気持ちよく読み終えるには、程遠かったです。
2023/05/07 06:55
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投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうしても跡取りが必要だったことを描いています。
そういう時代があり、あるいは今も切実に求められる家庭や社会が存在しているのだろうと想像しますが、読んでいて気持ちのよい話ではなかったです。
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読んでると料理したくなるし食べたくなる。原田さんのお食事系の小説は読むとお腹が空いてきます。自分と料理のルーツとは…。面白く読みやすかったです。
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「昭和と令和 隠し味がつなぐ感動の家族小説」
文庫本の帯に書いてありました。
その家の味というか味付けや作り方というのは、自然と親から子へ、また、その次へと繋がっていくのだろうと思います。
私も母から受け継いだものはあるのだろうと思います。
この作品は、そんな家族で受け継がれていった料理の話でした。
時代背景もあって、少し入り組んだ家庭の事情などが描かれていますが、とにかく作品に出てくる料理がとても美味しそうで真似したくなるものがたくさんありました。
料理をしているところを読み直して、ノートに書き出そうかなと思っています。
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冷蔵庫の中の余っているものでパパッと作れる人が羨ましい。主人公、留希子はそんな人。一緒に住んでいる風花の仕事っぷりもカッコいいなと思いました。
料理ができるって、料理が上手ってやっぱりいいなぁと思います。
しずえの人生がこれで幸せだったのか、私にはわかりません。ちょっと切なくて苦しいよなと思います。
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やっぱり、食べるということは幸せなことだと、こういう本を読む度に思う。
美味しいものは、トゲトゲの心も、ズタズタの心も、しぼんだ心も、凝り固まった心も、ほぐしてくれるような気がする。
ストーリーは、2つの時代を行き来しながら進む。読み進めるとそれぞれの時代を生きる2人が徐々に繋がる。
いつか私の祖母(ちょうど留希子の祖母くらいの年齢)が「人間、生まれたときに決まっている運命がある」と言っていたのを思い出す。しずえさんや留希子もまた、そうだったのではと思わされる結末だった。
食材や料理についての描写がとても丁寧で、調理する音や香りまでも感じられそうだった(巻末に特別収録の対談を読んで納得)。留希子やしずえさんの、食に対する想いも感じられて、物語の世界にどんどん引き込まれる。
(誤解を恐れず言うならば)ハッとさせられるような、グサッとくるような、そんなフレーズがたくさんあったわけではないけれど、脳内でドラマを観ているかのような感覚で、一気に読めた。ジワジワと心がほぐされるような、とてもあたたかい本。
ぜひ実写化して欲しい!
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留希子が作る料理が、季節感がありどれもおいしそうで、気軽に作れそうな感じだった。
骨酒、竹の子、春菊、冷や汁、生姜焼き、梅仕事、スープなど。
生姜焼きをめぐっての過去の出来事も、順に語られ、その時代の考え方に巻き込まれた女性の在り方が、なんとも言えなかった。しずえさんのような考え方の人がいて、どれだけの人が助けられたのだろうかと思う。昔の女性の我慢の上に成り立った事柄が、どれほどあったんだろうかということも考えさせられた。
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レシピ付きで嬉しいファンの原田ひ香さん新文庫本を早速読みました。生姜焼きが食べたくなります。
しずさんの生涯に感嘆!坂崎さんはなかなか有能な人間で物語りの重要なペーソスになってますね。
冒頭の留季子の人間観察私も良くします。スーパー、カフェとか仲間はいるのですね。
それにしても仕事しながらSNSで活躍するって大変ですよ。
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レシピが広まった分だけ物語があって、
それぞれの想いで変わっていって、
過去も今も未来も続いていく。
誰かを想って、口福になる!
