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少年たちを支える側の支援、少年たちの意識、社会の理解、すべてうまくいかないと更正は無理なのだなと。
こういう少年たちが生きやすい世の中になりますように…加害者、被害者が生まれませんように…
少しでも彼らを理解出来るように現実を知れるように、わたしはこれからもこういう本を読んでいきたい。
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物語なので読みやすく、前作までの話が具体的にわかり参考にはなった。参考になったし、こういう子供たちを救い、その被害者を生み出さないために何かしなければいけないとも思った。思ったが、世の中には配慮すべき人々が多く、相互に見守ることができれば良いが、そうはいかない。人間の行動がわかるにつれて、このジレンマは強くなっていくのだろう。
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精神科医の六麦は、医局から派遣され少年院に勤務して5年。
少年院に入ってきた加害者は、本来なら保護されてしかるべき「被害者」と言わざるを得ない、ある意味で恵まれない少年たちでした。
ベストセラーの書籍を著者自ら小説化したものです。
物語で伝えられる真実には、迫力があります。
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事実は小説よりもきなり。
ケーキの切れない少年たちが辿る人生は今回の4話の内容に集約してしまうのではないだろうか。知的障害や発達障害があり、それを周囲の大人たちが気づかなければ自分自身でそれに気づくことが難しい。さらに自分自身で大人たちに助けを求める事はもっと難しい。
(誰でも自分の感覚しかわからないため自分が感じている感覚を他者も感じていると思うはずである。そのため自分がおかしいわけではなく皆そう思っていると感じてしまう。)
本書に出てくるような少年たちは先の未来を予測することが非常に苦手である。お金が欲しければ万引きや窃盗など安易な手段に出てしまう。その行為がその後どうなるのかの想像性がないためである。
そのような少年たちを更生というか生きやすい状態にするには大人が関与する必要がある。
ただそれには人もお金も不足している。そうするとこのような少年に救いの手は差しのべられず同じような犯罪を繰り返してしまうだろう。
本書の中で少年院での成功体験は社会では何の役にもたたなかったと言う部分が印象に残る。少年院の具体は分からないが何となく想像はつく。決められた作業を黙々と行うことで一定の評価を得られると言うのが少年院での労働であるならば社会はもっと厳しい。決められたことをを淡々とこなすだけでは期待に応えることができないからだ。
少年院で一定の成功体験を得て自信を持ち社会に出てくる少年たちにその成功体験の延長を積ませてあげられる社会であれたらと思う。
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ジャンル:リベラルアーツ トレンド
出版社:新潮社
定価:1,056円(税込)
出版日:2022年09月20日
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宮口幸治(みやぐち こうじ)
立命館大学大学院人間科学研究科教授。京都大学工学部を卒業し建設コンサルタント会社に勤務の後、神戸大学医学部を卒業。児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務。2016年より現職。一般社団法人日本COG-TR学会代表理事。医学博士、臨床心理士。
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flier要約
https://www.flierinc.com/summary/3177
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少年犯罪の捉え方はすごく難しいと感じた。障がいがある、更生の可能性がある、その部分に真摯に向き合っている大人がいる一方で、被害者や被害者家族の心情を考えると、何が正しいとか間違ってるとかではないんだなと思う。
障がい特有のこだわりや短絡的な考え方、そこを間違った方向に向かせないようにするには、、、とてつもなく難しいことだと本を読んで感じた。
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非行少年たちに対する見方が変わる。知的に問題があるという理由で、犯罪を犯した罪が軽くなるわけではないが、いわゆる普通の人間にとって当たり前にできることができない人もいるということを理解せねばならない、と考えさせられた。
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非行少年のリアリティを描いた小説。性犯の少年がアダルト動画の設定を鵜呑みにして性非行してしまう話が、深刻でありつつ、なるほどと思わされた。
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時間がかかると思ったが、一気に読んでしまった。
すごく考えさせられる本。知的障害や学習障害を持つ子どもが増えている。家庭での教育も低下しているとも思われ、こうした非行少年の割合は減ってると思うが、本に出て来る非行少年がいるのも事実。
社会全体で今後考えなければいけない問題だと思う。
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ケーキの切れない非行少年たちを読まずにいきなり本書を手に取った。小説風で読みやすく、更生プログラムのことや、非行少年たちによくある生い立ちなどが分かりやすく紹介されていた。いくら育った環境が悪くとも誰かの幸せを奪ったり人を殺したりしてはいけないという前提は当たり前だが、非行少年たちによる犯罪が減り、罪を犯してしまった少年たちが更生できる世の中であればいいと思った。でも更生云々よりそもそも犯罪を犯さないようにしないと不幸な人はうまれてきてしまうんだなぁ、、難しい問題だ。
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感想を記すのが難しい作品。
小説として読んでいくと、
苦しくて悲しくて、やりきれなくなる。
特に罪を犯すまでの過程が、やりきれない。
罪を犯してしまってから反省を促そうとしても
何を反省するかを理解するまで遡らなければならない。
罪を犯すその前に出来ること…考えたい。
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非常に分かりやすかった。一見いらなそうな精神科医の娘、杏奈の描写は誰でもどんな環境にいても非行に走ること自体はあり得るし、被害者にもなりえる、ということを示すものだったと思う。
でも、やっぱり境界知能や軽度知的障害、自閉症スペクトラムを持つ子どもたちや不遇な環境で生まれる子と杏奈は違う部分もたくさんあることが示されている。ただ責めて叱って突き放して他人ごとにするのではなく、どうしてそうなのかを考えることの大切さを知れたと思う。
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自己評価は他者との関係性の中で育つ
発達上のハンディを抱えた人間は、そもそもが他者との関係性を正しく把握できない
普通とされている人が考えずともやっている事に対して、繰り返し教えられて初めて気づけるようになり、更に意識して把握しようとして初めて一端を掴める可能性が出てくる程度
知能指数が低かった場合、ただでさえ演算できないのだから、普通と呼ばれる関係性を演算してアウトプットするのは至難の業
個人としては抱える問題も大きいが、現在はリモートやSNSなど環境面から演算に必要な情報が削ぎ落とされてしまっている
仕草、発声、雰囲気など対面で得られる多くの情報があっても普通が算出できないのに、リモートで限られた情報下では普通を算出できる筈もない
現代社会はより境界にいる人達を炙り出して苦しめることになるのではないか、と懸念される
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“ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)”の小説版。非行少年の実態がわかりやすく書かれている。重い内容なので読了後は気分が沈む。
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上手く小説化されていて、問題点などが理解しやすかった。個人的反省として、前著と連続して読んだのが失敗。時間をおいて読めばよかった。
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非行少年が現時点で周囲に居ないとしても、誰もが突然関わりを持つ事になる可能性がある。どのような立場でも有益な情報が多く記載されている。子育てにも役に立つと思う