紙の本
宮部みゆき 時代小説
2024/04/02 21:48
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投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなりの分量のある本でした。
けれども、読みごたえがあり読後は、怖い話ばかりなのですが、味わいがあるのです。これが不思議。
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聞き手が富次郎に代わって3作目。語られる話がよりダイナミックに。
2023/09/30 23:08
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
神田の袋物屋・三島屋の白黒の間での百物語も語られ聞き捨てられて、もう8作目。聞き手が、初代おちかから、従兄弟で三島屋の次男富次郎になって3作目。
本作では、嫁いだおちかが出産まじかで、しばらく百物語もお休みにするとか。だからかどうか、三島屋を中心とした暮らしの変化みたいなものも丁寧に描かれているような気がして、心地よかった。
語られた物語は、3つ。特に表題作「よって件のごとし」が圧巻。パラレルワールドによる異世界が描かれ、そちらの世界では、人々がどんどんとゾンビ化してゆく地獄絵図が。その解決と救出のために、あちらとこちらの世界の行き来が始まり、気づけば、そうして結ばれた男女の物語に昇華されていて、その構成もみごとだった。
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三島屋シリーズ
2023/03/31 20:48
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回は百物語だけでなく、三島屋の周りの変化も書かれていて楽しく読みました。百物語はこのまま続くのか、心配のような、うれしいような。
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秋がくる表現が絶妙!
2022/10/21 21:31
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回は三つの話。何ともやっぱり文章がいい上手いなあと思いました。秋がやってくる表現が絶妙。『夏は・・消える時には挨拶もない。そして秋は忍者のように気がついたらそこにいる』全く今の季節をうまーく表した表現。さて、今回は不思議話もさることながら、三島屋、伊一郎、富次郎、そしておちかを巡るところで、いろんな動きがありました。本論と違いますが、以前よりも最近は挿絵が多くていいです。標題作はまさかのゾンビもの。タイトルが絶妙。この内容の話とタイトルとが、どうつながるのかと思っていたら、そうきたか!という感じでした。次作にも期待ですが、物語同様、少し休みなのでしょうか?
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今回語られたあれこれも、ずしんとくるものだった。
土鍋女房、見込まれたら最後の不幸が苦しい。
周囲も、辛いね。語ることで少しでも区切りがついて前を見るきっかけになりますように。
虻に呪いを願う、その執念が恐ろしい。そこまでの執念を持つ人間は、もはや、、、
表題作は、もう、これだけで大作映画になるようなお話。
どうやってそこから、あいつらから逃れるのか。
逃れた先に何があるのか。
辛いけれど、寄り添う2人に救われる気がした。
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やっぱりこのシリーズ大好き!
宮部さん、よくこんな色んな話を思いつくなぁ。
題名のお話も「ゾンビ?」話なんだけど、宮部さんの筆力にかかれば、あっという間に時代物の話になり違和感がない。
ずっーと読んでいたいのにどの話も惹き込まれてあっという間に読んでしまった。
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シリーズ第8弾。
新たに聞き手となった富次郎の気質からか、おちかの時とはやはり雰囲気が柔らかく感じる。
おちかの出産を控える中で障りがあってはならないと、しばらく百物語を休むことに決める。
兄の伊一郎も三島屋に戻ってきた。
このことがシリーズに今後に何か意味を持っていくのだろうか。
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黒白の間も聞き手がおちかから富次郎に代わって、聞き手が代わると雰囲気も変わり、最初はおちか版の方が面白かったかなと思っていたけど、だんだん富次郎らしさに味がでてきて、面白くなってきた。
続編ではおちかが無事出産できているかな?戻ってきた伊一郎との関わりも楽しみです。
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初出2020〜22年高知新聞ほか
シリーズ第8作で、3中編。
「賽子と虻」
