紙の本
銀行が低金利政策で苦しむなかで、DXで生き残るしかないのか
2022/07/08 22:39
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者は、銀行でシステム開発等に従事したことがあり、なかなか詳しい内容になっている。読み込むには大変な本でもある。
まえがきで、ビル・ゲイツ氏の「銀行の機能は必要だが、今ある銀行は必要ない」という言葉を引用する。単に、利ざやだけで経営している銀行等は必要ない時代であろうか。
筆者は三菱銀行に在籍し、システム部の経験も長い。当然、教員として得た経験も重要であろう。これらの経験を踏まえて、3つの変化、
1.銀行の一部機能が銀行以外のサービスにとって代わられる
2.銀行を通さない決済の仕組み
3.一般企業が銀行機能を保有する とまとめる。
メガバンクのジレンマでは、3メガバンクの金融DX(デジタルトランスフォーメーション)で、相次ぐシステム障害(アーキテクチャの複雑性や専門家不足で対応しきれない等々による)に触れ、新金融サービス提供のプラットフォーム、情報産業化、ソリューションプロバイダー化等を取り上げていくが、成功への道筋が見えているわけではない。
地方銀行の合従連衡の先は?ということで、メガバンク以上の経営の厳しさがあり、経営統合とシステム共同化が図られてきている。さらに、第4のメガバンク構想も登場など話題は多い。
地域通貨の挑戦では、地域が限定される信金、信組の金融DXで、地域通貨の取り組みを紹介する。
フィンテックスタートアップの攻防として、特定の企業を取り上げる。きっと、皆さんが知っている企業であろう。
優勝劣敗では、ロボアドバイザーサービス、ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での問題点やリスク、新たな取り組みに及ぶ。
デジタルバンク、ネット銀行との戦いで、そもそも、この違いはと聞きたくなるようなところであろうか。
デジタルバンクは、フィンテック(金融デジタル技術)により、無休で企業システムやモバイルアプリなどで振込や送金などの銀行業務処理を行うというところか。ネット銀行は実店舗がなく、ネット上の取引のみのサービス提供している金融機関と言えばいいだろう。
キャッシュレスの先にあるものでは、クレジットカードから個人間送金までの各形態があり、世界的に遅れているといわれているが、PayPay等はよく聞くようになっている。既存通貨への挑戦でもあり、同時にグーグル、アップル。アマゾン、メタは脅威になることを示唆する。
最後に土管化か、BaaS提供での逆転かで銀行等の生き残りを提起する。
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デジタル要素が満載で、私には難解でした。
2022/07/28 16:10
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
長年、銀行員として働いた経験のある著者の視点で、今後の金融のあり方について、様々な取り組みを紹介した1冊です。
おそらく、近い将来金融はデジタル化が顕著に進むことは、読んで分かりました。ですが、デジタルは苦手な私にとっては、デジタル要素満載の内容は、正直難解でした。
しかし、将来はいやおうなしに金融のデジタル化が進むはずですから、知識を得られた点では、当書を読んで良かったと思います。
なお、紙幅は薄く、各章ごとの紙幅も薄いので、スモールステップ感覚で肩の力を抜いて読めると思います。
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著者より直接頂いた。わたしの家で本を置く場所がないことを承知の上だが、新書版でコンパクトだし、ここ2年くらいの、金融システムの目まぐるしい動きがよく整理されている。何より先ごろまで同僚であった遠藤さんの思いがよく伝わってくる。そこで、うちに置くことにして受け取った。ありがとう。
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元MUFGの行員の方による銀行、金融DXの概説書。関連がないとはいえないとはいえ、冒頭のみずほの障害の章は長過ぎるし、他の章はやや表面的な紹介に止まっている。ざっと金融・銀行DXの概観をつかむという意味では良いけれど、元銀行員という経歴のわりに考察が深まっていない印象。
