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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
逆張り短編集。
あるいは裏返しの。
もちろん村田作品なので、
ただの逆張りだけで終わるわけはない。
個人的ないちばんは「素晴らしい食卓」
普通と常識と、といったキーワードが
ずっと村田作品の核だと思うのだけれど、
理解しやすい形に整えられていた。
何かを取り込むモチーフが多くて、
一枚めくってみたところに真実が、
というようなイメージかな、とは思うけれど、
「真実」という言葉が真実から一番遠いような気がして
言葉は難しいというか小説家ってすごい。
紙の本
宇宙人の視点
2023/07/03 17:38
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
性と食の常識とか価値観をスクラップ&ビルドした短編集。葬式で故人を食べる文化を題材にした表題作が語り口の優しさと強烈な違和感が混ざりあってなんとも言えない作風に仕上がってる。村田さんは当たり前とされてることを気持ち悪く描くのが巧くて宇宙人の視点に思える。
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「普通」も「倫理」も「本能」も一過性のもので、「その時代では」という枕詞を付けなきゃならないんだな…と思いました。さすが村田さんだ…著者セレクトは価値観揺さぶり度が高くて面白かったです。
村田ワールドで描かれる事が突拍子もないだけで、現実世界でも価値観変わってることは多々あります。恋愛や結婚をすることは当たり前でない、とか、体罰は問題になる(良いこと!)は平成初期くらいまでは考えられなかったので。消費税導入からもたぶんまだ40年経ってないし、ネットも携帯電話も普及してない頃をわたしは覚えている。。。
でもそんな堅苦しい訳なくて、この短編集は明るくひたむきに狂っています。「生命式」「素晴らしい食卓」「パズル」「孵化」が特に好き。「素晴らしい食卓」の「皆の、薄気味悪い食べ物に乾杯!」辺りで吹き出しましたし、「パズル」はもはや「胃袋」「心臓」呼びで早苗さんもうキマっているのね…と唸りました。
「狂気なくしてこの国は正気を保てない」という森晶麿さんの言葉を思い出しました。〈狂気〉だけが不変的なものなのかも。村田ワールドはこれからも目が離せません。
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おお、、。表題作の「生命式」と2番目(タイトル忘れた)は苦手な人がいるかもですね。。お気をつけください。
でも究極のSDGsなのか!?と思った、、。
最後の「孵化」を読むと、確かに「自分らしさ」とか「本当の自分」って何だろなって思う。
著者の作品って、現在なのか近未来なのか、それとも遠い未来なのかわからなくって混乱する時もあるんだけど、すごい発想力の持ち主だなって思うのでついつい読んでしまう。
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最高でした。
以前にコンビニ人間と地球星人を読んでいます。
どんな思考回路しているんだろうなと感じていましたが、本書を読んで世間でいう常識・当たり前といった概念がぶっ壊されました。
特に生命式、素晴らしい食卓、孵化が印象に残っています。
魔界都市ドゥンディラスが頭から離れません。
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全12編の短編集。村田沙耶香さんはコンビニ人間に続いて2作目だけど、もうかなり好きになってしまった。お腹いっぱい味わえる一冊でした。
p.99『素晴らしい食卓』
「その人が食べているものは、その人の文化なんですよ。」
p.200『パズル 』
「ヤドカリの殻も、自分に入り込む生命体をこんなふうにいとおしく思うのだろうか。」
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世にも奇妙な物語を見ているかのような小説でした。
普段考える事のない思考。でも子供の頃に考えた事があるような無いような、、
なんとも不思議な世界観で引き込まれました。
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コンビニ人間からすっかり村田先生のファンになってしまったので、新たに文庫化される本書を予約注文していました。常識や倫理観がいかに不定で曖昧なものかを痛感させられます。12の短編の中で、「生命式」「素敵な素材」「ポチ」「街を食べる」「孵化」が好みでした。
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この短編集は、どの人も多かれ少なかれ持っている人間の本能を、ある部分を拡大させて、社会に放り出したらどんな生活をおくるか、という実験を見ているような感触がする。どんな人も奥底に持っている生命体としての本能をくすぐってくるので、どこか登場人物に親近感を抱いた。
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村田さんの作品は何冊か読んでいますが、今回も価値観を揺さぶられる短編集でした。
普通って何だろう?常識を飛び越えていく話にゾワゾワが止まりませんでしたね。
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ジャパニーズミッドサマーのような狂った短編。
常識が覆る瞬間を何回も目の当たりにする。
見てはいけないものを見ているはずなのに、一瞬、あれ?これが正しいのか?と思ってしまうように狂気が美しくみえるときがある。
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色んな価値観のお話
気持ちが悪い…と感じることも、ひとつの価値観
特に否定も肯定もしない文章なので、価値観を強制される訳ではなく、ただそういう考えもあるんだ、という話
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ここにはないけどどこかにありそうな世界とここにはいないけど壁1枚隔てた向こうには存在しそうな人々。ぞわっ。
ありえないことが当たり前に描かれているのってなんかいいですよね…
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本当にこんな世の中になったら……と、少しゾワッとしつつ、でも有りかも?とか思うような内容。
興味深かったです。
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当たり前、普通、常識、価値観、、、色々なものが破壊され、真新しいものたちと対峙する一冊でした。
将来こんな世の中になったらどうしようという焦燥感と、気色の悪いグロいものに触れるドキドキ感の、両方を感じながら読み進んでいきました。
読んだあと、ご飯食べれるかなーと思いきや案外大丈夫だったのは、まだ「どうせお話の中のことだから」と思っている証拠か。