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今年のベスト5の中に間違いなく入る一冊。自分は男とか女とかあまり性差を感じずに生きてきたつもりだったんだけど、社会人になって、結婚して、子供が産まれて、というライフサイクルの中で感じていた違和感の正体が見事に言語化されていて衝撃の連続だった。いろんな女性の中に無意識のレベルでまさに社会制度として組み込まれてきた今の立ち位置。世代で話が全く通じなくなる仕組みもよく分かる。自分の中のフェミニズムが呼び覚まされてしまったのか、射精責任とか、妾と妻のフェミニズムとかいろんな本を読み漁っているところ。
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国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→
https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11534747
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ケアのもう一つの難しい点は、ケアに従事している間は細切れに時間を取られ、他の仕事への集中が難しい。ケアは、常に相手を見ていなければ十分に行き届かなくなる。そして
長い時間を要する。食べた人が作りての思いに気づくには、食べ手が敏感でなければならない。ケアの最大の目的は相手に関心を払い、大切にすること。
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家事に対する人々の意識の変遷に着目して書かれた作品。
ジェンダー観にはじまり、コロナ禍での家事に対する関わり方、丁寧な暮らしについて、過去の家事負担が現代機器によってどう変わったかなど、丁寧に説明されている。
個人的に土井先生の本に対しての着眼点にはっとさせられた。自分には無かった発想なので読んでいて小気味よい。
便利すぎる家電や設備によって我々は退化しているのではないか、との指摘も新しい。不便さにメリットを見出すのもまた一興だし、便利さに振り回される感覚はきっと自分がより歳をとった時に肌身に感じるのではないだろうか。
また、家事を愛情表現と考える人は家事を人任せにして愛情を受ける側、とする考えにも納得。「愛情」とは何かも考える文章だ。
家事や育児に対して女性側に負担を強いる社会構造そのものに意義を唱える著者の姿勢は見習いたいものがある。
作中に読んでみたいと思った書名が満載で、今後の読書人生にいかそうとおもう。