紙の本
巻頭のカラー写真口絵が秀逸です。
2023/09/05 07:51
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
鳥研究の権威の著者が、都会に棲みつくツバメやスズメ、カラスといった比較的身近な鳥たちの生態について、細かく研究成果を思う存分著した1冊です。
当書の巻頭に、鳥たちの生態を撮影したカラー写真口絵が、かなりの紙幅を当てて紹介されています。これがかなり秀逸です。写真も綺麗に鳥たちが写っています。文中にも、モノクロ写真がかなり掲載されています。
紙の本
イソヒヨドリは猛禽類
2023/08/01 15:47
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
イソヒヨドリは文字通り、海辺で暮らす平和な鳥というイメージがあったので、この鳥が猛禽類だといわれてもピンとこなかったのだが、銀座にも進出しているらしい、ビルの屋上で養蜂しているのに目をつけてミツバチを餌にしている。ミツバチの針対策もしているという。
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<目次>
第1章 人と鳥のソーシャルディスタンス
第2章 ツバメの「栄枯盛衰」
第3章 人類に随伴するスズメ
第4章 水鳥たちの楽園、「都市の水域」
第5章 都市生態系の頂点「カラス」
第6章 カラスと猛禽
<内容>
もう傘寿になられた唐沢先生の本。都会にいる鳥について、2000年代後半あたりからのデータを基に詳述されている。そして意外な話が多々載っている。ツバメやスズメの様子。最近はカワセミはもちろん、猛禽類(オオタカ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、フクロウ類)も都市の庭園や高層ビルに営巣していること。これは見てみたい。カラスが減っていることも驚きだ。でもその分、自分の住んでいるあたりに移住しているのかもしれない。
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高層ビルで子育てするハヤブサ、都心の川で繁殖するカワセミ…人が作った環境である都市に適応して生きる鳥たちのしたたかな生態
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街中で子育てを終えたツバメは、秋に南国に戻るまでの間、どこにいるのか、というと、本書によれば、川中州のヨシ原など、とのこと。ネコやイタチやヘビが近づきにくくてよいらしい。
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都市部に住むバードウオッチング愛好者にとって、珍鳥出現情報を追いかけるだけが野鳥観察の面白さではないことを教えてくれる&思い出させてくれる好著。都市鳥たちの栄枯盛衰状況や生態に関する知識を補って観察すると、これまた非常に興味深いものがありますよね。
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2023年刊。タイトルが堅いが、中身も堅い。出版時点で筆者は80歳。文体や構成が、どうしても固くなるのは避けられないのかな…。面白い内容だと思うのだが、一字一句をしっかり追っていくと眠くなるのなんのって…。細かな情報も、誰がどうして必要とするんだろう? 正に生態「学」。 学術書として読む気の無い人は、適度に飛ばしながら読むと良いと思います。
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内容はとても面白かったが、文体が読みづらかったかも…。
ツバメは雛を育てて家族揃って帰って行くんじゃないのね。
勝手に仲良し家族のイメージを持っていたのでちょっとショック。
ツバメ、スズメ、カラスなどの鳥たち、自然に増えたり減ったりしてるのではなく、人間の生活が大きく関わっているとは考えたことがなかった。
視野が広がる一冊となった。
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カラス、ツバメ、スズメ等から最近の猛禽類の都会への適応まで。都会の環境にたくましく生きる鳥の生態を追った楽しい一冊。
そういえば一時期よりカラスを見ないた思っていたら意外な理由。カラスよけネットだけでなく、超高層ビルを岩場と同じように生活の番とした猛禽類ハヤブサやオオタカの存在があるという。
あえて人間の生活空間の近くに巣を作り天敵から身を守るツバメやスズメ。
その他、都会に暮らす鳥の意外な生態を写真も豊富に解説した楽しい一冊でした。
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都会に暮らす鳥たちの生態についての長年の研究の成果がまとめられている。私は、さすがに猛禽類と会うことはないけれども、ツバメやスズメ、カラスなどはよく目にするなじみのある鳥だ。しかしその生態については意外に知らないことが多い、そう実感させられる本であった。特にツバメは、思い返してみれば巣で雛に餌を与えるあの場面しか目にしたことがなく、何も知らないも同然、巣立ちの後の渡りに向けた行動や、営巣のあれこれ、渡りの時期が早くなってきていることなど、興味深い話が多く書かれていた。さてこれから人と鳥の関わり合いはどのように変化していくのであろうか。ああ、故郷の空にはトビが当たり前のように旋回していたなぁ。
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郡司ペギオ幸夫さんの本で苦しんだ(笑)ので、鳥つながりの本書で少し気分を変えてみた。
(噂によれば郡司さんはペンギン好きが高じて、息子さんに「ペギオ」と命名しようとしたというが反対され、ご自身のペンネームにしたというのは本当だろうか?)
タイトルのごとく、本書は都市(主として東京、千葉周辺)の鳥を取り上げる。
そのため、さして鳥類ファンでもない(というか鶏は怖いと思う程度の)自分にもおなじみの面々が次々に登場する。
ツバメ、カラス、スズメは章立てして、しっかり論じられる。
カワウ、カイツブリ、コアジサシ、コブハクチョウ、カモメらの水鳥も、ハヤブサ、チョウゲンボウ、オオタカ、ツミ、フクロウの猛禽類も登場する。
著者は長年都市鳥の観察を続け、都市鳥研究会の代表も務める方だけに、データもネットワークも幅広い。
そうした豊富な事例を通して、経年変化も描き出される。
人間の生活の変化に合わせて、鳥たちも大きく暮らし方を変えている様子が見て取れるのが興味深かった。
バブル経済崩壊後しばらくまでは、とにかく東京にカラス(ハシブトガラス)が増えていた。
それは彼らの餌となる生ごみが多く、しかもあまりうまく処理されずに廃棄されていたため、繁殖が進んだからだったそうだ。
それが、経済の変化で餌が減ったこと、ごみが荒せないように捨てられるようになったこと、そしてカラス駆除の成果で、東京のハシブトカラスが激減する。
それと入れ替わりに、里山に住むとされるハシボソガラスが都心近くに進出してきたり、カラスを餌とする猛禽類が都心に住むようになったり。
わずか数十年でそんなにも変わるのだと驚いた。
渡りの時期、巣の位置や、出入りする時間、親鳥の給餌方法などが紹介されていく。
これだけの観察を続けていくのは、本当にすごいことだと思う。
しかし、筆者は、観察中に近所の人に怪しまれた、という笑い話も加え、全体のトーンとして、鳥が大好きな先生の楽しい話を聞いているかのような雰囲気がある。
2023年の読書納めとして、なかなかよかった。