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優勝劣敗という考えは話にならないけど,民族っていうのは難しいよね.感情的になってしまうし.個人的には,民族って結構いい加減なもんじゃないかなと思ったりしている(もっと気楽にできたらいいのに).とはいえ,消えゆく文化は問題だよなー.
本作は群像劇なんだけど,後半やや焦点がぼやけた気がする.
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【直木賞受賞作、遂に文庫化】日本人にされそうになったアイヌ。ロシア人にされそうになったポーランド人。文明を押し付けられた二人が守り抜きたいものとは?
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樺太(サハリン)を舞台にヤヨマネクフとブロニスワフ・ピウスツキというあまり知られていないの二人の主人公を中心に描かれている。
ブロニスワフが大隈重信と面会するシーンで、大隈はブロニスワフに問う。「弱肉強食の摂理の中で、我らは戦った。あなたたちはどうする」
それに対して「私はその摂理と戦います」と答えるブロニスワフ。
この問いは非常に重い。この小説は明治から昭和の時代を描いているが今もこの戦いは世界中で続いている。
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基本的にアイヌは先住民族でないのに法的に認定した事はかなり罪深いと考えます。差別問題とは別問題です。その辺の偏見無しに読んでほしい。
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著者はおそらくアイヌの滅びゆく文明と継承したいと強く願う人々の思いを熱源と表現したのだと思う。でもこれは実際は文明に限ったことではなくて、価値観とか信念とか正義とか、各々の持つ確固たるものを貫く意思が根源にあるのだと思う。
この本を読むと本当にアイヌは滅ぶべき人種だったかは懐疑的である。「そこに支配されるべき民などいませんでした。ただ人がそこにはいました。」という一言に尽きる。
何気なく調べて知ったがそして恐るべきはこの本に登場する人物や行動がほぼ史実通りというところである。
文句なしの直木賞作品だった。
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ちょっと少年漫画っぽいアツい展開で面白かった。世界史、特にロシア周りの歴史に詳しいとより面白いかもしれない。ゴールデンカムイの余韻があったからちょっとアイヌ語の単語が分かって面白かった…笑
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初めのうちは、イザベラバードの世界を物語として楽しんでいる感じでしたが、物語中盤に差し掛かり、私や民族、国といったアイデンティティを改めて考えさせられるシーンや、人間社会の「進歩」に対する問題提起にあてられ、読了後に色々なものが心に残る著作となりました。
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サハリン(樺太)
ヤヨマネクフは樺太から北海道の対雁に移住する
村一番の美人のキサラスイと結婚をする
ブロニスワフ·ピウスツキはポーランド人
ロシア皇帝暗殺未遂の罪でサハリンに流刑
後年チェフサンマと結婚をする
病、戦争、寒さと戦い
ある者は故郷を守るため
ある者は故郷を作ろうとするため
ある者は故郷に文明をもたすため
熱く生きる
血や泪を流しながら必死に生きる登場人物達
現代の日本には何かかけている
熱い生き様がここにはある
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アイヌの風俗、アイヌからみた日本、ロシアが描かれており、民族とは何かを考えさせられた。歴史上の人物も多く描かれており、維新後の日本をたどる点でも引き込まれる作品でした
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民族と国家、少数民族。テーマとしては大好物で、しかも直木賞。期待せずにはいられない本なんですが、期待が大きかっただけに、ちょっと残念。
どちらかというと長大な本の世界にどっぷり浸かりたい派の私としては、中盤以降の物語がかなり物足りない感じでした。この倍の長さは欲しい。
それとこのテーマだと、大好きな船戸与一とどうしても比較してしまう。「蝦夷地別件」までではなくとも、もっとドロドロした情念、怨念があった方がリアル。ちょっと綺麗すぎる。
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こんなにもタイトルを回収している小説は読んだことがないかもしれない。あちこちで小さく灯る熱。
それが大きな熱になっていくのかはわからないから、熱源。
民族って難しいな。
理解し合うのは難しいと思うけれど、それならお互いに干渉しなければいいのかな。
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ところどころで胸を打つ。実際にこういうこと、たくさんあったんだろうなあ〜
村を明け渡すエピソードには胸を打たれた。
カタカナが多くて和名もあって登場人物たっぷりのこの本
久しぶりに集中して読んだ。
はじめに出てきた女の人、そこでつながるのね〜!忘れてたよ、、と思った。
解説に書いてあった2022年のロシアの状況、無知だからこそ苦しむこと、そのために学校を作ろうと苦心すること。でも出資者たちに感じる違和感。
その人にはその人の正義があって時にはぶつけ合ったりして話が大きくなると国レベルの戦争が起きる。
小さい頃からずっと一緒で本気でぶつかって殴りあうのも微笑ましい小説の世界
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アイヌ人のヤヨマネクフ
ポーランド人のブロニスワフ
2人の物語が交差しながら
人が持つ熱について描かれる
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日本では樺太、ロシアではサハリンと呼ばれる北海道の北方の島。アイヌ、ニクブン、ロシア人、和人と異なる民族が生きるため生活している。
時代は、明治初頭から第二次世界大戦終戦まで。
厳寒の土地でそれぞれが生き抜く方法を探す。
参考文献の量からしても、作者さんの熱意が作品に込められています。実在のモデルがある登場人物も多く、半ノンフィクションの様相。その為、アイヌ民族の厳しい土地に順応した生活、少数である為の日本、ロシアからの差別偏見の歴史は胸をうちます。
サハリンはロシアの流刑地でもあり、ロシアの中の異民族ポーランド人もここに流れてついています。
彼らは迫害の中、アイヌ人は、どんな世界にも適応して生きていく。ポーランド人は、摂理と戦う。という生き方を選びます。
なかなかの長編で、作者さんが書きたい事があふれていて、樺太に関わる民族の歴史という枠に留まりません。民族とは何か以上の事、民族としての人までを書かれていると思います。
難点は、溢れすぎていて、主人公と思って読んでいるアイヌの三人を見失ってしまう感じ。このポーランド人はアイヌ語民族の研究者となり、彼ありきの小説なのですが、アイヌの三人との絡みが少ない。
ちょとしか無いので、ストーリーが並行で各章ごとに一休みしたくなるんですよね。
私が史実系苦手だからなのかも、ごめんなさい。
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樺太で生きるアイヌ族と、それに纏わる人々の人生に寄り添って物語が進んでゆきます。アイデンティティとはなんだろう…と考えさせられました。アイヌのお話を読む事も初めてでしたので、慣習や生き方など、知識として得られるものも多かったです。