紙の本
待望の続編
2024/03/26 18:52
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投稿者:はるちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
こちらは2024年1冊目の読了本でした。
久しぶりに霜介と出会えました。水墨画の奥深さ。霜介が師匠・湖山に出会えてよかった。涙
霜介が小学校で水墨画教室の先生として指導する姿に魅了された。
エンドロールも素晴らしい!2024年の1作品目がこの作品でよかった。表紙も素敵。
紙の本
表現力の豊かさ
2024/01/11 14:26
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
水墨画のことは全く分からないけれど、その魅力を文章にして伝えられるってスゴイ。
子供がそんな夢中になる?とかは思うけど、そういう部分を差し引いても、
素晴らしい文章力。
電子書籍
これぞ水墨画の原点
2024/01/13 22:46
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投稿者:future4227 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『線は、僕を描く』の続編。主人公の青山君(もはや横浜流星で脳内再生)は相変わらずネガティブ思考で、過去の不幸な境遇から立ち直れないままでいる。その上、様々なアクシデントに見舞われ、まさに身も心もボロボロ。そんな彼を温かく支えてくれる周囲の人たち。水墨絵を描くときの筆遣い、墨汁、紙質、筆の毛先まで細部にわたり描きこまれているため、やや冗長すぎるきらいがあるが、そのおかげでどんな絵を描いているのか映像としてイメージできる。果たしてイメージ通りの絵なのか答え合わせをしたいので、これも映画化を期待したい。
電子書籍
2年後
2024/01/25 13:16
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
2年後の青山霜介です。ライバル千瑛との、あの展覧会、湖山賞以後の青山の物語。てっきり、青山は、進路は決めてるのかと思いきや、迷っていたんですね。そして、師が…という展開です。文章が読みやすいので一気読み。
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『線は、僕を描く』の続編と聞いて、楽しみに読んだ。
水墨画を描く過程や、山の中で青山くんが感じる自然の美しさは、文章だけでも感動させられるが、実際の水墨画を見てみたいと思った。
先代から自分の代に受け渡されるもの、次の世代である子どもたちから伝わってくるもの。世代を超えて、線は続いていくという本書の大きなテーマと、ラストの湖山先生の言葉に胸が熱くなる。
挫折と鬱屈と気づきと希望、人生の妙をぎゅっと凝縮したような、分厚くて濃い、読み応えのある一冊だった。
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『線は、僕を描く』の続編です。
両親を交通事故で亡くし、喪失感に埋もれていた大学生の青山霜介が水墨画と出会い、その世界に魅了され、救われていった前作から2年後…大学3年生となった霜介は、「水墨画界の若き至宝」として活躍する千瑛を横目に、卒業後の進路も定まらず水墨画でも伸び悩み、焦りを募らせていた…。
前作でも感心しましたが、水墨画を描くシーンの描写が本当に素晴らしいんです。筆の動きや紙面の状態だけでなく、筆や墨の緻密な描写やその筆の動きに対する動機、描いている霜介の心理状態などなど、非常に雄弁に饒舌なほど語られています。それなのにとても静謐な雰囲気を湛えているんですよね。
おそらく書道とかもそうだろうと思うのですが、水墨画を描くことって無心となって自分自身と深く向き合うことなんでしょうね。
水墨画という芸術小説としても、生きる道を葛藤しながら模索する青春小説としてもよかったです。
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砥上さんの3作目で、デビュー作の『線は、僕を描く』の続篇である。『線は──』は漫画化・映画化もされ、ブクログでの登録数は1万を超えるほどの人気作だ。その続篇を書くのは、まだキャリアの浅い作家には相当なプレッシャーがかかったのではないかと危惧したが、そんな心配を一蹴する会心の作品だった。
前作の2年後からスタートする物語は、最初から波乱含みだ。霜介は水墨画家として湖山門下に入ったものの鳴かず飛ばずで、大学卒業後の進路も決められずにいる。兄弟子たちは足並みが揃わず、社中展での揮毫会で霜介は大きな失敗をしてしまう……。
どうしてこんなにと思うほど霜介は疲れ切っている。彼の生真面目さがその主な理由だが、この後に起きる様々な出来事が彼を少しずつ成長させていく。未だ墓参りにも行けていなかった両親への思慕にも折り合いをつける。この喪失からの再生が前作以上に強く胸を打つ。
