紙の本
後悔と前進
2022/11/16 16:03
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
過去の後悔に囚われ前を向けなくなった人達が、いくつかの条件を満たすとたどり着く不思議な駅。
「過去に戻れる」という王道設定の中でも、過去作『さよならの向う側』と共通して「条件」を付ける事でオリジナリティを見出だすのがとても巧い。仮に成功していても、紙一重の向上心と欲深さで、別のルートをたどった人生を見たくなる人間の好奇心を擽る作品。
選択ミスと思われるルートの中でも、変えられるものが沢山あるという事を教えてくれる、前向きなヒューマンファンタジー
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自分にも戻ってみたい過去があり、その分岐点で違う選択をしていたら…と想像しながら読んだ。
過去を変えることはできないけど、その時出来なかったことを体験できるなんて羨ましい。
全く後悔のない選択なんてないのかもしれないけど、その時のベストだと思う物を選んでいくしかないんだろうな。
第3話、第5話が特に良かった。
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過去の分岐点に戻れる駅があるとしたら…。
たとえ過去に行って違う道を選んでも現在は何も変わらない。でも、帰った人は皆それでも帰って良かったと思っている。
帰って違うみちを選んだことで前にはわからなかったことにも気づけたりすることもあったりするらしい。
何も変わらなくても心の中は変わっているんだね。
とても好きなお話し。
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-過去の分岐点に戻って選ばなかった人生を体感してみる…。ただし、現在を変えられることはできない。
誰もがきっと一度は考えたことがある、「選ばなかった人生」を選んだら幸せだったんじゃないか。
描かれた五篇は決して驚くような話だったり、意外性のある話がある訳じゃない。それでもじんわり心に滲みる一冊でした。
「人は選ばなかったもうひとつの人生に、常に嫉妬して生きていく生き物だ」
とある小説の一節ですが、そうであったとしても生きている今が大事だと教えられる一冊。
案内人となる駅員が完璧なキャラクターではなく、戸惑い、考え、想い悩んだ言葉をかける理由が最後に明かされそれがまた素敵でした。
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ある条件が揃った時だけ現れる分岐駅まほろし。
過去の分岐点で今とは違う選択をしていたらどうなっていたか、体験ができるだけ。
現状は変わらない。
あの本と似ているかな…
でも、個人的に好きな内容なので星5です。
後ろを向いて歩いてもいいという所、が好き
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『あなたの人生の分岐点はどこですか?』
この本の登場人物たちのように人生をやり直したいと思った方は多いのではないでしょうか?少しでも該当すると思うなら是非手に取って読んでみて下さい!
駅員さんの言葉がまさに名言で背中を後押ししてくれます。自分では気が付かなかった大切な事がたくさんあって心を動かされました♪
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新年1冊目の読了本。自分自身にとっての人生の分岐点はいつになるのか?現在の状況は変わらないけれども、もし過去にさかのぼることができるとしたらいつに戻りたいのか?今までの自分自身の過去の出来事や自分自身の感情も交差しながら、自問自答しつつ、各章の物語を読み進めていきました。過去をさかのぼるのではなく、本文中にある「目の前にある大切な物の数を数えながら」日々を過ごしていきたいと実感しました。各章の駅員さんの秘密も素敵なエピソードで、繋がりを感じながら再読したいです。
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もう一度、過去に戻ってやり直せたら…抱く想いを叶えてくれる五人の主人公たちの物語。後悔しながらも今を懸命に生きるしかないのが人生。分岐駅の存在を夢にみながらの読了。悟りの一冊。
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読みたくなって、思わず読み進めたい本でした。人生の分岐点はきっと誰にでもありますが、そこから学べることというのはたくさんありそうです。今頑張れること。過去から学べること。奥の深い本だと思います。私は大好きです。
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条件が揃ったときだけ辿りつけるという「分岐駅まほろし」。
