紙の本
犯罪抑制のために設立されたNPO法人
2023/10/01 11:43
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺したい人が居るが悩んでいる人が相談に来るところです。そこで相談し相談員から計画実現の無謀さを指摘され思いとどまらせる。しかーし、利用者は反対に計画の穴を保全し実行に移します。
自分の思いに囚われて標的の思惑に気が付かないことで思わぬ結果となります。
相談員は本当に相談を受けるだけの謎な存在。けっこう不気味。
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
5つの話、すべてで殺人の動機が弱い。
しかも、自分は捕まりたくないとか。
結末は、あえて全部違うようにしてあるよね。
でも、いまいちかな。
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「犯人だって、好きで犯罪に走ろうとしているわけではありません。必ず迷いがあります。その段階でうちに来てもらえれば、犯罪の発生を未然に防ぐことができます」――そのNPO法人には、罪を犯すか悩む人が相談にやってくる。相談員はそんな犯罪者予備軍たる人々から聞き出した犯行計画の穴を次々と指摘していく。不備を突かれた者たちの殺意は、果たして本懐を遂げるのか。犯罪発生を未然に防ぐ!? 新しい形の倒叙ミステリ短編集!
犯罪計画を立てるのは本当に難しいんだなと思った。ずぶの素人だから安易に考えてしまうが、それを謎の相談員がバッサバサ斬ってくれるかんじでアドバイス。「あなたには殺せない」とばかりに計画の穴を指摘して犯罪を諦めさせる。
でも、それって指摘された穴を埋めれば計画は上手くいくのではないと犯罪予備軍たちは相談員の助言を無視して計画を実行する。ここがすごい。うまくいくかと思ったが、思わぬ反撃を喰らったり、まさかのところから穴が空いたりしてすごかった。
思ったのが、相手に対して「顔に出ている」ところで計画が失敗してるところがある。これって自分はそんなつもりないのに、つい表情に出てしまうところってあるけど、まさにそれ。そこから綻びが生まれる。私には無理だと思った。すぐに顔に出るからなぁ。
相談員さんの指摘をクリアし、顔の表情をクリアすれば完全犯罪を行うことはできるのかな。
2023.11.6 読了
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犯罪を考える人たちの駆け込み寺なNPO法人に相談に来る人達の話。
最初の五線紙上の殺人はビックリした。成功するんかい!
「五線紙上の殺意」
「夫の罪と妻の罪」
「ねじれ位置の殺人」
「かなり具体的な提案」
「完璧な計画」
といっても全部が成功パターンではなく、反対に殺されてしまったり露見しそうになったりもする。
小粒な良作。
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「五線紙上の殺意」「夫の罪と妻の罪」「ねじれの位置の殺人」「かなり具体的な提案」「完璧な計画」5話の連作短編集。石持さんの殺し屋シリーズと同じくらい面白かった!次作にも期待大!
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ホント設定が斬新。
この人の倒叙ミステリーは飽きない。
殺人を企てる人々(犯罪者予備軍)は決行前に、とあるNPO法人を訪れる。
そこの相談員は彼らの話を聞き、犯罪計画の不完全さを次々と指摘する。
「未然防止モノかな」と思っていたら、1話目から意表を突く展開だった。
さすがです。
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「素人が考えたそれなりに説得力のあるトリックの穴を相談員が指摘していく」といったものかと思ったら「殺人に対するリスクとリターンや警察の有能さで説得+ちよっとした捻り」な内容で少しがっかり。
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様々なタイプの「あなたには殺せません」の話し。いや正確には成功例もあるが。この組織の詳細が描かれていないのはアリなのかな?
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犯罪予備軍たちの駆け込み寺。
殺人計画に淡々とダメ出しをする相談員。
設定はシュールで面白いんだけど、いまいち盛り上がりに欠けるかなぁ?
