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投稿者:ウォルトット - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の最後に下した決断は、そこまでのストーリーがあってこそ、納得できるものであった。 主人公と同じような人生を歩んでる人に対しての理解ができるようになった。
頼れる大人のいない少年少女たち
2022/09/25 22:50
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二章の明良の(自称)グレていた頃に
出会った少年少女が印象的だった。
頼れる大人を知らず、
夜の街で出会う仲間同士で
支え合い、慰め合って生きていた。
あの場所から抜け出せる出会いは
そうそうないのかもしれないけど、
それでも、1人でも多くの子が救われることを願う。
月の光は弱いけど
2022/04/09 10:25
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
普通に学校生活を楽しんでいた女子高生美優は望まぬ妊娠で彼氏にも親にも見放され自殺を考える。
しかしそんな美優にたくさんの人が光を当てる。
新宿で少女達に声をかける千沙、ゲストハウス「グリーンゲイブルズ」で里親になって子供たちを育てる明良と華奈子。
そんな人たちにも貧困、虐待などを経験していたり、予期せぬ運命に翻弄された過去があった。
生まれてくる子どものことを一番に考えて前を向く決心をした美優。
決して明るくはない月の光が美優に届いて、前を向く気持ちを持たせてくれた。
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女子高生、美優は予期しない妊娠をしてしまう。堕胎するには遅すぎると、福祉の手によって奥多摩にあるゲストハウス「グリーンゲイブルズ」に預けられる。そこには血のつながりよりも深い愛で結ばれた「家族」が暮らしていた。養子縁組、里親制度。小さな命に光を当てる、長編ミステリー
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17歳で同級生との子供を妊娠した美優。怒る両親、逃げる男。そんな周囲の状況への意地で一人で産み育てることを宣言し家を出たものの行き詰まり、ビルの屋上から飛び降りようとしていた。
そんな美優が家族として迎えられた「グリーンゲイブルズ」というゲストハウス。
そこは兄と妹が、行き場のない子供たちを養子や里子として育てている場所だった。
望まぬ妊娠をしたとき、相変わらず大きな犠牲を一方的に払わされるのは女性なんだと怒りを覚える。
それでも、美優がグリーンゲイブルズという居場所を得、さまざまな子供たちの環境を知ることで、自分の子供の幸せ、母親としての自らの行く末を考え、進むべき道を選択していく姿には希望があり、素直に応援したくなる。
明良と華南子の兄妹も、辛い事情を乗り越えて今の形を選んだことが素晴らしいし、何より、そこで救われていく子供たちが、たとえ氷山の一角であったとしても存在することが嬉しい。
行き場のない子供たちが繁華街に溢れる現状、それぞれの思い、里親制度や特別養子縁組制度、非配偶者間精子提供制度など重い社会問題を描きながら、決して暗いだけに止まらず、月の光のような静かな明るさと、希望に包まれる読後は爽やかだ。
ラストにある人物が再登場するのも嬉しく、暖かい気持ちで読み終えられたのが嬉しかった。
現実はこんなにうまくいかないかもしれないけど、せめて少しでも、辛い思いをする子供達が減ることを願う。
大人たちが自分のことだけではなく、子供の立場に立って物事を考えられる世の中、子供の幸せに寄り添った制度のあり方が整ってほしいとしみじみ思った。良い作品でした。
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タイトルに惹かれて手に取った本。
華南子と明良に起きたことは本当に悲運としか言いようがない。自分のことでも、まして小説の中の出来事だけど、私も千沙と同じように華南子と明良のことを思って泣いた。
家族の形は様々。本当の親にこだわる必要がないと思っているから、日本の制度ももっと子供が不幸にならないようにダメな大人からは子供を救えるようになって欲しいなと思う。
あと、最後にカメが出てきてうれしい。本当に彼にピッタリの仕事に就いたなと思う。
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17歳で望まぬ妊娠をした柳田美優が親元を離れてグリーンゲイブルズというゲストハウスで働くようになるまでから、出産に至るまでの物語と、そしてもうひとつは赤毛のアンのマシューとマリラのように暮らす兄妹とその里子たちの物語です。
なぜ、兄と妹である井川明良と、西村華南子とそして母の西村類子が三人でグリーンゲイブルズという名前のゲストハウスを営み三人の養子を育てているのか。
井川明良の少年時代の話である第二章は平成の危うい歌舞伎町にたむろする少年少女たちの実態と明良という人物と千沙という不幸な身の上の少女との関係や橋本という一本気な指物師との関係から、非常に読まされました。
第三章の華南子の章は、赤毛のアンが大好きだった華南子の悲恋がわかっていても泣かされました。
第四章では、よい巡り合わせが重なって皆の気持ちがひとつになって存在しているこの奇跡のような家族が心から素敵だと感じられました。
その家族は「月の光の届く距離にいる家族」ととても美しく表現されています。
美優の産んだ子供もきっと幸せになれるだろうことが信じられました。
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ルポタージュのような作品。最後、子どもを養子縁組に出す若い母親が美談のように語られていたが、それは…と思った。子どもを養子縁組に出してわたしは大学に行きたい、という場面は???がたくさん。子どもの立場になると実の母親がこれは辛い。
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息を呑むようにして読み続け、読了。
『羊は安らかに草を食み』では、高齢者の所業に快哉を叫んだが、
今度は?
