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紙の本
100歳の佐藤愛子さん、なんともめでたい
2024/01/04 17:12
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
書籍の広告でよく目にするのが、読者からの寸評だ。広告だから、ほとんどその作品がどれだけよかったか、読んで感動したといったものが多い。
2023年の秋に刊行された、百歳になる作家佐藤愛子さんのエッセイ集『思い出の屑籠』の広告に載った読者からの寸評が、この作品を的確に捉えていた。
「何が、屑かごですか。宝かごですよ。」
これを書いた読者が99歳というのにも驚いたが。
映画評論家の川本三郎さんはかつてこんなことを書いていた。
「思い出は老いの身の宝物である」と。
それは、佐藤さんのエッセイを読んでいても感じる。
このエッセイで綴られているのは、佐藤さんの幼少期から小学校時代まで過ごした甲子園近くの現在の西宮市での思い出である。
愛子さんの父親は作家佐藤紅緑で、兄は詩人のサトウハチローは有名だが、このエッセイでは愛子さんを溺愛する父親の様子や好きだった兄のこと、そして母やお手伝いさんたちの様子も楽しく描かれている。
そう、このエッセイに書かれていることは、実に楽しいのだ。
思い出が宝物なのは、その人にとってのことだが、それがあまりに素晴らしいと読んでいる読者にもそれが伝わってくるのだ。
そういえば、その広告にこんなものもあった。
「共感しながら、子供の頃を思い出しながら、涙しながら。」
この読者は67歳の人でした。
きっと誰にもある「思い出の宝かご」をひっくり返すお手伝いをされたのですね、佐藤さんのこの本は。
紙の本
著者の屑籠には、まだまだたくさんの思い出が眠っていることだろう
2023/12/14 10:45
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちかしちか - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐藤愛子が自身の幼少期を回顧する。
エピソードの面白さ・興味深さはもちろんのこと、著者の衰えていない記憶力と筆致に驚嘆する。
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