自分が選ばなかった別の人生が見られるだけで過去を変えることはできないというー。
1話目はありがちな話ながら、各話後悔への折り合いのつけ方など広がりがあって飽きずに読めました。
過去が変えられないなら余計に未練が募らないのかなと思ったけど、そこはそれ。
どうにもできないこと、今からでも変えていけること、色々ある。
最後の話がすごく良かった。
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過去に戻ったことで、現実は変えられないけど今を大切にしようと思えたり、気づかなかった大切な人の想いに気付くことができたり
現実世界でなにかプラスになることが必ずある。その想いを駅員さんが引き継いでいるのが素敵だなと思った。
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読み終えて、涙のかわりに鳥肌が立った。
戻りたいと強く願う程の後悔、もしもその分岐点に戻れたとしたら…私にもある。
もしもあの時…と何回、何百回考えたか分からない。
でも過去は変えられないし、今を生きていくしかない。
だから、私も時には後ろを向いたまま後ろ向きに進んでみよう。
それでもいいんだと思わせてくれた本でした。
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Amazonの紹介より
「あなたの、人生の分岐点はいつですか?」
分岐駅まほろし――。
それは満月の夜だけ現れるという不思議な駅。
過去に後悔を抱えた者たちが行き着く場所だとか。
もしもあの日、あの時、過去の分岐点で違う選択肢の人生を歩んでいたら……。
これは素晴らしき人生の物語。
切なくも温かい、心に沁みる「永遠の感動ファンタジー!」
「もしもあの時、告白をしていたら」
「もしもあの時、第一志望の大学に合格していたら」
「もしもあの時、夢を追わなければ」
「もしもあの時、病院に連れて行っていたら」
明日から前を向いて生きる勇気が生まれる――これは、間違いなく、素晴らしき人生の物語!
清水さんの作品を読むたびに、いつも人生を見つめ直すことが多く、癒やされたり、思い出に浸ったりと落ち着いた気持ちにさせてくれます。
今回も、人生を見つめ直させてくれます。あの日あの時、ああしとけば、もしかしたら成功していたかも…と何度思ったことか。
現実としては、無理な話なのですが、もしもこのような駅があったなら、一度ぐらいは体験したいなと思いました。
試したところで、変わるわけではないのですが、ないものねだりで、もしも・・もしも・・と思うばかりでした。
人間誰しも山あり谷あり後悔ありですが、それもまた人生で割り切っていかなきゃいけないなと思いました。
登場人物5人の人生を垣間見たのですが、他人の人生を覗き見ることで、みんな苦労して生きているんだと深く噛み締めました。過去は変えられないのですが、現在から未来へは色々試すことができます。人生色々ですが、より良い一歩を踏み出したいと思いました。
良い作品だと思ったのですが、個人的に違和感もありました。
というのも、分岐駅まほろしでは、主人公が過去の分岐となったところへタイムスリップをし、別の進路を辿るのですが、それぞれ体験する期間はバラバラです。
1ヶ月もあれば、1年や10年など様々なのですが、いざ現実になった時、あっさりと現実を受け止めているのが、ちょっと「?」でした。
1日だけならまだしも、何十年という長い夢の生活を体験しているのに現実では一瞬の時間なので、そのタイムラグにちょっと違和感を感じてしまいました。
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過去に戻っても現実は変えられない。それでも人生の分岐点に戻りたいですか?自分が選ばなかった世界を知ることで人は何かが変わるかもしれない。大切な存在に気づき、思いを知り、思いもよらない事実に気づくかもしれない。だったら分岐点に行く意味はある。私も行きたい、まほろし駅。私の分岐点はどこだろう?素敵なお話でした。
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後悔のない人生を送れたらそれに越した事はない。
けれど人生は選択の連続で、もしあの時、別の道を選んでいれば…と考える事はままある。
この作品には「もしもあの時、告白をしていたら」「もしも第一志望の大学に合格していたら」「もしもあの時、病院へ連れて行っていたら」など、私達が身近に感じる『たられば』が5話収録されている。
まほろし駅から過去の人生の分岐点に戻り、選ばなかったもう一つの人生を経験する登場人物に自らを重ねながら読み進めた。
戻れない時間に愛おしさを覚え、今はこのかけがえのない人生を大切に過ごそうと思えた。