静かな涙というところか。
かつて、30年ほど前、アメリカで有名人カップルが、次々に養子縁組を行い、
血縁を越えた家族の存在をテーマにした小説を、やたら読んでいた。
日本も、こんな風な時代が来るのかしら、羨ましいな、
いや、日本じゃ無理だよね、と、どれだけ考えたか。
まさか、まさかの30年後。
こういう小説を違和感なく受け入れる時代になっている。
それだけ、いわゆる「家族」が崩壊しているのかも知れないけれど。
小説についていえば、最後の最後は、著者からのプレゼントのようで
涙が止らなかった。
一度できた、大事な人との縁は決して切れないと、信じたい。
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10月-01。4.0点。
17歳で妊娠した女子高生の主人公、仕事を探しお世話になる里子を育てる兄妹。3人の物語を紡ぎ、ラストに主人公と兄妹の物語に。
面白い。章立ての上手さ、ラストのほんわかとした終わり方、上手かった。
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類子が素敵。
「男を父親の位置にきちんと据えようと思ったらね、女が上手に育てあげなくちゃいけないのよ。私はごめんだわね。そんな労力を使う時間が惜しかったの。」
カッコいい。
人と人との出会いは偶然だけど、大きく人生を変えることがある。
そうだね。
賛否両論あると思うけど、まず、
17歳で妊娠した美優の彼がひどい。
美優の両親もひどい。
見放し方が、嫌だと思った。
でも、
人の成長ってすごい。感動する。
登場人物がそれぞれ、びっくりするほど壮絶な人生。
ラストに近づいていくうちに、とても優しい気持ちに包まれる。
光のある終わり方。
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確りとした文章力の宇佐美氏なので上梓作品の質に間違いないとは思っていても、ホラー・怪談・ミステリーとは全く違う里親制度をキーにした家族を考える本作品の題材には本当に驚いた。この新たな一面が、ジャイアントステップになったと思料する。血のつながりのある一般的な家族の繋がりが燦燦と輝く太陽の光ならば、血はつながらずとも幸せに暮らすことができる家族の繋がりを月の光が届く距離と形容するタイトルに込められたメッセージにも深く共感できる。しかも月の方が距離は近いし。宇佐美氏の新境地を是非多くの方に読んでもらいたい。素晴らしい作品。
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赤毛のアン
子供の頃に読んだはずだけど、よく内容を覚えていなかったんだって事を、この本を読んで思い出した。
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1作ごとに進化を続ける宇佐美さんの新作は、育児放棄や児童虐待のニュースが途切れない現代に一石を投じる作品だった。
主人公は17歳で望まない妊娠をした美優。相手の男は逃げ腰で、父親は激怒し母親は事実を隠そうとする。1人で産んで育てると家を飛び出した美優だったが絶望の果てに……。
様々な形の家族や愛が描かれているが、心に傷を負っていない人は誰もいない。それでも誰かのために手を差し出さずにはいられない。
読んでいる途中で、何度も涙が溢れた。これまでに読んだ宇佐美さんの作品の中でもっとも好きだ。本年度ベスト入り確定だ。
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素晴らしかった。実際にはこのように良い出会いがあるケースばかりではないだろう。だが、今作の登場人物達の人生を読むことは、子どもたちが生きる事に前向きになる手助けとなるのではないか。