紙の本
魅力的な新キャラ登場
2023/10/07 18:50
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投稿者:しゅんじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この厚さでもサクサク読める。サスガ京極堂。前作にはちょっと不満もあったが、今作は”魅力的な謎”、”交錯する人間関係”、”意外な解決”と不満は無い。敢えて言えば、解決編の中禅寺の説明が滑らかすぎて神の視点からのよう。最後の最後に”化け物遣い”との、意外な位置関係が示されたのと、緑川という魅力的な新キャラが登場したんで良し、かなあ。『西遊記』はもうちょっと活用して欲しかったが。
紙の本
風が吹いたらどうなったか
2023/12/15 15:19
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
久々の百鬼夜行シリーズ。とらえどころがないたとえでもある「ヌエ」。過去と現在進行中の謎をそれぞれの登場人物たちがそれぞれ勝手に動き回って探ろうとする。ばらばらの印象があった事象が一つの場所に導かれて、中禅寺夏彦が憑き物落としを行う。
懐かしの登場人物もいれば、あれ? 初見みたいだけど前からいたみたいな感じ? の人物もいて、こちらの思考もかき乱される。
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学生の頃に読んでいた時には分からなかったけど、関口君て意外と賢かったんだな…ってその頃よりは幾許かものを覚えて解るようになった
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CL 2023.10.21-2023.10.26
17年ぶりの百鬼夜行シリーズ。
日光を舞台に、関口と久住の話、益田の話、京極堂の話、木場の話。それぞれの事件がひとつに収斂されていく。
榎木津にもう少し暴れて欲しかった。
京極堂は相変わらず鮮やかだけど出番が少なくて不満。とは言え17年ぶりだというのに皆んなが変わっていなくて楽しく読めた。
マイノリティは同化か排除か二者択一を迫られるというのは今も何も変わっていない。
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2023.10.15 読了。
17年ぶりの新刊、待ちに待ち過ぎて忘れた頃に発売日を知り興奮と動揺を覚えた。
あまりにもドキドキし過ぎて発売日に入手したら何かに負けるような気になり2,3日してから購入。
17年前とは違い、自由になる時間も限られているので即読み始めることも出来ず又徹夜して読み切ることも出来ずに気付けば少しずつ1ヶ月をかけて読み終えた。
今回の話は、タイトルの通り姿形の無い、或いは様々な姿形を寄せ集めたキメラのような構成の話だった。
各章の「蛇・虎・貍・猨・鵺」それぞれに登場人物が居りそれぞれが謎に向かい行動をする。
最初は単独であった各章の登場人物が日光という舞台で段々と交じり謎を共有し又謎を生んでは絡んでゆく。最終的には鵼という姿形の無い化物を例の如く黒衣の男が祓う。
それはこのシリーズのお決まりのお約束だし、読み手としてはその鮮やかな憑き物落としこそを愉しみたくて800頁強の分厚い本を苦労して読むのだが、今回に限っては鮮やかさに欠けた様に思う。
むしろ途中の木場修による陰謀説やスパイ説の推理の方にワクワクしてしまった。
何というか、風呂敷を畳むのに少し端折っているような気が否めない。中禅寺が知り過ぎているし短時間で調べ過ぎている。そもそも仕事をしていたはずなのにいつの間に珠代や寛作を探して話を聞いていたのか?
以前なら登場人物達がそれぞれ京極堂の座敷で出来事を無駄話のように中禅寺に話し、敦子や鳥口辺りが手足となってアレコレ調べたりしていた。
中禅寺は持ち寄られた接点も無さそうな話をこちらの盲点を突くように上手く繋げてくれるのに、そこが描写されていないので憑き物落としが唐突に感じてしまい、肝心要の「鵼」の章だけが微妙にスッキリしなかった。
(しかも調査の仕事に何故付き物落としの黒衣一式を持ってきてるのか…。細かいところが気になってしまった。)
まぁタイトル通り「鵼」なのだから何も無いし何も起きていないのが本当で、これで良いのだとは思うのだがやはりもう少し何かあっても…と思わないでもない。でもやはり鵼だしなぁ…
同シリーズだけでなくここ最近の京極作品に見られる各章の冒頭文が同じ言葉なのは、初期の頃は単に繰り返しているだけな印象だったが、今作では捻りも加わり洗練されていると感じた。
又、文章が頁を跨がないことやきっちり右頁から章が始まる等、紙ベースの本で頁を捲りながら読むのにストレスを感じない作りなのは本の段組までデザインしているだけあって流石。
京極さんのそういう本の体裁に対する拘りは本当に凄いと作品を読む度に思う。
次回作はできれば年数をかけずに出してもらえたらもっと有難い。
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何と17年振り! 待たされたという感覚さえなくなって久しい。失くした当時は何処だ、何処だ? と探しまわったが、それから17年が経ったある日、ひょっこり出てきた探し物、と言えばいいか。まあ、そんな感じ。
「あの男たちが帰って来た」みたいに煽られたら、そりゃ期待もしますがな。しかし・・・。
これはないんじゃないの。こんなに内容がない話を延々と読まされて、最後はそれですか。
ぬえだから、そうなるでしょ、としたり顔で宣う作者が目に浮かぶようだ。
作品的には段々とわるくなっていっている、という意見もあるが、頷けますね。これじゃあね。
余談だが、17年、次作が書けなかった理由も「?」な感じ。水木の作品を纏めていたから(5、6年)、推協の理事をしていたから(5年?)、って計算合わないし、これも3ヶ月で書いたっていってたよね? 7年は3ヶ月よりも短いって初めて知りました。その間、他のはバシバシ書いてたじゃねーか、と正直思いますよね。東日本大震災があったから、って何? 放射線扱ってるから? 出すと売れないかもしれないから???? 今は出していいと判断した理由は? 依頼があった順に仕事している、と過去に言ってたと記憶してるが、17年先の分も依頼があってたの? じゃあ、17年前に予告していた、「依頼があった仕事」は何故先延ばしにしたの?
