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その本を選んだ理由
2023年の年間ベストブックで選ばれていたのと、ラジオ番組「bibliotheca」で山口周と長濱ねるがとりあげていたこと。そして、現在の日本のIT技術が20年前から進歩していない、行き止まり感。世界から置いて行かれている感じ。この現状をブレイクスルーするためのヒントになるのではないかと考えたこと。
筆者の紹介
台湾生まれのアメリカ人計算機科学者、起業家、投資家、ライターである。彼は現在、中国の北京を拠点としている。
最も印象に残ったシーン・一押しポイント
今作は10本の短編を収録している。そのどれもが現実に起こりうるAIによる近未来の話である。Googleに所属していた作家陣による内容で、非現実的なSFにならないように現実的な内容のSFなので、現実にそのようになるのだろうと思う。
「恋占い」
AIによる管理社会。保険金を下げるために付き合う人間などAIが人間に指令をだす
「仮面の神」
アフリカンビートのフェラクティになりすます話。ディープフェイク。
「金雀と銀雀」
全く同じ遺伝子を持つ一卵性の双子でもAI教育で全く違う人間になる
「コンタクトレスラブ」
メタヴァースから出られない話
「アイドル召喚!」
日本人、まじでイカれているな。って世界で笑われている。
「ゴーストドライバー」
AIを腕効きのドライバーが遠隔操作している。
「人類殺戮計画」
大昔のSFが好きな展開っぽいけど違う。
「大転職時代」
AIによって人間の職が奪われた世界
「幸福島」
AIが人間の幸福を定義する社会
「豊穣の夢」
階級によって通貨が異なる世界。
確かに現在の技術がこのまま発展していったらそうなるだろうって思う内容ばかりでリアルだった。
日本が面白民族になっているのリアルだった。勤勉で働き者、金持ちって思われていたのは遠い昔で今の世界で日本は「少年少女のアイドルを偶像崇拝する変態民族、しかも安い国」になってた。正解です。悲しいけど日本人って、能無しなのよね。ただ、日本が建国されて以来ずっと能無しなので、1980年代は優秀だったなんて勘違いしないでよね!
とにかく現在技術の引き伸ばしをしたら、国より先に日本国民が死に絶えてしまう。時代に食らいついていかないといけない。
今後の自分の行動や考え方の変化
このまま人工知能に向き合わずに生きていたら、冗談抜きで仕事を失うと思う。20年後に今の日本の仕事の半分以上がなくなっていても驚かない。ただ、実は誰でもできる仕事の方がAIには難しく、上層の仕事の方がAIに奪われやすい。日本の社会構造がそれを許すとは思えないし、許さない場合、やはりグローバルな舞台から日本は姿を消すのだろう。この国に付き合う必要はない。AIを学び、AIに使われる人間でなくAIを使う側の人間になるしかない。
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仮想現実、拡張現実、複合現実など新たな技術の最大の課題は想像力、コンテンツ制作だ。AI による仕事は今後あらゆる面での雇用問題が噴出する。人間の仕事の40%が2033年までに代替可能となり「大転職時代」になると予測している。
AIの苦手分野とは3つ、創造性、共感、それに器用さである。そんな中で有望な職業とは。認知系職業:ソーシャルワーカー、キャリアカウンセラー、芸能人、エキスパート。身体的職業:介護士、スタイリスト、理学療法士、トレーナー
量子コンピュータ(ビットではなく、素粒子を使う量子ビットにより格段に性能拡大と開発スピードの短縮で、費用も安くできる、と言う。だが、些細な振動、電気干渉、温度変化に弱く、自律性が今後の課題となる。それは自律兵器など人類の存亡をかける「悪」の世界が量子コンピュータにより凌駕することは間違いないがその時代に人間は如何なる対応が出来るだろうか。更に、2041年には、非物質化が旺盛となる。それは物理的製品はソフトウェアに吸収され無料化に近づくと言うことだが、製薬、遺伝子治療などはコストは下がるが生物体として残り、食品産業も動物などの肉等合成食品などで電気、水、肥料等だけで食材革命が起こる、と言う。「豊饒時代」は人々に仕事が無く、金融崩壊から貨幣も通用しない世界が来る、というが量子コンピュータ:自律ロボット等が想像を絶する世界を作ることは間違いない。