最後の8章は銀行の今後が論じられていて、銀行が採るべき方策が5点提案されているのが白眉。ただ個人的にはさらに深掘りして、特に地銀の将来について論じて欲しかったとは思う。銀行が生き残るための施策とは、単に営業店を減らしたバックアップとしてのアプリ・DXだけではないと思うからだ。高齢化する/した地方で地銀が生き残るために必要な施策はいまのみんなの銀行のような東京や大都市福岡を意識した取り組みだけではないと思っていて、それは広義ではコンサルとアプリなのかもしれないけれど、もっと地方独特のものがあるのではないかと思う。ただそれが何かはわからないけれど、、、、。
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タイトルと内容が随分と乖離しており読み進めるうちにがっかりした。金融DXとして著者の分析や新しい角度で切り取られていることはなく、既出の資料・記事のキュレーションに近い。
例えば、pring, J-Coin Payは加盟金融機関の比較に留まっており実質的な説明はほとんど加えられていない。
GAFAの金融業への参入章も何ら新鮮味のある情報がなくページを割く意味が良く分からなかった。
銀行の生き残り策とされている対策が最後章で触れらる。「本質的に示す」とされているがこれはもはや金融DXとは何の関係もないと思え、読後感の悪さだけが残った。
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DXの個別施策の説明が主で、結局デジタルによってトランスフォーメーションした先に何があるのか(どういう事業、組織、目標)については不十分な感じ。
デジタルの活用によって、より小口取引に対応できたりスピードを上げたりできて、ターゲットは広がる。一方でコスト削減も期待できる。これは銀行でなくても言える、一般的なデジタルの恩恵。
一方で、銀行特有の施策としては以下:
- 顧客データベースのmarketing利用(マッチング)
- コンサル・会計・CRM等をまとめて提供するプラットフォーム化
- BasS
というところと理解したが、どうだろう。行き着くところは皆同じようなので、顧客を囲い込んだ方が有利になるのだろう。業界大手と組む三菱と、自前でやる三井住友に、銀行業以外ではフィンテックスタートアップが競合する形になるのか。(読んだ感じだとみずほや地銀は厳しそうだが)
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銀行の一部機能が銀行以外に移る、銀行を通さない決済サービスが広がる、一般の企業が銀行機能を保有する。
スマホ決済、JALNEOBANK、
1989年で都市銀行は13校、2021年では3メガバンクとりそな、埼玉りそな。
みずほのJcoinpay、LINEBANK、
三菱UFJは、NTTドコモとの提携、Ðポイントが付くデジタル口座。Baasでのサービス提供で、銀行は黒子になる。マネーフォワードとのオンラインファクタリング業務。
ふくおかフィナンシャルグループのみんなの銀行。北國銀行の金融DX
SBIホールディングスの第4のメガバンク構想
銀行はBPRはいずれも低く、1以下。0.1のところもある。
信用金庫、信用組合は非営利団体。地域の出資で成り立っている。
飛騨信用組合のさるぼぼコイン。地域通貨の成功事例。加盟店のコスト負担をなくす。転々流通性の付与。
木更津市のアクアコイン。
地域通貨ブーム。持続的に維持費をまかなうためには、中小規模の焦点との連携を深めるという経営の意思が必要。
マネーフォワードとフリー。マネーフォワードKESSAIは与信システムでクレジットカードと同じ手数料。オンラインファクタリングサービスで、債権を買い取る。
Freeは、九慮計算等の人事労務管理がもう一つの柱。フリーカードアンリミテッドで金融サービスに乗り出した。
両者とも赤字。成長期待が高い。
個人向けには、マネーフォワードMEとzaimとmoneytree。
ロボアドバイザー=分散型投資へのアドバイスとリバランス機能。定期的にリバランスしたほうがリスクが下がる。
THEO、楽ラップ、wealthnavi。ETF特化型投資一任運用サービス。
SBIソーシャルレンディングは廃業。借り手の信用リスクとガバナンスリスク、倒産リスクがある。成功しにくい。Funds=新しいソーシャルレンディングの挑戦。借り手を大手に準ずる企業に絞る。
みんなの銀行。お友達紹介システムで口座数が延びた。
東京都民銀行、八千代銀行、新銀行東京が合併して綺羅星銀行が誕生した。
QRコード決済は、デビットカードを抜いて電子マネーに迫る勢い。
ヤフーとラインが経営統合=paypayとLinepayが同一資本になる。ORIGAMIpayは、1円でメルペイに売却された。
GoogleがPRINGを買収。
銀行業の特質は、安定的な経営基盤が必要なこと。
銀行の土管化=水面下のプラットフォームを担う企業になって収益を確保する。