ま、そんなところです。内容がこれじゃね。言いたくもなるよ。星二つは榎木津に会えたことに。作品的には無星。
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17年間も待ちに待った百鬼夜行シリーズです。京極堂の世界にどっぷりと嵌まり込み堪能出来ました。
木場、榎木津は相変わらずで、関口の影薄い感じも嬉しくなってしまいます。そして、やはり京極堂が話し始めると、どんな話をしてくれるのかワクワクしてきますね。
今回は、中心となる存在は認知され周辺の事件と薄く繋がるが、実体は不明という鵺のような事件を中心に話しが進みます。各部位毎の登場人物が関係する事件を追うと朧げながら全体像が浮かんできますが、その実体は良く分からない。京極堂がいつものように膨大な言葉の数で確り収めてくれます。これぞ京極堂。
ただ、今回は憑物落より事件解決に寄ってたかな。「絡新婦の理」のように夫々の人物と相対して憑物を落としていく姿も見たかったです。
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いつもの面子がそれぞれ厄介な物事を抱えて、それがどこかしら関連していて、一堂が事件のキーになる場所に集まり、陰陽師に憑き物落としされるという、いつもの流れでしたがこれが読みたかったのよと読みながらニヤニヤしていました。
相変わらずゴツいなりして結構繊細な気遣いをする木場、言動が表面上出鱈目な榎木津を見てほっこりしたり、珍しく関口がよく喋ったり(後で中禅寺に嗜められるまでがセット)、陰謀論を信じる心性やら多様性の在り方といった現代の問題にも切り込みを入れるのも恒例。
事件らしい事件は全て過去の出来事で、現在はそれを追う(人を追う)みたいな地味な展開なのに事件同士が結びつく様や全体像が見えてくると「なるほど、だから鵼なのか」と納得できるのもこのシリーズならではだと思います。
シリーズ初心者には辛いかもですがファンなら間違いないです作品です。
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まとまった時間が取れたので一気読み。
登場人物それぞれの視点で区切られていたけど、読み出したら止まりませんでした。
登場人物が以前にも増して多く、複雑に絡み合っていたので話を掴みながら進めるのにはなかなか苦労したけど、題材が自分好みだったので楽しめた作品でした。
でもなんだか物足りない…やっぱり京極堂と榎木津にもっと活躍してほしいー!!
そして作品にも書いていたけど、本当に「何も起きない」物語。
再読するかどうか…
次作に期待!
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読み終わってしまった。またみんな(登場人物たち)に会えてうれしいが読み終わってしまって寂しい。次回作も楽しみに待つ。
シリーズを重ねてきて、京極堂の影響でいつメンたちがだんだんと「情報の整理整頓」「公平性」が板についてきていて笑った。(微笑ましいという意味で)
成長を感じる。
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待ちに待った百鬼夜行シリーズの最新刊
登場人物が多すぎて最後は何が何だかよくわからなくなった。
シリーズの主要人物は大体出てきて
いつも通りの個性を発揮してたので
最後まで飽きることなく楽しめた。
ただ…
京極堂の憑き物落としの場面
京極堂の登場の仕方が唐突過ぎるような気がした。
もう一回読まないとよくわからないかな
印象に残ったところ
京極堂の話
「真面目に生きている民草が飢えるなら、それは国政の力が及ばないか間違っていると云うことなんですから、これは明らかに政治の責任でしょう。貧しき者虐げられし者は声を上げようと云うことになる。しかしそうした善人は、自分は貧しき者虐げられし者ではない、と考えてしまうんですよ」
「上ばかり見て不平不満を述べるだけと云うのも困りものですが、下ばかり見て堪えようとし続けるのも間違っているでしょう。他者と較べることに意味はありませんからね。周りを見て自分を上げたり下げたりしているだけで、本来的な充足と云う点には目が行っていない」
郷島の言葉
「無駄の積み重ねが仕事だよ」
ハッとした
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17年ぶり…!感慨深くてしみじみゆっくり読んだ。
掴みどころがないのに終盤に向けてまとまっていく不思議さは流石だった。
久々の面子も色褪せてなくて、やっぱりシリーズ一巻から読み直そうと思うほどに魅力的。
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安さに惹かれて新書版を買う。
まずは
重い
縦横厚みの比率がおかしい
手が疲れる
読みにくい。
当たり前だが時代は前作と同じはずだけど、臭ってくるような戦後の臭いが薄まった感じがした。
でも色味はグレー、茶色、血糊の色のグラデーションは変わっていない。
榎木津の登場でいきなり極彩色。明るい。ホッとする。
いつものメンバーの安定した関係性。
久しぶりで楽しかったが、いつもの京極堂ワールドには少しもの足りない。
自作期待します。
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期待値が高すぎたのだろう。
なんせ百鬼夜行シリーズだし。
久しぶりの京極堂の世界はとても好きだけど、いかんせんストーリー展開に惹かれるところがなかった。
それでもやはり次作を楽しみにしています。
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非常によかった。
龍典さん。
僕はようやく自分にとっての本当に必要な1冊を見つけたような気がします。