電子書籍
ハズレが無い
2022/04/12 14:43
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ろみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
上橋先生の本は本当にハズレが無い。
そして、止めるタイミングが難しい。ちょっとだけのつもりで読み始めると、あっという間に本の国へ惹き込まれてしまう。
読み終わったあとのほんわかとした温かい気持ちと、寂しさ乗り越えて、また次を探そう!
電子書籍
科学の予感
2023/11/24 19:56
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投稿者:たこい - この投稿者のレビュー一覧を見る
すれた読者的には、この食物連鎖の設定に物語の展開から逆算したような作り込み感を感じてしまったりもしながら読み進めていたし、登場人物の配置にも同様の印象を持ったところはあるのだけど、それでもぐいぐい読ませる物語の力、また「香君」のあり方をめぐる終盤の展開には感銘を受けた。
香君といえる存在の異能がすべてを収拾するのではなく、それがこの世界における仮説と検証のプロセスのトリガーに過ぎず、それから科学が生まれていく予感につながるのが見事。謎がすべて解かれず残っているので、『獣の奏者』のような続編展開もありそう。
紙の本
若干不満な結末なので、続きがでてほしい
2022/09/11 22:02
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
嗅覚にすぐれたせいで人とは異なる世界を感じられる少女アイシャの物語は、オアレ稲に依存していた帝国にオアレ稲を好んで食べるイナゴ的な虫害が発生したことで危機的状況を迎え、その事態に協力してコトに当たるという姿勢を示すことで活神として祭られた香君という存在を同じ人だと認識させる道を模索していくことに。
話としてはとても面白くて、魅力的な世界観で、夢中で読んだ。
でも未来を良い方に変えていきたいと願う少女アイシャが最後まで孤独で、しかも犠牲的立場に置かれたのは本人が納得していても切ない気持ちになるなぁ。
私は主人公に共感したり感情移入したりして読むタイプなので、最終的に主人公が幸せになるハッピーエンドじゃないと少し不満が残るんだな。
主人公は孤独で犠牲的な立場になったのに、彼女をそこに引きずり出したともいえるサブカップルが幸せになりました、というのはユーマでなくても心配してそれでいいのかと確認してしまいたくなるね。
この世界観で続きを書かれることがあるなら、今度は彼女の孤独が少しでも癒されて幸せを感じられる結末を望むよ。
幸いにも正式に彼女が香君に代替わりしたから、続けやすそうだしね。
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CL 2022.5.31-2022.6.1
とにかくわたしは上橋菜穂子さんの描く物語が好きなんだということを再確認。
ただ、今作に限らず国を司る人たちに翻弄されて過酷な人生に立ち向かわざるを得ない人たちが多くて胸が痛くなる。もちろん、それが物語を動かしていく原動力なんだけど。
アイシャがカッコいい。その神の如き能力だけでなく、芯にある人を思いやる心。
自然を壊すことの恐ろしさ。人類には自然を制御できる力などない。
これほど強力な自然の脅威のもとで人間たちはどう勝てるのか。
皇帝や貴族、つまり国を動かすというのはとてつもない犠牲を伴う。
読みながらさまざまな思いを抱いた↑
今までの作品以上にいろんなことを考えさせられる作品だと思う。
でも、ラストが希望を持てるのが嬉しい。
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【「香り」と植物や昆虫の生態をテーマに描く壮大なファンタジーの誕生!】一見豊かに見える帝国はオアレ稲という優れた品種の生産に依存していた。やがて綻びが生じて危機が訪れた時、アイシャは立ち上がる。
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上橋先生の描く世界が大好き。オアレ稲という脅威の植物と人間達との共存のファンタジーだけど、どうしても実世界とリンクさせて読み進めてしまい時に恐ろしくなる。でもやっぱり今回も最高でした!
