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紙の本
君の住む美し都
2023/04/14 07:01
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
書評家でライターの岡崎武志さんが東京に「上京」してきたのは、1990年春ですでに30歳を超えていた。
「上京者」としてはかなり遅い。
しかも、岡崎さんの場合、大阪からの「上京」だから、決して漱石の『三四郎』のような田舎からのものではない。
それでも、東京に行きたい、と思ったのだから、かなり強い憧れがあったのだろう。
それゆえだろうか、岡崎さんは「上京者」にこだわり、すでに『上京する文學』『ここが私の東京』と「上京」するさまを描いた著作を出版している。
そして、この『憧れの住む東京へ』が「上京者」シリーズの3作目となる。
ここで紹介されている「上京者」は、赤瀬川原平、洲之内徹、浅川マキ、田中小実昌、山之口獏、耕治人の6人。
イメージ的には「上京者」には思えないが、おそらく岡崎さんが好きな作家や詩人や歌手の原点を探れば、やはり東京に憧れ、「上京」してきた人たちだ。
この中で、浅川マキを紹介している章で、岡崎さんが浅川マキと最初に出会ったのは真崎守が描いた『はみだし野郎の子守歌』だったと書いている。
実は私も同じで、1957年生まれの岡崎さんは私より少し年下だが、ほぼ同世代ということもあって、岡崎さんの著作や文章が好きなのはそのせいでもある。
岡崎さんの場合、人が好きになると徹底的にこだわる性格のようで、田中小実昌がバスでのお出かけが好きだと知ると、自身も東京を走る路線バスに乗車したりする。
そういう余裕もまた、岡崎武志さんの魅力といえる。
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