語り手の餅太郎は、11歳の時に姉に掛けられた呪いを代わりに負って、産土神で博打の神様の”ろくめん様”の里(異世界)に連れて行かれ、神様たちがやってきて博打を打つ旅籠の掃除の下働きをして過ごしていた。突然その神の里が焼け落ちて崩壊し、元の世界に戻ると3年が過ぎていて、その間に国替えがあり、新領主により神社が焼かれ、人々は処刑されたり、強制移住させられていて、餅太郎は隣国へ、さらに江戸へと逃れたのだという。
博打で失敗する神様もいるが、餅太郎が神々の近くで感じる畏怖がとても印象的。
「土鍋女房」
語り手の女は代々の川渡守の家の娘で、寡黙な兄が縁談を総て断わっていたのは川の主の白蛇を女房にしていたからと知り、土鍋の中にいるのを見てしまう。縁談相手が押しかけて来るようになって、夢で白蛇は兄を連れて行くといい、兄は川の荒波の中に消えた。
怪異譚よりは、嫁に行ったおちかの出産が近いこと、そのために女中のおしまが移ったこと、他家で修行中の長男伊一郎の縁談のほうがよほど気になった。
「よって件のごとし」
語り手は元肝煎で、32年前の異常寒波の冬至の日にゾンビが深い池の底から現れ、噛みつかれた者もゾンビ化したので首を切った。続いて池から娘が現れ、池の底がつながっている他の村から「ひとでなし」と化した父親を追ってきたと言い、自分の村が多くの「ひとでなし」に襲われているというので、17歳だった語り手と父親の肝煎、村に駐在する藩士、腕に覚えのある村人たちと、池に潜って向こうの村へ救助に行く。
行ってみると、地震で次々できる地割れから出て来る「腐れ鬼」という悪鬼が人に食いつくと「ひとでなし」化し、どんどん増えて、城内も城下も「腐れ鬼」と「ひとでなし」であふれていた。池のある村の人を池を通って避難させるまでの、あまりに凄惨な戦いは気分が悪くなる。肉親が噛まれて「ひとでなし」化するとわかると殺さなければならない。それがこの物語の恐ろしさだ。
ふだん仕事で読んでいる「仍而如件」(よって件の如し」を見るたび暫く思い出すだろうなあ。
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ラストの「よって件のごとし」、良かった!
怖かったし、悲しかったけど、人と人との繋がりって、
やっぱり素敵だな。
そして、縁もね!
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富次郎になってから一番良かった。話の粒が揃っていて。
一つ一つの怪奇話はモチーフが既知のもの(千と千尋、人魚姫、ゾンビ)で、話としての目新しさはさほどない。それでも読ませる筆の力量。
編み込み草履、持ってきてくれたかな。
おちかのお産はどうかな。飛び魚のお守りが効いてくれるといい。
伊一郎兄さんには、どんなふうに次の「縁」がめぐってくるだろう。
次の三島屋変調百物語シリーズも楽しみ。
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面白かった、、!
今回のはまたものすごく怖い話がそろっていたように思う。
宮部みゆきさん流のゾンビがもうめちゃくちゃ怖かったし、違和感なく時代小説に落とし込んでしまうところが、さすが。
おちかの懐妊とおしまの転勤(?)、富次郎のお兄さん伊一郎がついに帰ってきたりと、三島屋のまわりにもアレコレ変化がある。
次はおちかの子の出番があるかな。続きも楽しみ。
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いやいや〜やっぱり面白い。
宮部みゆきさんの本は面白い。
今回のお話しもうネタにつきるかな?なんて思ったけど、いやはや面白かった!
宮部みゆきさんの本の素晴らしさは、情景がすんなり思い描ける文章だという事!
あたかもその場にいる様な。
その世界に引き込まれました。
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とても読み応えがあり、面白かったです。
読み終わるのが嫌でした。楽しみがなくなってしまう
第一話
博打大好きな神、ろくめん様。ろくめん様の最後の氏子餅太郎。
姉ちゃんも弥生様も貴方に助けられたのですよ餅太郎
第二話
人と土地神様の絆の話第二話。兄サを想いだすと涙を流さずにはいられないおとび。
神様と人の絆以上に人が人を想う強い気持ち
第三話
このシリーズでは貴重?手放しにカッコいい八郎兵衛と宗右衛門。
<ひとでなし>との闘いはいつになくドキドキで、でも、彼等のおかげで重苦しくなりすぎずに読めました
勘一に子供のような嫉妬を焼いてる富次郎が大好き。
三島屋の話をもう少し読みたいな
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よって件のごとし
最高に面白かったなぁ。
宮部みゆきは時代物が最高だと何度も書いてますが、なんというか…ほのかに悲しい、胸がキュッと締め付けられるような抗えない運命のイタズラがいつも無念だと思ってしまうような…
まさかシリーズもしばらくお休みというわけではないでしょうね。
おちかの子供も伊一郎のその後も、もちろん三島屋百物語も続きもまだまだ気になります