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あらゆる欲が過剰供給になり満たされる作者の言う「豊饒時代」が到来したら本当に人類はどうなるのだろう?ソ連みたいに全く働かずダラダラ過ごす人はたくさん出てくるのかなー。マズローの欲求五段階仮説にて最上位の高尚な欲を目指す未来を作者は予想して、作者の言う豊饒時代を描いた一編のあるSF映画スタートレックの乗組員みたいな未知なる「好奇心」を求める人類が居るのか?攻殻機動隊の電脳は嫌だなーと思っていたが、寿命を延ばしてこの目で人類の未来を見たい「欲」がこの本を見て私に出た。これからもSF作家に未来を見させて欲しい。
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AIの進歩に関する10の短編とそれに使われている技術説明の部分の抱き合わせ。
どのお話もとても面白かったですが、個人的には「コンタクトレス・ラブ」「アイドル召喚!」「幸福島」あたりが興味深かった。
「高度に発達した科学は魔法と区別がつかない」
とは有名な言葉ですが、この中で使われている技術は時に魔法のようです。
AIはある種人間を超える力で、新しい世界を切り開いてくれます。
もしかしたら労働という概念もなくなるかもしれない。
その中で人はどのように自己実現していくのか。
それを問いかける話でもあります。
技術説明部分もとても丁寧で、勉強になりました。
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10のストーリーからなる小説と解説。それぞれ異なる技術的応用を取り上げている。
ゴーストドライバーなんかは想像していなかったし、完全自動運転は割と2041年での実現可能性が低いというのは意外だった。
いずれにせよ、難しい未来をSF手法で読みやすく理解させてくれる。
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SFとしても、その解説としても素晴らしい。
何よりAIと人間の共存に向けての希望と示唆に満ちている。
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昨秋文藝春秋さんから頂いた本。
分厚いのでつい後回しになって、ようやく読み終わった。
AIによる明るい未来、がコンセプトかな。
未来1 恋占い
未来2 仮面の神
未来3 金雀と銀雀
未来4 コンタクトレス・ラブ
未来5 アイドル召喚!
未来6 ゴーストドライバー
未来7 人類殺戮計画
未来8 大転職時代
未来9 幸福島
未来10 豊饒の夢
と、SFストーリー仕立てで、
AIが普及した2041年の社会の姿を描いている。
保険プログラム
ディープフェイク
AI教育
パンデミック
娯楽
Ai自動運転
科学者 武器
職業
幸福度
豊穣
がテーマ。
AIによって仕事がなくなる!は今もよく言われるところ。
エネルギーも満ち溢れ働かなくてよくなって
人々は幸福をどう感じるか、、、
問題提起している
正直それぞれの小説はいまひとつだった。
が、大いに知的好奇心をくすぐられるものであった。
インスパイアされたのは、AI教育、かな。
ずっと履歴をAIが押さえることで、最適な教育が組める。
これは健康にも言える。
いつも思う。
その人の体のことを一番よく知っているのは本人。
ただ、表現しきれない。
医者はそのつたない表現と、触診やら目検やらだけで
病気を判断する。
そんなの無理だろう、最近よく思う。
と言って本人に医療知識が十分あるわけではない。
最近はWEBでかなりいいところまで調べられるが、
見当違いということもままある。
だとしたら、、、
AIに活躍してもらえばいい。
個人健康データを可能な限り把握してもらい、
AIの持つ医療知識で最低限の判断をする。
その見立てをもとに、最終的には医者が検査等で総合的に判断する。
そのためにマイナンバーカードを健康保険証替わりにする、
というのなら大賛成だ。
いろんな病院での診察結果をすべて保存する。
人間ドックの結果も、レントゲンもいろんなカルテも。
いまはばらばら。
更にスマートウォッチの記録も、体重も、全部。
まあ別にカードじゃなくてサーバーに個人ごとに蓄積すればいいんだけど、
そこまで整わないなら、せめてカードに焼けばいいという意味。
状況もわからず診察する医者も助かるんじゃないかなあ。
なんでそれができないのか。
厚生労働省がさぼってるんだろうな。
