ時代の「普通」に揺れる、ある四人の男女のリアル。
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ありのままの自分を受け入れてくれる人がいるっていいなと思う。
大切な人が生きていてもいなくても、ここに存在しているって思えたら、少し強くなれそう。
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玄也が引きこもりだったのにあっさり家を出られたのが違和感あったけど、些細なことで出られたりするのかなぁ。私だったら多分昔を知っている人たちにこそ会いたくないっていう気持ちの方が先に出てしまいそうな気がする。
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大学の合気道部に所属していた30代男女4人の物語。子供を無くした青子、乳がんが見つかった茅乃、引きこもりになってしまった玄也、里帰り出産の妻から戻りたくないと言われた卓馬。それぞれが何かを失いながらも友人たちとの一時に何かを見つけ前を向くお話。
一遍ごとに時間経過もあり、コロナ禍になっていく様子も反映されていてどれも希望の物語だった。
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途中から涙が止まらなくなった。誰でもない「私」についてよく考えていた。これを読み終えて、誰かにとっての「私」も悪いことばかりではないように思えた。何でもない誰かにも家族がいて悩みや葛藤があって、そんな当たり前のことを強く思い知ってまた泣いた。
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あったかくて人間味溢れる作品。
読んでいて穏やかな気持ちになった。
一人一人が抱えている問題はすごくリアル。
いつでも自分ごとになってもおかしくないものばかりで、共感しながら読んだ。
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静かで悲しくてでも温かな話。
一人ひとりの人生があって、それは山あり谷あり。辛いのは自分だけではないんだなと勇気がもらえる。
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静かに優しい涙を流しながら読んだ。
大学の部活で知り合った四人、卒業後重ねるそれぞれの時間の中で人生においての大きな転換を超えていく。
まっすぐに、当たり前にその人生を歩いて行ける人なんていない。誰もがつまずいたり転んだり立ち止まったりしている。それでも時間は巻き戻せない。進んでいく時間の中で泣いて苦しんでもがいて、そんなときに一緒にいてくれる友人がいること。いつもいっしょにいるとか、ずっとそばにいるとかではなく、点と点で結ばれたそんな関係の安心感と心地よさ。
それにしても人生とはままならぬもの。自分の人生が他人と比べてどうかとか、誰かより恵まれているとか不幸とか、そんなことに悩む時間もないくらい生きていくのは大変なこと。
それでも生きているなら、なんとかなる。でもなんともならないこともある。
子どもを遺して逝かなければならない友を、見守り続ける十数年間。その重みと深みを思う。
友の「命」を感じることで、少しずつ動き出すそれぞれの人生。
彩瀬まるはどうしてこんなに温かい涙を誘うんだろう。静かに泣きながら笑っている自分がいる。
大切な人を失った悲しみと寂しさを埋めてくれる涙がここにあった。
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泣いた泣いた
いままでは、気になる存在的な感じでしたが、
彩瀬まるさん作品が好きだって実感しました。
破壊後と再生のストーリー、
わたしは今破壊してて、
破壊した人がたぶん好きなんだけど、
結局、再生には人間が必要なんですね、
はい、だれもいないお前、おつかれさま〜!
って自分を更に落としてくれました。
もっとわたしをえぐるお話ください。
一気読みでした。