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どんなものにも意味があると、自分の存在意義を再認識する
ふと、忘れていた香りを思い出したときのように、こころの記憶に残る作品だろう
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先が気になって、というより自然と読み進み読了。アイシャの行動力にどきどきしました。
香君と名乗ってからはトントンと話しが進み、もっとこの世界を楽しみたかった。
自分の行動が何に繋がり、どんな結果をもたらすのか、
終盤はメッセージ性も強かったように思います。
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ファンタジーの世界に深く入り込めた。帝国全土に及ぶ危機を回避できるのか?植物は、虫に食べられたりして苦しくなるとその虫の天敵をおびき寄せる香りを発する、というのもきっと現実に起こる摂理なのだろう。あとがきには、参考になった文献、お話を聞いた専門家の先生について書かれていて、どれほど丁寧に生み出された作品かがよくわかる。ずっと手元においておきたい本。
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序盤からすぐに香君の世界に引き込まれる。
あっというまに完。いつもながらの完成された世界観はさすがです。
なすべきことを成す主要な登場人物たち。こういう人たちがいれば世の中捨てたもんでは無い。
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失われた文献に記載されていたオアレ稲の秘密がわからぬまま事態はどんどん悪くなる。植物、虫、バッタと天敵が天敵を呼び厄災は止まる事をしない。皇帝と諸侯の政治的配慮や陰謀、そして香君の存在意義といろいろなものを図りながら綱渡りような香君二人の合わせ技で見事に乗り切る決着に拍手です。
最後の場面、旅する香君として再生したアイシャ。細い道を迷いながら歩く香君に幸あれと祈ります。
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お久しぶりの上橋さん新刊!!
上橋さんの話はどれもそうだけど、こう言うファンタジー物とかにありがちな序盤設定説明ダラダラ続いて全然話の本筋に辿り着かなくてしんどい…
っていう事がない!!
とにかく序盤から一気に読者を物語の中へ包み込んで匂いや音、風の音全てにおいてリアルなその場に連れ込んでくれる。最初からギア全開!
オアレ稲と言うどんな痩せた土地でも沢山育つ特殊な稲によって経済を支える大国。でもそのオアレ稲には秘密があって…ある日事件が起きてしまう。
人一倍嗅覚が優れた少女アイシャとそのオアレ稲の秘密が絡み合って1つの流れとなり一気にクライマックスまでいく上橋ワールドには毎度の事ながら夢中で貪り読んだ。
上下巻で綺麗にこれだけのネタを収めたのも凄いけど、
でも正直これって、まだまだ続きがあるのでは??
と、思わせられる余力が有り余ってる気がしてならない…
と言うか読みたいお願いします!!
植物達は何も話さないけど、実は独自のコミュニケーションを持っいると言うのもとても興味深かった。
人は自分達の手には負えない災害が起きた時、誰かのせいにして落ち着きたいと思ってしまう。
でも、誰かのせいにするだけで事前に防げなかったのか、自ら考え努力する事が大事なんだと教えられた気がした。人のせいにしてばかりで文句を言うのでは無く、
ちゃんと自分で最善の策を考えるのって、本当に大事。
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蝗害の恐ろしさ、それに対抗しようと奔走するアイシャや虫の専門家アリキ氏達のがんばりがひしひし伝わる下巻
毒におかされながらも人々のために立ち続けたオリエ、アイシャのような嗅覚は持たないけれど本物の香君だと思った(マシュウと幸せになれて良かった)
オアレ稲からの脱却ではなく共存を選び、国の上層部だけに任せるのではなく民が皆、自分で考えて動けるように…と忙しく旅しているアイシャは自分なりの幸せを見つけたのだろう
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虫か〜っ!なるほどそーなるのか〜。。
虫の描写こわっ。
全てを失う恐ろしさ。生産者さんの苦悩を肌身に感じた。
「大きくなり、豊かになったこの国の中で、自らがどのような国を、どのように支えているのかを思う者は、どれくらいいるでしょう。」というハッとする言葉からの広場での大団円。
生き物は強くしなやかに生きて、着地点は共存。
ゆっくり読み進めたかったけれど、終わってしまった。。あとがきにある関連書も読んでみたい。
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久しぶりの上橋ワールドでしたが、上巻から下巻まで、おもしろくて一気読み!
上橋ワールドはお話の中の世界なんですが、そこに住む人々の息づかいまで聞こえてきそうなほどリアルです。主人公であるアイシャの頬を撫でる風や様々な香りも、まるで自分も一緒に感じているかのような気持ちになりました。
早く続きを読みたい気持ちと、読み終わるのがもったいなくて、ずっとずっとずっとこの世界にいたい気持ちとで最後の方は葛藤してました。続編もしくは外伝が出ることを切に願っています。
この香君の世界のどこかに、カンバル王国やリョザ神王国があったり、バルサやエリンやヴァンやユナたちが生きているんじゃないか、そんな気がしてしまいます。