紙の本
ウクライナ戦争を本質で考える対談録です。
2023/07/29 20:49
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
当書は、外交ジャーナリストと元在ロシア日本大使館に勤務していた著名作家の共著で、お二人の対談でウクライナ戦争について考える体裁に仕上がっています。
ニュース報道では分からないウクライナ戦争の奥にある様々な問題の本質が分かり、ウクライナ戦争は簡単な問題ではないことに気付かされる内容です。読む価値が十分にあります。
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今年はかなり重要な年とのことでした
2023/09/30 20:25
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビや新聞では知り得ない裏事情を大いに語るという趣向。ロシアが侵攻したという事実だけを見るのではなく、それまでの両者の歴史的経緯や米国の思惑等を多面的に考察しないと戦争の深層は見えてこないことが理解できました。ただ、プーチンは一定の評価をする一方で、ゼレンスキーを志村けんの「バカ殿」呼ばわりに唖然。また、解決案として、ウクライナがロシアに領土を譲歩し、さらには国土三分割案を提示。プーチンの核恫喝に屈する論考は納得いくものではありませんでした。なお今年はかなり重要な年とのこと。注視が必要です。
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裨益するところ大であったが、両氏の親プーチンぶりには鼻白んだ。
2023/06/13 01:28
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投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
読みやすく、情報量も豊富で、一気読みの一書、他方で、「リアリティに立脚しなければ、ウクライナの戦いはいつまでも終わりません」(手嶋氏、248頁)、「もちろん「価値」を無視していいということではない。でもやはり、外交は力と力の均衡で成り立っている」(佐藤氏、同頁)というお二人だけあって、結果として、多くの発言が親ロ寄り(というか、親プーチン寄り)に見える点は、かなり鼻白む。(例えば、今回の戦争におけるプーチンの発想や内面に対してはかなり「同情的な」見解が随所で披歴されるが、ゼレンスキーのそれに関してはほとんど無視状態であり、シンパシーのかけらも見受けられず、誹謗的な部分もある(130頁等々)。)佐藤氏も真の「キリスト者」だったら、もっと言いようがあるだろうに・・・ やはり、自分の骨格を形成したのがロシアでの業務遂行だったが故に、いろいろな意味でこうなってしまうのであろう。
それにしても、対ロ、対中と「二正面作戦」を強いられるアメリカの負担は確かに大変。欧州と日本に助けを求めるのも、国家エゴやコーポラティズムの観点は別として、うべなるかなである。
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p28 プーチン 2022/2/1 ルガンスク人民共和国とドネツク人民共和国の独立を認める大統領令に署名 ウクライナから分離させてから侵攻
p37 プーチンの考えを変えさせた2つの事件
クリミア大橋の爆破、ダリアドゥーキン爆殺
p43 今回のウクライナ戦争では、欧米そして日本のメディアが、全面的に依拠しているの情報源は2つといっていい。アメリカの戦争研究所(ISW)とイギリスの国防省
ISWはネオコン系の研究所
設立はキンバリーケーガン、その夫は軍事史家のフレデリックケーガン、その兄がネオコンの総帥であるロバート・ケーガン。ロバートの妻は国務時間のビクトリアヌーランド
p53 ですから、私は、この戦争を、「アメリカにより管理された戦争」と読んでいます
この戦争におけるアメリカの真の目的は、ロシアの弱体化です。ウクライナはその道具にすぎません
p57 日本経済にとって永続的に効果のある産業は2つあると米国人の経済学者からきいたことがあります。英会話産業とダイエット産業です
p67 2008/8 ジョージアの砲声 ロキトンネル 南オセチア自治州 ロシアが先制攻撃させた 2008/4 NATO首脳会議で、ウクライナとジョージアがNATOの一員になりたいという希望を歓迎する これがトリガー
ここが現代史の分かれ目
p73 2013/11 ウクライナのマイダン革命 アメリカの国務次官だったビクトリアヌーランドらが、ウクライナのアメリカ大使館を拠点に露骨に介入した
