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三内丸山遺跡と奈良湖を中心に、その時代の技術を探る。
特に古代の水運に関しての話が面白かった。
治水の概念も技術もなく、運用することで水と共に生きてきた時代。
公衆衛生が発達していない時代から、京がなぜ千年も都でいられたのか。
川の氾濫により洪水が起こり、糞尿まみれの都を定期的に洗い流していたからだという。
縄文時代の交易も舟で盛んに行われたというし。
日本は水の国なんだなと改めて実感する。
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「古代史の謎は「海路」で解ける」と同じ著者の本。そして着眼点・視点は興味深いし考察に値するとは思うのだが、一歩間違うとトンデモ本とも受け止められかねない文章・構成はどうかと思うという感想も「─「海路」で解ける」と同じだった。惜しいなぁ。
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表紙が三内丸山遺跡の塔の写真だったので建築系のテクノロジーの話かと思ったら随分違った。
どちらかというと水上交通の話だった。
でも古代における「治水」や「港」の見方が読後随分変わったように思う。
そして古代において水路がいかに重要だったのかというのも。
何でこんな所が地理的重要地になっているのか(またはその逆、有名な場所なのに他の場所に比べて何故劣っていたのか)古代の水路や水がどこまで来ていたか分かると見えてくる風景が変わって面白かった。
個人的には、地元の津寺遺跡が出てきたのが最大の興奮ポイントだった。
地元の博物館より説明が詳細で分かりやすかったです。
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『#古代史のテクノロジー』
ほぼ日書評 Day648
いにしえの都市を最も悩ませたのは糞尿処理であった。河川から上水を取り込むことはできても、多くの人の住む都市で、日々発生する排泄物は、そこに溜めるしかなかった。
白河法皇の天下三不如意、つまり「意にならぬもの、加茂川の水、双六の賽、山法師」の筆頭に上がる加茂川の繰り返される洪水が、スラム街の糞尿を洗い流すことで、1000年に渡って京の街を維持することができたのだという。
逆に、これを上手く取り扱うことができなかったため、幻の難波宮に始まり、長岡京、藤原京等、短期間で廃都された。碁盤の目のようなと評される都市構造だけを取り入れようとしても、中身はついてこないのだ。
古くは奈良には奈良湖、京都から大阪にかけては巨椋池という、大きな湖沼があり、二つの都市は水路で繋がっていたであるとか、邪馬台国に相当するクニがあるとしたら日本海側でなくてはならないとか、水に関わるテクノロジーを切り口に、さまざまな古代史の謎に迫る。
西日本の地理に不案内ゆえ、地名を言われてもすっとイメージできないのが、個人的には歯痒かったが、それを差し引いてもなかなかに興味深い内容だった。
https://www.amazon.co.jp/dp/4569853811/ref=cm_sw_r_as_gl_api_gl_i_3V7W73W0GVHSFBB1W8XG?linkCode=ml1&tag=nobu2kun-22
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丹後対馬文明説。
水運から見る日本史で新鮮だった。
学会での評価は分からないがもっと読んでみたいと思う。