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Amazonの紹介より
隠し味のルーツをめぐる「食」の家族小説
留希子の実家は、江戸時代から続く老舗の料理学校「品川料理学園」。いずれは継ぐものという周囲からの圧迫に耐えられず、大学卒業後はSEとして企業に就職した。しかし、食べることも料理をすることももともと大好きな留希子。SNSでレシピを発信しているうちに、料理研究家としての仕事も舞い込むようになる。アプリ開発会社と組み、大型連休に向けた簡単でおいしい献立レシピの企画を立ち上げるが、留希子の思いと、忙しい女性たちの現状はいつの間にか乖離し、アプリ制作は難航した。一方、昭和二年の品川料理教習所の台所では、女中奉公に来て半年のしずえが西洋野菜の白芹(セロリー)と格闘していた。どのように調理すれば美味しく食べてもらえるのか。しずえは、蕗と同じように小さく切って、少量の油で炒め、醤油と味醂、砂糖で炒りつけた。留希子としずえ、二人をつなぐ一皿の料理の隠し味をめぐる「食」の家族小説。巻末に、著者の原田ひ香さんと料理家・飛田和緒さんの対談を特別収録。
「食べ物は人を幸せにしてくれる。」
料理が多く登場するのですが、みんな美味しそうに描写されていて、読んでいてお腹が空いてしまいました。
「今」と「昔」を行き来しながら、ある家族の物語が描かれています。ちょっとドロドロした親子関係なのですが、料理を通じて、気持ちの蟠りやそれぞれが抱える苦悩が垣間見え、段々と心の氷が溶けていくかのような展開だったので、良い余韻に浸れました。
印象的立ったのは、時代を生きる女性達の苦悩が丁寧であり、特に昭和時代では展開が切なすぎました。
今よりもずっと料理のレパートリーが少なかった時代を考えると、歴史を通じて、料理の奥深さ、背景になる苦悩など相当なものがあったと感じました。
もしかしたら、何気なく食べている料理も、隠された歴史があるかもしれません。
料理によって繋がれた家族の物語に、読み進めるにつれて、段々と心に沁み渡りました。
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季節ごとに留季子の生み出すレシピの数々は勉強になり、風花が選ぶ酒類のバリエーションにも驚き、楽しい。疲れ切った留季子のために珍しく風花があれこれ作ってくれた場面が好き。
しずえさんが妾になった時の実家の父、祖父、祖母のとった酷い仕打ちに胸が痛む。そんな時代だったのか。奥様も辛かっただろう。
しずえがその後、小料理屋を開き、大好きな料理を仕事にして生きていくことになったのはよかった。
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料理をテーマにした家族小説は、世に数多溢れています。私も自分で料理をするようになってこのジャンルに手を伸ばすようになったんですが、まあ出てくる料理が悉く美味しそうで作りたくなるんですよね。本作もご多分に漏れず、食べたくなると言うよりは作りたくなる料理の描写がてんこ盛り。
でも、何よりの読みどころは、過去と現代を行きつ戻りつして描かれる、世代を越えての家族の叙事詩です。
反発する母と娘。
感情的な言葉の応酬は、ただの家族喧嘩で片付けるには不穏すぎる様相を呈しています。
変わることを余儀なくされるお互いの価値観。
それでも、日々の料理はやっぱり変わらず食卓を彩ってくれる。そんな普遍的な「当たり前」が、とても尊いものに感じられます。
最後の数ページ。
ある女性のあまりに密やかな喜びに、とても胸を打たれました。
彼女の人生は果たして幸せなものだったのか……。だけど、現代に生きるもう1人のヒロインの姿が、その問いに対する答えそのものでした。
どうか、彼女が過ごした最期の日々が、穏やかで幸せな想いで満ちたものでありましたように。
そう願わずにはいられない物語です。
↓久しぶりに内容まとめ↓
時は現代。料理学校の後継として期待されたものの、融通の効かない祖母や母の方針に反発して独立した料理研究家・品川留季子。
時は遡ること昭和初期。クセの強い西洋料理「セロリ」に悪戦苦闘しながら何とか食べられるものに仕上げ、以降何かと旦那様と奥様に目をかけられ西洋料理に奮闘するようになった女中・しずえ。
2つの時代、全く異なる境遇の2人の女性を繋ぐ糸は、「料理」そのものでした。
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過去と現代、二つの時を行き来しながら進む物語。
過去(昭和初期)の主人公しずえが、白芹(しろせり)のこしらえ方を文章にしようと苦戦している。
この冒頭の場面がすごく良くて、ぐぐっと心を持っていかれる。
現代の主人公は、料理研究家の留季子。
同居人の風花との食卓は、とっても美味しそう。
春から初夏にかけての季節が描かれているので、ちょうど今にぴったり。
早速試したい料理がたくさん登場する。
読み進めるにつれ、少しずつ交差する二つの時代。
私、こういうのが大好きなので、たまりません。
ひとつの料理が、人と人を繋いでいく。
たとえ一人の食事でも、同じレシピを見て、同じ料理を食べている人がどこかにいると思うと、温かい気持ちになりますね。
この作品の中心にあるのは「豚肉の生姜焼き」
一体どれだけの読者が、生姜焼きを食べたくなったことか(笑)
他に作中の料理で試したいのは、「春菊蕎麦」
ちょっと大人な感じですよね?
オリーブオイル・蕎麦つゆ・軽く塩をした生の春菊。
どんな味でしょう。
食べ物のことばかり書きましたが、レシピ本ではありません(笑)
壮大な、家族の歴史を描いた物語です。
この本は、いるかさんに教えて頂きました。
ありがとうございます♪
巻末に料理家の飛田和緒さんと原田ひ香さんの対談が掲載されています。
これも興味深いですよ。
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特に印象に残ったのが、留季子と同居する風花の言葉。適当料理をセンス良く作るなんてできない。 留季子が残り物を玉子焼きにいれてもスペイン風オムレツになるかもしれないけど、あたし達じゃ残飯玉子ができるだけ。 料理に限らず何にでもセンスのある無しってあると思う。
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自分と波長の合う作家さんだなと改めて思った。特にしずえさんの物語が好みで、切なくて切なくて。最後にしずえさんが孫夫婦に対する勘違いも切なくもあり、それで良かったとほっとした。
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SNSに載せた料理が好評で料理研究家になった留季子と、昭和二年に女中奉公先で料理を作る担当になったしずえ。二人の女性の料理を通して繋がりを描いている。二人の人生や料理に対する想いも読み応えがあるけれど、料理のレシピがたくさん出てきてそのどれもが本当に美味しそうに感じる。試行錯誤を繰り返して作られたものが時代を超え、新たなものを生み出していく。その繰り返しとつながりがとても愛おしく思えてくる。