p74 ウクライナという国が3つの異なる地域から成り立っている 革命をおこした半政権側はウクライナ西部のガリツィアを拠点
東武から南部の黒海沿岸地域は親ロシア、ノボシア
首都キーウを中心とする中心部 ロシア系、ウクライナ系が混じっている
p76 プーチン 最大の関心はクリミア半島というよりセヴァストボリの軍港
p105 ウクライナという国は、ロシアに近い東ウクライナ、首都キーウを中心とする中間地帯、反ロシア色が濃いガリツィアの3つに分断されている
p111 ガリツィア地方は、カトリック教会、そして教義がカトリックと近いユニエイト協会の勢力が強く、一方東ウクライナはロシア正教の影響力が強い。その点でも東西のウクライナは水と油に近い
p115 ウクライナ中部のドニプロペトロウシク州の州都ドニプロ市にユージュマシュという軍産複合体がある。ミサイル工場もあり、衛星を始めとする宇宙産業の中心。ロシア軍はここを攻撃していない。オデーサ軍港も
占領して使うつもりだから
p224 23秋から冬にかけて、欧州各国がエネルギー不足に見舞われる
ロシアのかわりに欧州がアメリカから輸入している天然ガスの価格はロシア産の4倍
ウクライナと西側諸国は、戦況とは別に、ともに食料とエネルギーの不足に悩まされています。でもこの2つの障害をなんとか乗り切ってしまえば、戦争はだらだらと果てしなく続くかも知れない。戦争続行のシステムさえ整ってしまえば、10年におよぶ長期戦になる可能性があると考えています。
p236 停戦のキーワードは中立化
p237 中立化という観点から言えば、和平交渉が進めば、次のようなシナリオが考えられます。今のウクライナが、歴史、宗教などが異なる3つの地域からなりたっていることを考えれば、それぞれに分離、独立する
p239 高坂正義 国際政治 価値の体系、利益の体系、力の体系が複雑に絡み合って成り立っている
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ロシアは言語道断だが、戦争で利益を得ているのは一体誰なのか。米露中北の「嘘」と野望と打算、その本音のすべてを見破れ!
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詳しく冷静な人が語ると、
こんなにも腑に落ちるものか、と驚愕する。
テレビニュースをながら見しても価値が無いことがよく分かる1冊。
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今のままだとズルズルと10年戦争になりかねない。はっきり言って落とし所がない。
だからこそまずは停戦ではないだろうか。
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日本でインテリジェンス情報を分析できる、超一流の論客お二方によるウクライナ戦争を巡る対談。佐藤氏の同様の著作もほぼ読んでいるので目新しいところは少ないが、流石手嶋氏のインテリジェンス情報が重なると、奥深さも一際。テレビ・新聞の戦争報道を正しいものと思っている方にこそ、読んでほしい。ロシア(プーチン)の内在論理と如何にアメリカの対応が酷いものかが理解できるはず。
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外交ジャーナリストで元NHKの手嶋龍一氏と元外交官のラスプーチンこと佐藤優氏がウクライナ戦争について語る。
西側の視点からしか見ない日本人からすると新鮮なとらえ方がいくつも出てくる。
「アメリカはウクライナを勝たせるつもりなはない」(管理した戦争)「在庫一掃セール」などなど。また、NATO拡大の超えてはならないラインだとか、英国のエリートの消滅、ウクライナの複雑な民族文化構成や歴史、「破綻国家」(腐敗と汚職と財政難)の側面などなど。
国際政治のバランスは思った以上に西側に不利になってきているらしい。そうした中、核大国・ロシアに対して「正義」を声高に主張してもしょうがない。現実的な平和への道を、世界が進まないといけない。そのためには、すごく遠回りではあるが、健全な世論の醸成、正確な情報から堅実な判断をする有権者が必要だ。
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連日国内で報道されるウクライナ戦争の情報源が米国の戦争研究所(ISW)と英国防省であることに言及し、西側のプロパガンダを疑えと指摘する一冊。
・ウクライナ戦争で得をしているのは誰か?
・プーチンは本当にご乱心なのか?
・ゼレンスキーはヒーローなのか?
