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驚きの話だった。人それぞれの後悔。生きているからこそ、出来ること、やれること。親を大切に今出来ることをやる。
今を生きる、精一杯生きる。
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浅田次郎さん、泣かせる。
「母」主に3人の主人公の母なそれぞれの故郷ではない村に。その母を思い初老の主人公達の日々の生活の癒しとして存在する「母」。
ネタバレになるので書けないけど、このシステムを考えついたのは著者なのか、本当にあるシステムなのかはわからない。しかしそんなサービスがあったらなぁと思った人は多いのではないでしょうか。
最後の母を見送るシーンは涙ものだ。母の過去を聞くと「母」をしていた時の姿を思い出しながら見えない母の本当の姿にさらに涙する。
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大手のカード会社で、ブラックカードを所持している人達限定に案内している「ホームタウン・サービス」。利用者は、ある「ふるさと」を訪問し、昔その土地の住民だった人として、「母親」が迎えてくれる。近所の住民も、「そこに住んでいた人」として招いてくれるので、まるでここが生まれ育った場所のように振る舞ってくれる。
1泊50万円という破格の値段だが、三人は同じ「母」にお世話になりながら、「母の子供」として過ごした。
三人とも還暦間際。独身だったり、熟年離婚だったりと三人それぞれの人生を歩んできた。
「母」と過ごすうちに、これからのことをどう考えるのか。三人の岐路が始まる。
前情報なしに読み進んだので、最初の段階では「?」ばかりでした。故郷に帰ってきたのに母親の名前を知らなかったり、サービス?という名の訪問や三人が同じ「母」にお世話になるといった、奇妙なことだらけでした。
後にわかる、あるカード会社のサービスプラン。年間35万円、1泊50万円というお金持ちの考えていることはよく分からんといった具合で、目が点になりました。
正直、日にちを変えて、異なる三人が同じ流れでお世話になるシーンは、つい笑ってしまいました。
それでも、「母」を演じているおばあちゃんには、賞をあげたくなるほど素晴らしかったです。愛しさや温もり、例え嘘だったとしても、ほっこりした気持ちにさせてくれるので良かったです。
物語ですが、三人の視点が交互に変わりながら進行します。
いつの間にかずっと独身を貫いてきた松永、熟年離婚で独りになった室田、医者として働いてきた古賀が、同じ「母」と出会うことで、変化が訪れます。
三人とも、家庭がなかったり、親が亡くなったことにより故郷がありません。その寂しさを埋めるかのように利用した「ホームタウン・サービス」。
その場所は果たして「ふるさと」と呼べるのか?色んな考えがあるかと思います。結果としては、本人が「ふるさと」と言えば、そうなのですが、果たして偽りで出来た所あるいは突然訪問した所に愛着が湧くのか。
自分にとっての「ふるさと」とは何なのか?
色んな意見を聞きたいなと思いました。
その後、三人とも愛着が湧き、再度利用することになります。段々と心が潤っていくだけでなく、「親」と「子」としての愛も垣間見えて、豊かな気持ちにもなりました。
そんな時に訪れる後半からの展開。いつかは訪れるであろう「別れ」にウルっとしてしまいました。
さらに読了後に表紙を見ると、じんわりとくるものがあり、よりウルっとしてしまいました。
三人がそれぞれどんな決断をしていくのか。
どんなに富んでいたとしても、中身は「みんな」と同じです。やっぱり人との「愛」って良いなぁと思ってしまいました。
ただ、個人的には、この体験は結構です。良い体験かと思いますが値段が高すぎます。そんなにまで、「ふるさと」を味わうのはちょっと違うかなと思いました。
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東京などの都会にいる孤独な60歳ぐらいの男女がカード会社が用意したふるさとに行って感じる本当の故郷とは親の存在とはを考えさせる本。実際に自分が同じ年齢で本の登場人物の行動が自分の事のように思われる。考えさせる本であった。
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読み始め、ん?と思わせ、徐々に種明かしされて行く。
と、同時にサービスと割り切れない互いの思いがじわじわと漏れてくる。
ふるさと=母というテーマであり、お金で手に入れるふるさとがあったとしたら、という面白い発想にびっくり。
ラストは母側の事情にも触れてあり、なるほど。
思ってた話と全然違ってたのだけど面白かった。
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うむー面白い!老いた母を持つ身として、共感しまくり。
浅田次郎の作品はホント良い。大ベテランでありながらテーマは古くなく、それでいて懐かしさという安定感を出せるのは素晴らしいのひとこと。
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読了後、しばらく呆然とした。
非現実的なお話かと思いきや、現実にもあり得そうなお話。
作られた世界とわかっていながらも訪れた皆が心満たされるのは、母の思いやりではないでしょうか。後ろめたさを持ちながらもおもてなししていた母は、まるで本当の親子のようで、人間味があり、いくら契約とはいえお金以上のものを感じた。
ふるさととは心の拠り所のような心温まる場所なんだな、とホッコリした。
