紙の本
レシピよりエッセイの方が本筋なのでは
2023/02/28 02:39
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史の勉強をすれば当時の生活や食文化については気になるもの。
様々な文献から各国各時代の歴史料理を再現し、現代日本人が食べるにたるようにアレンジしたレシピ&関連蘊蓄エッセイ集。
各時代ごと、デザート含めた5品がコース料理のように紹介されている。
おそらく製本の問題でレシピ編エッセイ編に分けられているが、正直エッセイの各時代背景→再現レシピ→元にした文献の解説やアレンジ蘊蓄の順に掲載されていた方がページをいったりきたりせずに読みやすかったなぁ、という不満があるが、エッセイ編がとても面白かった。
開幕の古代メソポタミアレシピから「アサフェティダ粉なんやねん」問題が起きたり(調べた結果強烈な苦みと臭気を放ち悪魔の糞の異名を持つ調味料だそう)レシピに未解明の言葉があるのでとばされる食材とか、現在では絶滅しているから似た植物で代用したり、現在では毒性があると判明しているから省略されたりしている野菜があったりと、エッセイ部分の蘊蓄が本当に面白い。
「中世でイギリス料理でも美味しいよ!」と主張しながらスパイスを適量に抑えれば、とアレンジしまくってたりと笑った。
他の本もこういうエッセイやコラムあるなら読みたい。
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2017年刊行の「歴メシ!」を全面改訂し、新たに4章を
追加した決定版。12時代 60品のレシピを収録し、解説する。
I レシピ編
chapter1 ギルガメシュの計らい
chapter2 ソクラテスの腹ごしらえ
chapter3 アレクサンドロス大王のもてなし★
chapter4 クレオパトラの歓待★
chapter5 カエサルの祝宴
chapter6 マルコ・ポーロの帰還★
chapter7 リチャード3世の愉しみ
chapter8 レオナルド・ダ・ヴィンチの厨房
chapter9 マリー・アントワネットの日常
chapter10 ユーゴーのごちそう
chapter11 ベートーヴェンの晩餐★
chapter12 ビスマルクの遺言
II エッセイ編
各chapterに対応。
参考文献、レア食材&調達リスト有り。
★が新章。
各章前半は5品のレシピ。各章後半はその時代の食文化、逸話、
料理再現についてを解説。材料別索引有り。参考文献が豊富。
2017年刊行の『歴メシ!』に新たにアレクサンドロス大王、
クレオパトラ、マルコ・ポーロ、ベートーヴェンを加え、
全面改訂。
アレクサンドロス大王の好物だったりんごの、デザート。
クレオパトラのウアフ・シャート(タイガーナッツ・ケーキ)の
形の斬新さ。味も気になるところ。
マルコ・ポーロが味わったかもしれない、
旅したシルクロードの各国料理。
偏食家で、毎週木曜日は生卵を入れたパンスープを食べ、
シャーベットの思い出があるベートーヴェン、など。
おおまかな調理法、わからん調味料の配合等、苦労の連続だった
と推測できます。それの完成の姿を想像しながら、無い&不明の
食材は現代のもので代用し、美味しく食べられる料理に再現。
おかげで、現代人にもわかるレシピを提供しています。
食材、味も歴史の証言・・・スパイスの変化、異国から伝来した
トマトやジャガイモがレシピに現れる時期等に時代の流れを
感じられるのも、面白い。また、貴族~庶民と階級でのレシピの
違いも現れていて、楽しかったです。
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歴史料理研究家の遠藤雅司さんの著書
歴史の中で人々は何を食べてきたのか?
そのお料理を現代に再現するというレシピ&エッセイ本
おもしろかった!
お料理から見えてくる人々の生活や背景
古代メソポタミア
古代ギリシャ
古代マケドニア
古代エジプト
古代ローマ
中世
中世イングランド
ルネサンス期イタリア
フランス・ブルボン朝
フランス・ナポレオン時代
神聖ローマ帝国&オーストリア帝国
プロイセン王国&ドイツ帝国
マリーアントワネットが実は市民思いだったという話とかおもしろかった~
しかし、ルイ14世の食事…
食べる量がフードファイター並み!
フルコースのあとに鶏2羽、鳩9羽、しゃこ1尾、若鳥6羽、子牛4kg、若鶏3羽、雉1羽って…
まあちょこちょこと部位だけ食べたのかもだけど…
飽食…
かと思えばアレクサンドロス3世は小食だったとか(意外!ガツガツ食べて戦っているイメージ!)
食の背後にある歴史や生活環境など…
合わせて読めて楽しかった~
著者の遠藤雅司さんは音楽と歴史料理を楽しむ「音食紀行」というプロジェクトを主催されているとか
行ってみたい~!
そしてなかなか味の想像がしがたい古代メソポタミアの食などを味わってみたい~!