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「五線紙上の殺意」
「夫の罪と妻の罪」
「ねじれの位置の殺人」
「かなり具体的な提案」
「完璧な計画」
五話収録の連作短編集。
ピリリと毒が効いていて面白かった。
殺意を胸に秘めた人々が相談に訪れるNPO法人。
キレ者の相談員が、彼らの殺したい相手や動機、犯行計画に耳を傾けアドバイスを与える。
この相談員がくせ者で強者。
犯罪の発生を未然に防ぐ事を目的にしているのかと思いきや、中々どうして想像の上をいく。
ころころと変化する状況に心拍数を上げながら、犯罪者予備軍に待ち受ける未来を見守った。
なんてこった!なバッドエンドに痺れる。
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殺人予備軍である相談者が足を運ぶNPO法人での、相談員との会話からその犯罪を未然に防ぐ(?)ストーリが展開される傑作短編集。斬新な切り口と、短編には必要不可欠な冒頭からすっと物語に入っていける語り口は相当なもの。どの作品も冒頭から同じような流れで進みながら、終わり方が絶妙に相違するところも流石だ。ただ残念なのは、どの相談者も殺人の動機と執念があまりにも希薄で共感できないところ。ハウダニットの粗を探すミステリーとはいえ、ホワイダニットに手を抜かれては片手落ち感残る。とはいえ面白かったのは事実で、別作品も読みたくなった。
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犯罪に手を染めようと思っている人の相談窓口、自分勝手な行動の結末はいかに #あなたには、殺せません
■あらすじ
「犯罪など起きないほうがよい」
殺人を計画する人の相談窓口には、様々な人がやってくる。自らの殺害計画を相談員に持ち掛けるのだ。相談員は罪を犯してしまわないように折衝するのだが…
■きっと読みたくなるレビュー
ありえない超現実的な世界観にもかかわらず、会話のやりとりがリアルで微妙に事務的。こういう不思議な物語こそ、生の劇場で見てみたい。役者ひとりひとりの芝居に目が離せなくなりそう。
全部で5つの作品からなる短編集ですが、様々な動機や殺害計画があってニヤニヤしちゃう。そして相談員の分析が的確すぎるんですよね。確かに!と思うこともしばしば。結末にも工夫があって最後まで飽きさせません。さすが石持先生、倒叙ミステリの名手だとあらためて感心しました。
〇五線紙上の殺意
二人組ミュージシャンの思惑。
殺害の難しさを提示してくれる一作目、本設定のなるほど感もたっぷり。シンプルながら大好きな結末で、ミステリーはこうじゃなきゃね。
〇夫の罪と妻の罪
不倫が招いた夫婦の不幸。
主人公である妻の人間味と愚かさが良く描けている。完全犯罪の難しさと、自らの罪はどこに帰結するのかを提示してくれる。
〇ねじれの位置の殺人【おススメ】
大学生グループで発生した事故、その後の人間関係のすれ違い。
どんな不幸や許せないことをされても、自分本位の考えは、ろくなことにならないというアンチテーゼ。世にも奇妙な物語で映像化してほしい一作。
〇かなり具体的な提案
英会話教室の仲間の裏切りに対する復讐計画。
どんなに丁寧に計画を立てても、完全犯罪の難しさがヒリヒリと分かる作品。
〇完璧な計画【超おススメ】
大好きな主人公!頭脳明晰で行動力のある女性で、殺害方法やロジックも筋が通っていて素晴らしい。そしてなんといっても結末も秀逸ですね。
■ぜっさん推しポイント
本作の面白味は、相談員のアドバイスがいわゆる人生相談ではないというところ。悩んでいる人の心のケアをするのではなく、計画の無謀さを指摘して諦めさせるというアプローチなんです。相談員にもかかわらず、まるで温かみがないところが最高!
ただ最終話で相談者に告げる最後の一言が重いですよね。我々もたとえ犯罪に手を染めなくとも、日常生活で肝に銘じておくことです。
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パチンコ屋の近くにたまたまある換金所、お風呂屋で偶然恋に落ち肉体関係になってしまう男女、犯罪計画を指摘し未然に防ぐ団体……。
世の中には不思議なことがいっぱいありますね。
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倒叙ものを得意とする石持浅海さんの最新作。殺人を犯したいけど踏ん切りがつかない人たちが相談に向かうNPO法人。そこを舞台にした短編集。石持さんは会話の掛け合いで物語を紡ぐのが大変に上手いのだが本作は理想形かもしれない。ネタバレになるのでいけないが相談しているうちに違う側面が明かされていく過程が非常に愉快でこれも著者らしいブラックな笑いを生み出している。サクサクと読めてパターンも基本同じなのだが結末が違っていてその観点でも感心する。ちなみに殺人の相談であるのが「1」番だが2番以降はあるのだろうか。
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舞台は架空のNPO法人。そこは殺人に手を出そうか迷っている犯罪者予備軍の駆け込み寺。犯行計画を聞いた相談員が次々と穴を指摘していくという形式で徹頭徹尾ハウダニット(と少しホワイダニット)に主眼が置かれた変則的な倒叙ミステリー短編集。倒叙ではあるが、犯行は防がれたのか?それとも実行されたのか?は各話の結末まで分からないドキドキ感もある。あまりにロジカルゆえ犯罪を未然に防ぎたいのか犯行計画をブラッシュアップしているのかよく分からない塩梅も面白い。