紙の本
翻訳小説の難しさ
2023/07/09 22:43
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投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
様々な英単語や言葉遊びを題材とした小説で、それにミステリーと恋愛も絡んでいます。
楽しく読めたのですが、英語が出来ればもっと面白いのだろうな…と思いました。翻訳者の方のご苦労が伝わってきましたし、とても読みやすい日本語になっているけれど、どうしても限界がある。英語に興味のある方が、原書と併せて読むと、得るものが多いのではないでしょうか。
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楽しかった。
でもこれ、ここまで楽しめるように訳すの、相当なご苦労だったのではなかろうか。ルビや注釈が適量で、うるさすぎることなく、読むスピードを邪魔することがなかった。快適に読めた。猫のティッツもいい。
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19世紀英国で編纂された未完の「スワンピー新百科辞典」には、本当は無い言葉がまぎれている。現代のスワンピー家の当主デイヴィッドは、その造語を排除して完全な辞書としてネット上にアップロードしようと考え、マロリーを採用し二人でコツコツと検証を続けている。そこにスワンピー社に脅迫の電話が入る。辞書は、完成するのか。
現代のマロリーの章と、19世紀に辞書を編纂していたメンバーの一人ウィンスワースの章が交互に続く。どちらの時代も個性的なメンバーが登場。ちょっとビックリの展開で楽しかった。
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cassiculation、検索してしまったではないか。原文がどうなっているのか、気になる箇所も多々。
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「マウントウィーゼル」内容の細かい部分はすごく興味深くて勉強になったし、2人の主人公に共感も覚えたけど、多分、、、原語版で読んだらきっともっと面白いんだろうなと思わずにはいられませんでした。訳者を責める気にはなれないけど、、、でももっとうまく訳せたんじゃないかと思うと少し勿体無い。時代を行き来するタイプの小説は多いけど、一編一編が短いせいもあって、感情移入したりキャラを好きになる前に別の世界に行かされる感じも…
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「完璧な辞書なんてないのだ。」(序文より)
ことばの遊び心が詰まった一冊!(今滝暢子)
日本大学図書館生産工学部分館OPAC
https://citlib.nihon-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=1000288124&opkey=B169881490371228&start=1&totalnum=1&listnum=0&place=&list_disp=20&list_sort=0&cmode=0&chk_st=0&check=0
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たぶん、原書で読んだら面白い。内容もやりたいこともよくわかるが、英国的な匂いがぷんぷんで、日本語にするのは難しいだろうし、日本人には理解できないジョーク的なものもたくさんある気がして。
機会があれば、是非原書を読みたい。時間かかるだろうが。
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その音に与えられた意味(言葉)に面白さを見出す人にオススメの一冊
しかし'英語の辞書'の話なのでそのおもしろさを瞬時にキャッチするのは難しい…
英語得意な人は原書で読んだ方が楽しめるかも
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英語辞書の話なのでなんとなく雰囲気で読んだ部分はありますね。言葉の移り変わりとか、マウントウィーゼルとかは面白いなと思いました。ちょっと読んでて疲れたかな。
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「嘘つきのための辞書」
奇妙な物語だ。
「マウントウィーゼル」というものがある。嘘の記載、嘘の記事の意味で、例えば地図に実際には存在しない通りや、地名が記載されている事があるという。なぜそんな事をするかと言えば、他者があたかも自分が描いたかの様にその地図を盗用した時にそのマウントウィーゼルも使われていれば、出処がわかるという仕掛けだ。
スワンズビー新百科辞書は特に一番古くも、一番有名でもなく、1930年に初版が出版されて以来、再び世に出だ事がない未完の辞書で、この出版社のただ社長であり、現在のただ一人の編集者デイヴィッド・スワンズビーはこのスワンズビー新百科辞書の完成を目指しているが、電話番として雇われたインターンのマロリーのところには毎日のように辞書の内容についての脅迫電話がかかってくる。
一方で19世紀、スワンズビー社で辞書のSの項目を担当するウィンスワースは、わざと舌足らずな喋り方をしたためにそれが癖になってしまったという冴えない人物。しかし、同僚の帰還を祝うパーティーで出会った同僚の婚約者に一目惚れしてしまう。
スワンズビー新百科辞書に仕込まれたマウントウィーゼルはどれで、誰が、何のために紛れ込ませたのか?
一つの辞書を巡り、二つの時代の人物たちが交差する。
各章のタイトルがAからZで始まる単語で構成され、現代と19世紀の物語が交互に語られるという凝った構成。
登場人物も一癖も二癖もある人たちばかりで、面白そう!という印象を抱くのだが、残念ながらちょっと構成が先走って物語が弱い?
もっと面白くできたのでは?とちょっと残念な作品。
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1世紀を隔て同じ出版社で働く2人の社員、ウィンスワースが辞書に紛れ込ませた造語(made-up words)を調査するマロリー。ウィンワースは存在しない新しい単語とその定義を創作し辞書に載せる。例えば、cassiculationは 「透き通った見えないクモの巣に突っこんでしまったときの感覚」、prognostic (予知) とassumption (憶測)を組み合わせた prognostisumption は「遠くからちらりとようすを見たときに持つ確信」等々。
物語の至る所で「マウントウィーゼル」、「イタチ言葉(weasel words)」「カバン語(portmanteau word)」「Dord」などの言葉が飛び交い、辞書学の教室に迷い込んだような気持ちになる。専門的な会話の合間には、結婚を男女間からジェンダーレスの結びつきに再定義したことに怒る人物からの爆破予告電話や、マロリーとルームメイト、ピップとの関係や、ウィンワースの片想いのエピソードも織り込まれ物語を彩る。読了後に序文を読み返し作者の辞書への思いの深さを改めて知らされました。
“Love is often using words like maybe or most likely to soften a blow, or using words like like when really you mean indefinitely and using the word definitely to imply anything can ever be anything other than a suggestion or an impression.”
愛はしょっちゅう、「たぶん」とか「おそらく」とかいう言葉を使ってダメージを和らげようとする。それとか、本当なら曖昧なことを言うのに、「そうなりそう」って言ったり、暗示や印象でしかありえないものを「ぜったい大丈夫」って言ったりする。
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序文でまず読みづらさに驚き、本文が少し盛り上がってきたと思ったらすっと鎮火して何も残さずに終わった。『文体練習』のような言葉で遊ぶ作品は好きなのだが、この本については辞書という形式のせいなのか、どうにも趣味に合わなかった。あるいは単に、地の文で常に不調を訴え続ける主人公を初めとして登場人物にまるで魅力を感じなかったせいかもしれない。