等々、面白い話が豊富だった。数年後も残る本ではないと思うが、2023年現在では間違いなく良書。
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結局は、核兵器か。
珍宝島事件/ダマンスキー島事件から世界は、動いた、と。
その流れでキッシンジャーが訪中し、今に至ると。
中東戦争でも、核使用一歩手前までいったっけ。
余談、彼の師匠が、ドラッカーのライバルだったよな。
ケネディ暗殺もレベル的には、一段下の国内の利権絡み。やはり、大国の本命は、核の使用及び、恫喝力による先進国の統治。それが、揺らいでいるか。
ブリックス及びグローバルサウスの台頭。北朝鮮もこれに絡むと。たぶん、汚染水騒動もスピンの一種になる。
木原っちって、使えるやつなのかね、やはり。
それにしても、核兵器、安くなったもんだ。
世界のどこかで核兵器が使用されたら、色々な意味で、本質的に我が国も変わるのだろうな。
それ以外は、まぁ、南海トラフ地震かな、いや、核の方がより上か。
そういや、戦前か、地元に日揮の工場があったよな。
ここからかなり若い娘さん達が、嫁いだとか聞いたな。アフリカも不穏だよね。
天災よりも、そのレベルのことでも起きなければ、ジャニーズ報道のマスコミの現状から変わらないかな。権力の腐敗で済むもんな。李朝末期よりもインカ滅亡に近い気がするな、鬱?、あははは。
ああ、教皇がモンゴルに行ったな。
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読了。難しかったが面白かった。勉強になる。今年6月の発行である。今の状況を見ると、アメリカが本気で勝たせる気がないなら、ゼレンスキーさんは、和平を早めにした方が良いと思った。これだけ頑張ったなら、国を守った英雄と誰もが認めると思う。
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元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏と、外交ジャーナリストで作家の手嶋龍一氏の対談。
流石外交経験や情報リソースが豊富な二人の会話形式の本なので、ウクライナ戦争で、あまり表には出てこない内容が詰まっていると感じた。
第1章 アメリカはウクライナ戦争の"管理人"
第2章 ロシアが侵攻に踏み切った真の理由
第3章 ウクライナという国 ゼレンスキーという人
第4章 プーチン大統領はご乱心なのか
第5章 ロシアが核を使うとき
第6章 ウクライナ戦争と連動する台湾危機
第7章 戦争終結の処方箋 日本のなすべきこと
ロシアの核心は、かつて血を流して獲得したクリミア セバストポリ。ここに手を突っ込むと、ウクライナ各地に核ミサイルを飛ばされるかもしれない。するとNATO軍は報復のためウクライナに越境、戦略核による応酬と言う最悪のシナリオが起こる可能性も出てくる。
アメリカの戦争目的はロシアの弱体化。
日本は官僚的な「法の支配に基づく…」の発言(価値の体系)だけではなく、利益の体系にも軸足を移すべき。
終わりの見えない戦争となっているが、何年続くの?と思ってしまう。勿論ウクライナの心情も分かるが、ウクライナの南東部は、元々ロシア系の人が多く、歴史や文化でも、ウクライナ中西部とは随分違うらしい。
どこかで、お互い妥協するところが必要なのだろう。
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日本のメディアで報じられるウクライナ戦争の進捗やロシア批判の論調だけでは足りない情報や視座を与えてくれる一冊。
ロシアのふるまいは国際法的にも許されるものとは言えないが、
ロシアが国際社会で孤立しているかというとそんなこともない。
そしてウクライナ戦争開始にはアメリカやNATOにも落ち度はあったわけだし、
アメリカとしては戦争が続くことによるメリットも享受している。
ウクライナ、ゼレンスキーにも黒い歴史があり、今にいたっている。
ウクライナの兵器、宇宙産業の存在は一つポイントになる。
プーチンが狂ったかのように日本では報じられるが、基本的にプーチンはプーチンなりの思想でしっかり動いていると思われる。
日本は口ではロシアを避難しつつも、サハリンの液化天然ガスなど、
ロシアにお金は回しており、利益は捨てない動きをしている。
ある意味ロシアとの関係が残っている日本。
なんとなく思っていても事実ベースで理解することが難しい各国の打算や裏を、インテリジェンスの専門家の対話から再確認できる本でした。
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ウクライナ戦争を侵略者ロシアから民主主義を守るウクライナという単純な時点で見る事への警鐘が具体的に書かれた対談本。
ウクライナとロシアとの歴史を遡って今を見れば、今の西側メディアの視野の狭さ、思慮の浅さが絶望的に見える。
この戦争はアメリカがウクライナを使ってロシアを弱体化させるというアメリカによって管理された戦争と言う。
この本の出版当時はその通りであったはずだが、イスラエルでも戦争が起こって、アメリカが今後の明確な戦略を持っているのか疑わしい。
19世紀くらいから続いた西洋普遍主義、戦後のアメリカ一極体制が今まさに変わろうとしていると感じる。
その意味でプーチンの見立ては正しい。
日本がすべき事は国際政治で基軸となる3つ、価値の体系は守りつつ、利益の体系と力の体系を見てしたたかに日本の立場を守る。台湾危機を発生させない事が一番大切。