紙の本
ごく私的な話に焦点を
2023/06/03 16:37
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
離散家族など歴史的なテーマを描いた作品で、評価を集めてきたヤン・ヨンヒ監督。この本の中で語られる自らのルーツも、いつか物語にして届けてほしいと思います。
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『カメラを止めて書きます』
著:ヤン・ヨンヒ
購入してから読むのを我慢し、5月の韓国旅行でお供に持って行った一冊
北朝鮮・韓国・日本
家族の国と思いを繋ぐ監督のドキュメンタリーや劇映画を見て来たけれど、文字で綴られるそれはあまりにも心に突き刺さる
「本当のノンフィクションは、誰にも言えない記憶や心情であろう」 -はじめにより
個人の意思とは関係なく家族と引き離され、「人間プレゼント」として北朝鮮に差し出された監督の兄達
それを支えるオモニム(お母様)の45年に渡る献身、切ない思い、耐える明るさ
アボニム(お父様)が最後まで見せられなかった苦悩
監督と結婚され新たな家族となった男性の存在とオモニムのアルツハイマー型認知症、娘としての介護生活
そこに伴う済州島四・三事件の記憶
「家族とは…分かり合い支え合おうとするお互いの努力があって機能する関係性があってこそ、その集合体は家族たりうるのかもしれない」 -本文より抜粋
「思想や価値観が違っても、一緒にごはんを食べよう」
鶏のスープ参鶏湯を炊くオモニムの姿と新しい家族の思い
政治的な映画でありながら、時代と国家に翻弄された人たちの日常を描いた「家族」の物語
#一緒に旅した本
#本好き #読了 #부엌독서실
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兄の痩せ細った写真を破ってしまったオモニ。
3人行かせてしまったことを後悔するアボジ。
日本で生まれ育った在日の人たちの中には、日本でも韓国でもないパスポートを持つ人が存在することを初めて知った。
演劇のことを聞くだけ、ただそれだけなのにとっさにビデオを切ってと言ったソナ。どんな教育を受けているんだろう。なんていう国なんだろう。
長兄を行かせた人たちは、自分の子供は残していたという事実に絶句した。
自分たちが非難されようが、友人を失おうが、娘、そして妹が真実を語る作品作りを応援した家族。この家族あってのヤンヨンヒ監督なんだと思った。
"アルツハイマーを患い記憶を失っていく母が、金日成を称える歌をうたう。残酷で純粋で滑稽で愛おしく哀れでいじらしい、少女のような母の姿である"
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「スープとイデオロギー」という映画を観て、ヤンヨンヒ監督と在日朝鮮人の歴史に興味が湧き購入。
在日朝鮮2世として大阪に生まれ、幼い頃に大好きだった兄3人は帰国事業で北朝鮮へ渡ってしまう。熱心な活動家だった両親と相反する自分。それでも家族を撮り続けること。日本と朝鮮半島の歴史と現実を浴びながら生きている監督の話はどこまでも惹きつけられる。
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「ディア・ピョンヤン」「愛しきソナ」「スープとイデオロギー」鑑賞後に本書を購入しました。
カメラを構えた監督自身の心情やカメラのフレーム外での出来事は、映画を観終わってからだとさらに重く、胸にズシッとこたえます。鋭く重く、でも心地よいスピードでテンポよく話が進んでいくので、あっという間に読めてしまいました。
日本と朝鮮半島の歴史に分断される家族との関係を、苦しみながらもまっすぐ描いてくれたことに感謝します。
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「帰国」する兄達を見送った悲しい思い出の海を避けているうち、苦手になった青。その色の装丁。
今はもう兄にも姪達にも会えない著者が、手紙を書くことも躊躇し、ニュースを見るたびに胸を痛めているのではと思うと辛い。
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近くにいるはずなのに知らないことが多すぎる。日本は国として、この対応で良いのかと、考えさせられる。隣人の背景にあることを知るために、知らない人は読むべし。
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「家族とは血縁だけではないとつくづく思う。わかり合い支え合おうとするお互いの努力があって機能する関係性があってこそ、その集合体は家族たりうるのかもしれない」
イデオロギーにより家族が分解され、もう家族など持たないと誓っていたヤンヨンヒさん。荒井カオルさんの登場やオモニの認知症で、化学変化がおきたのかなぁ。
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筆者が苦手だった青色が本のカバーに使われてるのを見て、色々な感情が湧き出た。
韓国に関しては色々と情報を追っていたのに、在日コリアンと北朝鮮に関連する話は全く無知で、読み始めた時はなぜ筆者の両親が社会主義国家を支持したのだろうかと理解ができなかったが、読み進めていくと過去の悲惨な歴史が根底にあることを知る。
人がある思想に至るには様々な事情があることを改めて感じさせられるとともに、筆者が北朝鮮の家族に会えなくなるという犠牲を払ってでも公開してきた家族の話を通して、自分とは普段交わることのない人々の暮らしや歴史を知ることができたことを有難く思った。
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北朝鮮への帰国事業ってニュースで聞いたことはあったけどこんなに酷いものとは知らなかった。国や時代がつくる荒波を前に個人の人生って何なんだろうな、って思ったよ。家族とは血縁に限らず、お互いに努力し続けることなのだ
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彼女の映画ディア、ピョンヤンとスープとイデオロギーも見た。
併せての評価となるが、本当に素晴らしい作品でした。
自分の無知さ加減を恥じると共に、何事にも理由があり、白か黒かなんて簡単なものではない。何が正しくて何が間違ってるかなんて、人に簡単にジャッジされるべきものではないと、あらためて思った。
残りの映画もぜひ見ます。
見て、読んで本当に良かったと思える作品
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ヤン・ヨンヒ監督のドキュメンタリー三部作を観て、映画にはなかった部分も知りたくて読みました。
映画ではすごく仲良し親子に見えたヤン・ヨンヒ監督とご両親ですが、
改めて親と違うイデオロギーを持つことの葛藤を感じました。
日本で差別されるより幸せに暮らせると信じて北朝鮮に3人の息子を送ったご両親でしたが、その後社会情勢は変わり、北朝鮮で厳しい環境で暮らす子どもや孫たちのために奮闘するご両親に何度も涙しました。
ヤン・ヨンヒ監督のお父さんもお母さんもめちゃくちゃ魅力的でした!
歴史に翻弄されつつも人々は懸命に生きてきたし、信条は違っても家族を愛する気持ちは一緒なのだから、もっと人類は仲良く暮らせるんじゃないかな~と改めて思いました。
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大阪出身コリアン二世であるヤン・ヨンヒさんの作品。妻に薦められて読みました。姪っ子の笑顔を「演出され強制された笑顔ではない家族の日常の中の表情がそこにはあった」
この言葉に朝鮮という国、その国のあり方を変えたいと思い願う著者の思いを感じました。
とてもよい作品に出合えてよかったです。
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恥ずかしながら「在日」と呼ばれる方々について無知なまま生きてきた。
著者の視点で捉えられる出来事やエピソードに「こういうことが知りたかったのだ」という気持ちになった。
遡って他の著書も読んでいきたい。
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『スープとイデオロギー』を見てみたいなと思っていたところ著書を見つけたので読んでみたら内容の濃さに圧倒された。これはぜひ映画も見なくては。
この一冊の中でたくさん発見があったが、長男は強制的に帰国させられていたことに何より衝撃を受けた。あとは帰国事業にのった人たちがいたのは日本での差別と貧困が苛烈だったから、という指摘も特に印象深い。