考えりゃ出来そうなものだ。
AIの未来は明るい。
ただ、それを使いこなすことができるか、だ。
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ものすごいツボに入った。
2041年に起こりうるAIによる変化が起きた世界を物語として提示しつつ、その技術的な説明もセットで掲載。
物語がどれもすごく興味深く、それだけで読んでいてすっごく楽しい。説明もわかりやすい。
リスクはあるとは思いつつも、早くこんな未来が来て欲しい。
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感想
・最初の話題で感じたのは、やはりビッグデータから平均解を出して提案するので、個性がなくなる世界みたいなことになりかねないと思った。
5話目は日本での話だが、アイドル、ラーメン、探偵って安直で笑えた。
最終話はユートピアのようでもあり、ディストピアのようでもある。いつの時代も自分は何をしたいのかを持ち続けることが大事だと感じた。
あらすじ
AI技術者である筆者と技術者からSF小説家に転身した陳氏がSF小説仕立てで、20年後の未来を語る。
・最初はAI動的保険とその弊害
リスクを避けて保険料を安くするために個人がAIに従うように誘導する。
・深層学習に必要なのは、大量のデータ、単一の領域、明確な目的関数
・2話目はナイジェリアで民族紛争のために職を求める若者がフェイク動画を作る話。GANなどが使われる
・3話目は孤児院で子供に学習をさせるAI友達。自然言語処理NLPを使用。
・4話目はコロナが定期的に流行る世の中で、感染を恐れて3年間も家から出ていない女性の恋物語。AIを用いた診断、創薬など医療がテーマ。ロボット手術も発達するとある。
・5話目は、アイドルである博嗣が死んだ原因をファンである愛子が追う話。VR、AR、MRなどの技術が出てくる
・6話目はスリランカの子供がVRレースで働く話。VRゴーグルに加えて、体感スーツを着用して現実さながらのレースを体験する。ゲームだと思っていたものは実は現実だった。災害やテロなど突発的な事態に自動運転が対象できない際のゴーストドライバーだった。
・自動運転技術は、タクシーフィーの削減や自由時間の増加、無駄なCO2排出削減、事故低減などのメリットがあるが、一方で、事故時の責任所在問題やドライバーの雇用問題がデメリットとして挙げられる。
・7話目は自律兵器で人類が存亡の危機に立つ話。量子コンピュータによって計算能力が飛躍的に向上する
・8話目はAIにあらゆる仕事がとって変わられる話。人はベーシックインカムを保証されるが、やることがなく、治安が悪化する。建設労働者もAIにとって変わられ、転職を斡旋していた業者さえもがAIに変わる。仕事はAIが評価するゲームのようになっていた。
・9話目は富も名声も全てを手に入れ、燃え尽きた男がAIで幸福を最大化する島に招待されるが、本当の幸福を手に入れることは難しいという話。2041年時点では幸福の定義も曖昧なため最大化することは難しいとされている。
・10話目にはAIが全てを最適化することによって、エネルギーコストが0近くに下がり、衣食住にかかるあらゆるコストも下がる。貨幣はもはや価値をなさなくなり、人は承認要求のために仕事をする。市場は崩壊する。
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あまり目新しい情報も無く、物語としてもそんなにワクワク読み進めるものでもなかった。AIは目的関数を最大化するが、人間の降伏などを考慮しない。AIを人間世界に浸透し、活用できるようにするためには、人間の幸福や倫理などを学習してもらう必要があるのだと、理解できた
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小説の部分だけ読んでも十分楽しめた。
テクノロジーの部分についての説明もしっかりとされていて理解しやすい内容になっていた。
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この本のここがお気に入り
「大きな進展が見られない分野や基本的な理解すらできていない分野がいくつも残っている。例えば、創造性、戦略的思考、推理、反事実的思考、感情意識をどうモデル化するのかだ。これらの難題解決には、深層学習のような技術的ブレークスルーが10回以上必要だと考えられる」