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「Come Come Kan!!」のちょっとぶっ飛び
気味の女性作家や「渚ホテルで会いましょう」
に出てきたベストセラー作家が以前に読んだ
「私にふさわしいホテル」を思い出しました。
なかなか個性のある作家たちでしたが
「渚ホテルで会いましょう」は人って
置かれた立場でこうも考えが違うのかと
思ったし話の最後のオチのもよかった。
「勇者タケルと魔法の国のプリンセス」の
話はぶっ飛びすぎてちょっと理解が
ついていけなかったww。
「エルゴと不倫鮨」のスカッと感はよかった!
女性たちが我に返っていくというか、
あれっ?隣のおじさん・・・ダサい?
なんて思わされちゃうくらいエルゴ紐で
乳児を抱いた女性の無双っぷりが面白かった。
その他の話も面白かったが菊池寛をなんで
こんなに押してるのかと思ったら出版社が
文藝春秋だったんですね・・・
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短編7編。
1話と7話には、作家菊池寛が現れる。
意外すぎて、ちょっとコミカルでユーモアもたっぷりで楽しめた。
どれも一見して普通のおじさんのようでいて、いやジェントルマン風なのか…とにかく男たちが関わる物語なのだ。
ちょっとというかやや癖もありというか…ズレているというか、それを当の本人が気づいていないのが面白い、思わずニヤリとしてしまう。
Come Come Kan‼︎
渚ホテルで会いましょう
勇者タケルと魔法の国のプリンセス
エルゴの不倫鮨
立ってる者は舅でも使え
あしみじおじさん
アパート一階はカフェー
エルゴと不倫鮨の赤子を抱いた女の食べっぷりが圧巻だった。
次々と注文する細かな指示も嫌味を感じなかった。
この女、何者ぞ!
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菊池寛に始まり菊池寛に終わる短編集(連作に非ず)。
日常のようでちょっとずつ不思議な世界。
[図書館·初読·5月13日読了]
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柚木麻子のついでにジェントルマンを読みました。短編集ですが、どれも面白かったです。文藝春秋から出ているのですが、創設者が菊池寛で芥川賞や直木賞なども作り、直木賞の直木三十五も初めて知りました
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梅雨空の日曜日にカラリと笑えた小洒落た今様の落語みたいな短編7篇の作品です♪
菊池寛やら谷崎潤一郎やらも闊歩させてあるけど、とりわけの気に入りは、下心満々の男共が美女を連れてくるオシャレな会員制イタリアン創作鮨店に突然現れた卒乳したての乳飲み児連れの体格いい女性がカッコよく掻き回す「エルゴと不倫鮨」および、美容整形に来た待合室で出会った少女小説の世界名作全集で人生が思わぬ展開で拓けそうな若い女性の「あしみじおじさん」が美味しゅうございました!
作者の知的な雑学や博識もあちこちで感じられて面白く読了しました。
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柚木麻子の本を読むのは7冊目で、結構読んでいる方だが、この作品は面白いと思えなかった。作者はフェミニストなのかな?とにかく古い価値観の男性しか出てこず(「立っている者は舅でも使え」を除く)、逆に今どきそんな人いるか?という感じだった。ちょっと極端で、単行本全体としてバランスが取れていないように思った。
「勇者タケルと魔法の国のプリンセス」は、姫=か弱くて守られる存在じゃないよってことが言いたいのかな?だとしたら伝え方が下手だし、終わり方が唐突で意味がわからなかった。テーマは面白いのでもっと伝え方がありそう。
「エルゴと不倫鮨」では子連れママが久しぶりに寿司と酒を満喫する様子が描かれているが、高級寿司店に行く必要あるかな?他の客は寿司そのものだけじゃなく、素敵な空間と接客にお金を払っているのだから、そんな場所に子連れボサ頭が来たら普通にイラつくと思う。このママは授乳中も寿司を控えていたみたいだけど、妊娠中は分かるが授乳中に寿司控えるって常識か?自分も今まさに授乳中だが、自分含め周囲にもそういう人はいないので、共感できなかった。好きなものを我慢してしんどい気持ちはよく分かるが、自分なら子供を預けて友人とゆっくり久々の高級寿司を楽しむ(実際にそうした)。
これらの短編が「オール讀物」に掲載されていたからか、出版あるあるや小説誌関連の小話が盛り込まれているが、こちらは単行本で読んでいるのでノリについていけず、全体的に苦しい読書体験だった。
柚木麻子の女性のドロドロした作品が好きなので、そういった作品が出たらまた読んでみたいとは思う。
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短編集7話。
声に出して笑ってしまう話もあって、
なんでこんな長期間積ん読にしてたんだろうと
不思議に思うほど面白い。
Come Come Kan‼︎→◎
渚ホテルで会いましょう→○
勇者タケルと魔法の国のプリンセス→若干?で△
エルゴの不倫鮨→△
立ってる者は舅でも使え→○
あしみじおじさん→◎
アパート一階はカフェー→○
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菊池寛が2編に出ていて興味深かった。
「あしみじおじさん」がいちばんよかった。
なるほど児童文学をその視点で読み解くとは。
中には貧乏のまま終わるお話もいっぱいある中で・・・
そして、その表題の付け方も最高。
ユーモアとちょっと辛口が混じった7編です。
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若い頃の苦労は買ってでもしろ、とか言うじゃない?
