紙の本
カルピスが飲みたくなった
2022/06/29 16:46
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つかも - この投稿者のレビュー一覧を見る
60代の私にはカルピスはしゃれた飲み物で、センスのいい人が作り出したんだと思っていましたが、なんと浄土真宗本願寺派の僧籍をもつ苦労人でした。関西でも、京都や神戸、大阪という大きな街ではなく箕面(みのう)や伊丹というローカルな場所で貧しい子供時代を過ごした人がモンゴル高原でカルピスのもととなる飲み物に出会う話は壮大です。モンゴル高原が中国共産党の指導によってどんどんと変わっていく様子も分かります。中国がモンゴルの文化や民族を認めず、豊かな草原で営まれる遊牧の文化を中国化していく様は現代の習近平中国とも重なります。モンゴル現代史の一端が垣間見られる本です。
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大谷光瑞や川口慧海の様な仏教者とも川嶋浪速の様な大陸浪人とも流れに流れた余多の馬賊とも重なる様で重ならない、教育者・行商人として過ごした満洲地方で出会った乳製品からヒントを得、国民飲料カルピスを作り上げた立志伝中の人物の一代記、である。
三島は実の子供以上にカルピスに愛着と自負を持っていたのかも知れない。
羽田亨や桑原隲蔵、矢野仁一や鳥居龍蔵といった懐かしい名前が出てきたのが思わぬ収穫。
ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入。
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カルピスの聖地・モンゴル高原まで訪ね、規格外の経営者の生涯に迫った評伝になります。
カルピスは好きな飲み物ですが、この本を読んでからカルピスを見ると感慨深いです。
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健康飲料として評判の高いカルピスをつくってくれた日本人の先人の短い伝記としても、当時の時代や多くの日本人達が大陸に夢を持って渡っていったこと(結果的に支那人、朝鮮半島の人達からは大変な反感を持たれることになりましたが)、関東大震災と同時代のこと、本書に登場する周辺の人物たちのこと、そしてモンゴル、内モンゴルのこと、ユーラシア大陸のこと、イタリアの詩人ダヌンツィオとのこととか、どれもこれも大変興味深かったです。
仏教とのかかわり、聖書のことばの一粒の麦のこと、わたし自身では仏教自体には興味も希望もあまり持つことが出来ないのですが。
カルピス自体は、山川さんも書かれていますように、カルピス以外の有望な商品を作り出すことが出来なかった等の事情により、今では会社が変わってはいますが。
カルピスは上手くて身体に良いのだからたくさんの人に飲んでもらいたい。
日本人の先人たちのの優れた業績を知ることが出来て、とてもありがたかったです。
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https://www.youtube.com/watch?v=FuxDsVHUKVU&list=WL&index=2