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祈りのカルテとは別の主人公ですが、構成は類似しており、5篇からなる医療短編小説。
精神鑑定医が舞台です。
刑法39条がテーマの1つですが、仮に自分が被害者家族の立場となった際、やはり、やり切れない感情を持つと思います。
直近で刑事物の同法をテーマとした小説を読んでいましたが、医者側の視点も考えさせられました。
今後、シリーズ化されるか分かりませんが、知念作品は好きなので、楽しみに待っています。
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精神鑑定医の影山司の助手に志願した新人医師弓削凛が、犯罪を犯した犯人の精神鑑定を影山の元で取組む、鑑定結果により犯人の処遇に大きく影響する。うつ病は心神喪失で無く、統合失調症は心神喪失の差があり、面談でその差を判断し犯罪罪に対する処遇に大きな影響をする事を学び、今まで実社会での数々の悲惨な事件を思う出す。凛が鑑定士の道に進むきっかけとなった幼馴染の殺人事件の犯人と対峙する解離性同一性障害の桜庭絵里香の事件鑑定は、オカルトっぽく本当にこの様な症状が有るのか?信じられず完読する。
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目には見えない、数値で測ることもできない心の病気に焦点を当てた作品。
平板な口調で無表情ばかりにも関わらず、どこか温かみがあり、人想いな様子が伝わる影山先生。自信がなさげだが、愚直で熱心で優秀な弓削先生。この2人の掛け合いと弓削先生の成長があったからこそ、目を背けたくなるような話も読み進めることができた気がします。
精神疾患の根拠をあげることの難しさ、またその根拠の脆さ。精神鑑定医という職業の厳しさを学びました。
常に中立の立場を求められるというのも苦しいなと。読者である自分でさえ、被害者側に同情して読んでしまうのに…
精神疾患を抱える人の苦痛はきっと想像を絶するものであると頭ではわかっていても、犯罪を犯す方が悪いのではと天秤にかけてしまう自分はまだまだ理解が及ばない側なのでしょう。
本当に心が壊れてしまった人、一方で詐病を駆使する人、どちらも描かれているが故に、人という生き物の脆さや愚かさがより一層表れているように感じました。
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知念実希人さんの
『十字架のカルテ』を読了。
犯罪者の鑑定を専門に行う
精神科医のお話。
なかなか
おもしろかったです。
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これまで精神科医に焦点を当てた小説は読んだことがなかったため、興味を持って手に取りました。
犯罪を犯した精神病罹患者(詐病のケースも)の「心の闇」に焦点を描かれた重厚なストーリーで読みごたえがありました。特に、心神喪失者に命を奪われた人の親族や友人の目線から見た刑法39条の問題点はよく伝わってきました。
ストーリーも面白いのですが、最終章の内容について少し腑に落ちない点があるので★4としています。
なかなか気楽な気分で読むには重い小説ですが、医療サスペンスが好きな人にはお勧めできる一冊です。
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心の闇が引き起こす罪は誰が裁かれるべきなのか…
心に巣食う闇。それは決して自ら望んだ闇ではない。闇を抱えることとなった理由、環境…様々な要因が絡み合っている。
でも…その闇が自分の大切な人の命を奪ったら。
闇を抱えているからと罪に問えなかったら。
犯人の抱える闇やその背景が丁寧に表現されている。
一方で被害者の無念、やりどころの無い憤りも鮮明に描かれ、読み進めるごとに心が揺さぶられる物語。
誰が守られ、誰が罰せられるべきなのか。
こんなにも犯人側の心情を紐解いたストーリーを読んだことがなく、新たな視点を得られた。
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これまでの執筆の目的は,珍しい病を素材に医師ならではのミステリィを描くことだったが,本書では,精神疾患を素材に物語を展開するものの,一般には浸透していない事実を,誤解のないよう膾炙し,より寛容な社会にすることを目的としており,一段ギアを上げテーマ性を重視するようになった感がある.
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心神喪失の有無を判断する精神鑑定医が主役であり、ストーリーが深まっていくのかどうか心配であったが、流石知念氏の作品、各話とも精神科領域の話を論理的且つ現実的に語られていた。
最終話で凜の親友が殺害された事件の真相もすんなりとは終わらせず意外な真相を潜ませていたのは見事であった。
主人公の凜と影山も様々な事象に真摯に向き合っているので好感が持てる設定。天久鷹央シリーズにも顔出ししていたのでこの精神鑑定医シリーズも続編の期待したい。
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ニュースで世間を揺るがすような大事件を犯した犯人達が、直ぐ精神鑑定を受ける現実
違和感を持っていたが、現実問題として本当にしっかり評価されているのか疑問に感じた
二重人格については本当にあるのか??強いストレスであり得るのか??
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自分も精神疾患を患っているためなにか救いになればと思ってとった1冊。
結末はなんとなく想像できるものだったが、
なかなかよみごたえもあっておもしろかった。
精神鑑定医という職がメインになるお話は初めてだっので新鮮でした。
主観にはなるけど、ただやはり自分の求めるものでは無かったなというところで星3。
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犯罪者の精神鑑定医の大御所と助手の医師2人を主人公に、様々な犯罪を犯した患者の心の闇に迫りながら、精神鑑定を行っていくストーリー。最後は助手の医師が鑑定医を志すきっかけとなった親友を殺した犯人に迫る。
精神疾患について医学的見地、刑法39条の存在の意義などにもきちんと向き合った意欲作。一つ一つのストーリーもしっかりしており面白かった。文章が固いのは医師との兼業作家であるご愛嬌かね。
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かなり面白かった。精神疾患についてもよく書いてあり、実臨床で経験しているとさらに実感が湧いて楽しい。
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精神鑑定の権威とその助手が章立てごとに異なる容疑者と対峙しながら事件の真相を明らかにしていく話。精神鑑定の領域自体が知らないことだらけであったため終始興味深かっただけに、もう少し長編物でストーリー展開を楽しんでみたいという気持ちもあり。ただ最終章は予想外の展開で読み応えがあった。
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精神疾患の疑いがある人の刑事事件の場合、
精神鑑定医と呼ばれる精神科の医師による鑑定の結果をベースに起訴されるか否かがほぼ決まるらしい。
本作は、若手女性新人神経科医が、日本有数の精神鑑定医の助手となり、被疑者の精神鑑定を行う世界を描いた作品。
連作短編の体裁をなしているが、一冊丸ごとで長編の内容。
精神鑑定は、事件の捜査をするものではなく、あくまで被疑者の精神状態を鑑定する立場なのだが、精神鑑定医の影山と助手の弓削、二人の妥協を許さない詳細な調査と面会による精神鑑定によって、被疑者に隠された闇を明らかにしていく。
心神耗弱、統合失調症、解離性障害など知ってるようでいて今ひとつ判らない病名、詐病など、聞き慣れない専門用語が多用されるているが、それが物語にリアリティを増している。それでいて至って読みやすくストーリーにのめり込む。
検査により数値化された結果を元に診断することができない精神科の症状。
被疑者がもし心身衰弱医
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精神鑑定医vs容疑者たち
本当の精神疾患が隠れていたり、詐病をしていたりなどさまざまな場面がありました
凛が十字架を下ろす、最終的に気持ちが楽になってくれてよかった