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浅田次郎と本のタイトルで期待して読むも、ストーリー自体に無理があるとしか思えない展開で全く浅田節の心に響く事も無い愚作かなぁ。確かにタイトル通りに違い無いがダミー母親を慕うストーリーには全く感情移入も出来ない事が原因か。。
血を分けた親のダミー展開は無理が有り過ぎ、せめて夫婦間柄で有ればストーリーは成り立つかも知れない。
大手食品会社社長まで上り詰めて現役で働く松永徹、循環内科女医で還暦を機に辞職を考えている古賀夏生、薬品営業部長で定年を迎え出向先で退職して熟年離婚を言い渡された室田精一この3人はとあるカードのプレミアム会員(年会費35万)で共通のトライアル運用のマイビレッジ商品(1泊50万)に申込、其々ダミー実家に訪れダミー母親と一晩過ごす。この商品はクライアントの里帰りを村ごと演じて貰えダミー母親も真の気持ちで迎えてくれ故郷を持たない3人は心に響くおもてなしで惹き込まれリピーターとなり母が待つ実家に足を運ぶ。最後は、ダミー母親が亡くなって本当の葬儀に3人は個別出席して葬儀にはもう1人チェーン居酒屋社長の田村健太郎を加えた4人が初めて顔を合わせて泣きダミー母親を偲ぶ。
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久々に浅田次郎の小説に涙が止まらなくなった
眼科の待ち時間に読了、涙も誤魔化せた
限界集落を壮大な故郷計画を実現して、この故郷に泊まる人達の心を癒す
最後には胸が熱くなって
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東北の限界集落の曲がり屋で、ブラックカードの会員にだけ提供されるサービス。1泊2日50万円でふるさとを疑似体験するというサービスは本当にありそうで、最初は都会者の感傷と過疎の村の打算の構図が見えて嫌な気がした。
だけど読み進めるにつれて見えてくる利用する側の寂しさ、もてなす側が表に出さない深刻な事情、その中で心底母に徹するちよさんの姿に少しずつ心が動いていく。
都会暮らしの便利さと引き換えに不自然の中に身を置くことの虚しさ。自分の人生そのものさえ箱庭の中の物語のように感じる登場人物の気持ちが身に染みる。
サービスを受けた4人の利用者が、最後に損得抜きで集まるシーンは感涙ものだし、この不自然なサービスによって利用者とちよさんの間に、自然な心の交流があったことに胸を熱くした。
食べること、生きること、死ぬこと、家族、そんなことについてしみじみと思いを馳せ、じわりと涙が溢れてくる良作でした。
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最初はなんてことない里帰りの描写だなと思いながら読み進めていたが、第二章を読んでまさかの展開にワァ!っと胸が躍り一気に読んでしまった。
映像化したら絶対に観たい!
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里に住む年老いた老女、仮の里親として都心に住む仮の子を迎えて一夜、一泊二日のおもてなし、その仮の子どもとの心温まる会話、そして老女はある日死を迎える。その仮の子どもは----。なかなか感動の物語であった。やはり浅田次郎氏の書籍は期待を裏切らない!
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都会暮らしの慌しさの中ステータス
築き老齢の入り口に立った時、ふと今迄の
自分の人生を振り返り仕事に犠牲を払い
何も人生に残らなかったのではと思った
人々の、架空の桃源郷。
高額なテーマパークだと思いきや
そこには暖かく迎えてくれる母の姿が
あった。
現代都会では隣人の顔さえ知らない
はずが、見ず知らずの母は虚実と現実の
狭間で揺れながらも、架空の息子や娘を
癒して行く。
虚構の親子だが、その母の死は都会の子供達
に真実として涙を誘う程の大きな真の母の愛
だったのだ。
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限界集落の話でもあり、独居老人の話でもあり、また家族の話でもある。
その場所へ訪ねて行く人は家族を持たず、それでもそれなりの覚悟もまだ無い60代の人。
覚悟というのは、ひとりでも生きてゆくという覚悟。だからその人たちは、擬似母性を求め高い料金まで支払いながらも回数を重ね訪れることになる。
まさかのAIの登場なるも、最終章ではようやく腑に落ちる。AIには予測つかない『子供たち』の邂逅は、何故か温かいこれからをも予測させてくれる。
そしてその母が何故、一人になったのかも、10年前という昔ばなしで暗示してくれる。
擬似家族の是非を問うのはまた別の問題。
ここでは亡くしたばかりの『お母さん』を悼み胸にしみる涙をそれぞれ味わう。
浅田先生は毎回新しい世界を見せてくれる。
楽しい読書時間でした。ありがとうございます。
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最初のほうから、プロットみたいなものがわかりだして
読んでいくと、少しリアリティにかけるような
内容でした。また登場人物も真実離れしたというか、
感情移入しにくいような人物で。。。
でも最後の最後の昔話が最初は、まったくさあっと読み終わったのですが、どこか心に引っかかってのあたりを、何度か読み直してみると、ふっと腑に落ちる部分というか、納得というか、心に響きました。
それを踏まえて、その少し前からの流れで。。いい小説だなと思いました。