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紙の本

「評伝 尹致昊」みたいな感じ

2022/08/25 21:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者は池上四郎の孫で、この版元から著書を出しているので、本当は池上四郎の伝記を書きたかったが、知名度が低いので大阪市長時代を書いているような感じがする。「評伝 尹致昊」は著者が「尹致昊日記」を刊行したいのに日本での知名度の低さと巻数の多さでなかなか出せなかったので、彼の伝記を書いたというが、この本はよく似ている。
 その上、この本は何かというと池上四郎が顔を出す上に近親者の証言が巻末に収録されているので、系図をつけた池上四郎の小伝と関係者の略伝は掲載した方が読者にとって親切だったかもしれない。ここは「親戚筋」のような本になってしまった江藤淳の「一族再会」みたいだ。江藤淳にとっては重要だが、学校関係者か明治後期の帝国海軍の研究者はともかく、一般的な知名度は低い人ばかりなのに、系図をつけていないので分かりにくいのも似ている。
 池上四郎は朝鮮総督府政務総監在職中に故人となった人だが、台湾総督府民政長官や満鉄総裁だった後藤新平が引き合いに出されていた。

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