作家は幸せになっちゃおしまいとかさ。
女の物書きはたくさん変わった恋愛をしろとかさ。
でも、そんなの意味ないよ。
貧乏して不幸になって恋愛したら、名作書けるの?
保証あるの?
そういう精神論、一番意味ないとおもってんの。
僕、義理人情とか根性論とか、大嫌い!
僕、貧乏だったから、よくわかるんだよ。
苦労しても性格がゆがむだけ。
苦労人でいい人なのは、苦労したから性格が磨かれたんじゃなくて、もとっから性格が素晴らしい稀有なタイプなんだよ。
それに苦労もしろ、いい性格にもなれって、辛い目に遭ってる人に対して要求きつすぎ。
楽にできるならそれを恥じずに環境に感謝してどんどん先に行った方がいいし、その分人を助けたらいいよ。
便利で新しいものも、ためらいなく取り入れる方がいいと思うよ。
誰かを助けたからって、君の財産が減るわけじゃないんだよ。
むしろ、君自身にとっても、いい経験になるんじゃないの?
好きなことをするのはとても楽しいよね。
いいじゃない。
君が楽しいと感じるなら、なにしたって。
どう思われたとしても、それはその人の問題であって、君の抱えるべき問題じゃないんじゃない?
友と協力できる人こそ、世界中で一番強いのよ。
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柚木麻子作品 3冊目。
期待して読み始めた。
7話の短編集で、ジェントルメン、というだけあってどの話にも様々な男性が登場する。
1話目は、なかなか原稿を認めてもらえない女性が、何と文藝春秋社を舞台にし
これまた何と、菊池寛との話・・・・・少し
変わっているのだが・・・・・
どの話も、もう少し続きが読みたい!
やはり、短編集は“あらッ”という感じで終わってしまうことが残念。
私は連作の方が好きかな?
私に合わない!話があった。
アニメ、ゲームものは申し訳ないが、
遠慮したい。 (柚木さんごめんなさい^-^;)
気に入った話も、もちろんあった。
「立っている者は舅でも使え」と最終話の
「アパート1階はカフェー」このアパート
とは実在していた「大塚女子アパートメント」文京区大塚にあった。男子禁制で
今では考えられない差別があったらしい。
あ!忘れていた!この話は、どうやら
昭和初期の設定だ。谷崎潤一郎が登場する。ここで再び菊池寛も登場。
この話こそ、もう少し続きが知りたい!
チョマ子ちゃんのことが・・・・・
2022、6、22 読了
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【収録作品】Come Come Kan‼/渚ホテルで会いましょう/勇者タケルと魔法の国のプリンセス/エルゴと不倫鮨/立っている者は舅でも使え/あしみじおじさん/アパート一階はカフェー
分かるし、刺さる…… 救われるかは?
「勇者タケル…」はよく分からないというか、ちょっと気持ち悪い。あとはスカッとするけど、痛みは残る。「アパート一階は…」は、先人たちの生きざまに申し訳なくなる。
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どうしてこんなに可愛い、おとぎ話のような表紙絵なのか考える。
女の子らしい世界?
