紙の本
捲土重来
2024/01/06 07:43
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
無為な時間を過ごすフリーターの青年が、アクシデントから出会った視覚障碍者の女性の頼みで、ブラインドマラソンの伴走に挑む青春小説。
無知が故に犯罪に巻き込まれたり、事故で障碍を負ったり、夢が夢を壊したり――。どうにもならない事も、手を取り合いひたすら前進する事で乗り越えていく、不器用な捲土重来物語。
聞こえの良い言葉で爽やかに進むかと思ったが、意外なまでにシビアな現実も描かれていて良かった。わかり易い困難だけでなく、目に見えない問題を抱えた人への理解が深まる作品。
テーマが重く、キャラも濃い所為か、フラストレーションが溜まるシーンも多々あったが、共に駆け抜ける爽快感を味わえた。
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Amazonの紹介より
漫然と過ごすフリーターの亮磨。
バイトからの帰り道、視覚障害者の女性にぶつかり転倒させてしまう。
気が動転して無言で立ち去りかけたが、罪悪感から第三者を装って助けに戻る。
その場で、ブラインドマラソンの伴走者に誘われてしまい――。
爽やかな風が吹き抜ける青春小説!
第24回島清恋愛文学賞受賞作。
平坦ではない道を歩んできた3人の走者。協力し合ってゴールを目指していく描写は勇気を与えてくれました。マラソンのシーンは、躍動感があって、手に汗握りました。
てっきり、本番のマラソンや練習している様子を描いているかと思いきや、その部分は控えめに、それぞれの心理描写を中心にしています。
自分は本当にバディと組んでいいのか?
マラソンをやっていていいのか?
といった具合に、心のモヤモヤを重視して表現されているので、個人的にちょっと意表を突かれました。もう少し練習シーンやマラソンの本番をじっくり味わいたかったなと思いました。
展開としてはトントン拍子で、ちょっと無理矢理感はあるように感じましたが、それぞれの心の葛藤がじっくりと描かれていたので、全体として、物語に浸れたなと思いました。
その背景にあるそれぞれの苦悩も、胸が痛かったです。
高い目標だろうとも、一歩踏み出す気持ちが大切であり、その姿はかっこいいなと思いました。
ラストは、「春」を感じさせてくれるような恋愛模様や手に汗握るマラソン大会は、圧巻でした。読んでいるこちらまで、爽やかな気持ちにさせてくれました。
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42195キロを走るのは並大抵じゃないのに、目が見えないで、よくぞよくぞだよ。走るサチの心の中は描かれていないが本当に凄いって事。あの場面で自分がついた嘘の告白とそうじゃない私もだよ、亮磨を選んで私は間違ってなかったと叫ぶサチ 甲子園の園芸にブラインドに主役ではないけど無くてはならない重要な役割にスポットを当てるの凄くて、世の中の風潮も盛り込んで、単なる誰と誰が付き合うとか成功したとか浅い話じゃない朝倉さん素敵だな
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最後のマラソン大会のシーンは、こっちも隣で走っているかのような緊迫感がありました。
みんな何かを抱えている中で、どう生きていくかを考えさせられました。
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視覚障害者マラソンの伴走を通じて主人公が成長するストーリー。
登場人物は皆何かしら過去を引き摺って生きており、乗り越える様に目頭が熱くなる。
とても面白かった。
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マラソン大会前にモチベーションを上げるために読んだ本。
視覚障害者の伴奏ランナーに挑戦する主人公。
過去に犯罪を犯し家族とも疎遠の中、ひょんなことからさちと出会う。
マラソン大会での最後の場面は、鳥肌が立った良いシーンであったな。
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「あめつちのうた」「サクラの守る街」
の印象から、これもまた熱い青春小説だという
【思い込み】で楽しみに読み始めると、
ドロドロが止まらない…
バイト先の「底辺」が重く、さちの眩しさ。
眩しさに導かれて浮上していく亮磨。
怪しさ満点のバイト先と店長のこともいつしか、見方が変わってくる。
青少年の成長、視覚障害者のブラインドマラソンの伴走、愛のアスペルガー、恋愛、過去の事件を乗り越える。
盛りだくさん。
中でもハッとしたのは、
目次の色使い。
どういった配色なのか途中から気になって
早く先を読みたくなりました。