同一のテーマでまとめられた短編集というのではなく、逆にとてもバラエティーに富んでいる。
そして、女性はみんな頑張っている。
一作目を読み始め、菊池寛の銅像がしゃべる?何これ、ファンタジー?ついて行けるかな・・・と思ってしまったが、菊池寛は距離感のちょうどいいおっさんであった。
男が女に何か与えた時、見返りを求める、求めない、どっち?
女性が頑張っているお話、と書いたが、登場する男たちを観察して比べてみても面白そうである。
女は男が所有するもの、と思っている男どもの世界がガラガラ崩れていく瞬間が面白い。
『Come Come Kan !!』
石頭の担当編集者くんも、個人的には嫌いなタイプではないが。
『渚ホテルで会いましょう』
女性に本気でロマンを求めている、不倫小説で一世を風靡した老小説家と、老舗ホテルに子連れで宿泊するファミレス店長のパパ。
『勇者タケルと魔法の国のプリンセス』
この男だけは・・・キモい
『エルゴと不倫鮨』
ちょっと金のある男が不倫相手を連れ込む、会員制のイタリアン鮨屋。
そこに、抱っこ紐で赤ん坊を連れた女が乗り込んできた。
「エルゴ」というのはハワイ発祥のベビー用品ブランド。
この女性の食べっぷり飲みっぷりが、素晴らしい。
こちらまで血の巡りが良くなってくる。
『立っている者は舅でも使え』
このお舅さん、すてき。
『あしみじおじさん』
少女小説は子供の頃たくさん読んだ。
女の子たちが幸せになるのがうれしく、援助してくれるお金持ちをいい人だと思った。
素直な読者であった(笑)
『アパート一階はカフェー』
同潤会大塚女子アパート。
高収入の「職業婦人」たちが住んだ。
その一階に、女性が一人でコーヒーを飲めるような居場所をと、女性三人がカフェーを開く。
菊池寛が出資してくれた。
仕事に打ち込んだり、結婚しなかったりで自立している女性に対する、男たちの発言に、自分が若かった頃を思い出す。
これは昭和初期のお話だが、昭和末期も、男どもの女を見る目は全く変わらなかった。
「男のものになろうとしない」女に対して、病気なんじゃない?どこか欠陥があるんじゃない?と噂する、あるいは面と向かって言う。
「病気」や「欠陥」は性的なことを意味している。
女性問題もあったかもしれないがそれは別として、男女問わず、頑張る若い人を支援していた菊池寛は、なかなかありがたき存在だったようだ。
そして、女の敵は女とよく言われるが、それは男の支配する世界で生きようとする場合である。
男に支配されずに生きようと思う時、やはり女の味方は女しかいないと思うのだ。
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ジェンダーにまつわる不自由さを軽やかに描く7つの短編。
文藝春秋社へのサービスか、最初と最後に作品に登場する菊池寛キャラクターが実にいい。
「渚ホテルで会いましょう」は、老作家の時代錯誤で独りよがりの思い込みが覆るラストが爽快。
なんと言っても秀逸なのは「エルゴと不倫鮨」で、不倫男たちのとことん身勝手な思い上がりが、1人の卒乳母に鮮やかに斬り捨てられ、若い女たちも目覚めて自分の足で立ち去っていく気持ちよさ。
知らず知らずのうちに誰かが決めた「枠」に囚われ、自らを生きづらくしている女性たちに、「自由でいいんだよ」と軽やかに囁きかけてくれるような作品でした。
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編集者に何度もダメ出しされてオドオドしていた新人作家が、文藝春秋社のエントランスで菊池寛の銅像に話しかけられ…。周りにどう思われようと、自分が楽しいと感じるならいいじゃない!と気持ちが明るくなる短編集。
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連作ではないけど、根底にあるテーマは同じように思う。それが『ついでにジェントルメン』ってタイトルに繋がるのかな。
出だしはちょっと癖があって、ん?と思うけど、もう少し読むと止まらなくなり、最後はフワッと心が軽くなったり、にやっとしたり。
個人的に、最近女性作家の女性向けの話を読む機会が増え、これは男性だとどういう読み方になるのかな?と思っていたけど、おしゃれな創作お寿司屋が舞台の『エルゴと不倫鮨』は夫も面白がっていたので、安心した。
格好いい人は、年齢とか性別とか関係なく、その人の言動が格好いいんだよね。
それを素直に感じ取って、そろそろ私もお裾分けできる側になりたいな。
あと、菊池寛さんのこと、もっと知りたくなりました。