そして水墨画の描写が素晴らしい。ただ技法や表現を描写するのではなく、その奥になにが込められているのかにまで踏み込んで書かれている。作家の精神性をここまで赤裸々に描いた作品には出会ったことがない(多分)。ご自身が水墨画家でもあることの利点を最大限活かしきったゆえだろう。なおかつ、3作目とは思えないほど文章がうまい。1作目でもその力量に唸ったが、長足の進歩を遂げていると思った。
前作を読んだ方はもちろん、未読の方にもぜひ読んでいただきたい傑作である。
※刊行日2023/12/11、NetGalleyにて読了。
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「線は、僕を描く」の続編。
前作以上に心が揺さぶられ、途中で何度も涙が流れた。自宅で読んでてよかった。
森羅万象。水墨画を通して大切なものは何かを気付かされた気分。
自分がいいと思ったものを信じること、自分が生きるその先を思い行動すること。
静かに進んでいく物語の中に強いメッセージが込められていて、この先も大事にしていきたい言葉にたくさん出合えた。
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前作に続き、とても繊細で優しく、芸術の核の部分に触れるような体験ができ、楽しく読んだ。人を育て、同時に育てられるということも描かれていた。
ただ、水墨画を書いている様子や、気持ちが少しずつ変化していく描写が、私にははっきり理解できないところがあり、実際どんなことを言っているんだろうと、細かく理解したいのにわからないのがもどかしくなった。
作中で描かれている絵を頭の中で想像してみる。全く絵心のない私でも描写に少しは描けるのだが、実際の水墨画を見てみたいなと思ったので、やはり、前作の映画を観てみようかと考え直した。
キャストが自分の中の想像とかなりズレているので、大好きな本での世界が壊れてしまいそうで観るのが少し怖い。私の中では、なぜか西濱湖峰は芸人のバイキングの西村さん、篠田千瑛は茅島みずきさんが、前作から棲みついてしまっている。主人公の友達の古前巧役の役者さんの細田佳央太さんだけはイメージそのものだった。
湖山先生の存在が、今作では際立っていた。その大きさが、全体を包み込んでくれている。主人公の習作に、湖山先生が表題をつけていたシーンは痺れた。
前作に引き続き、この本を読んでいると、心穏やかで、優しい人間になりたいと強く欲するようになる。直ぐその気持ちを忘れるので、毎日読んでおきたいくらいだ。絶望や悩みに打ちひしがれ、抜け出せないような気になっても、この主人公は、周りの人々の言動を見て、素直に学び取り、度胸や強さ、そして大らかさを手に入れて行く。物語なので、上手くいきすぎている感はあるけれど、それでも、ぎっしりとなぞるように描かれた描写で、その成長や心の動きが、読者にも丁寧に追えるようになっている。
心に留めておきたいキーワードは、心の内側の余白、広さ。気韻生動。(ここでは生き生きとした線を引くことや絵を楽しむこと)
今作も映画化して欲しい気持ちもある。キャストも監督も一新させて、新しいものを作るのも面白いかもしれないな、なんて思う。
特に心に響いたところ
○心を重ねられるものは別に、完成されたものじゃなくてもいい…気がするんだよ
○長時間の訓練、精密で複雑な動作、自分の内側の動きを無視した努力を続けても、どこかで行き詰まってしまうのだろう。そもそも自らの中の『伸びしろ』を『伸ばしきってしまった』後にはどれだけ叩いても伸びることはない。ただ自分を痛め、歪な形に変えてしまうだけだ。重要なのは『伸びしろ』そのものを伸ばすことだ。心の内側に余白が必要なのだ。
○運び続け、与え続け、分かち合いなさい。優しい言葉、たった1度の微笑み、穏やかな沈黙。誰かを見守ること。心を使い、喜びを感じ、分け合うこと。同じ時を過ごしているのといると認めること。(湖山先生の言葉)
○見つめているのが、苦しくなるほど美しかった。(略)何の衒い(てらい)もない。僕が到達したいと思っていた線のさらに数歩先を行っているかもしれない。
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『線は、僕を描く』の続編。
親が事故で亡くなった。パーフェクトに立ち直ることができたわけじゃない。簡単に未来に向き合えるわけじゃない。大切な人を失って打ち込めるものを見つけてそれから、の物語。
ビギナーズラック(だったのかもしれない)って怖いな、と思わされつつ頑張っている霜介を見守る気持ちで読みました。
読み終わってみて水墨画を観に行きたくなりましたし、霜介のさらにこれからも読みたくなりました。
#一線の湖 #NetGalleyJP
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文章で描く絵が見える。
水墨画だけでなく、さまざまな言葉に励まされる作品。
心に残った言葉たち↓
『誰かにダメって言われても、自分が素敵だと思ったものを信じなさい。そこにあなたの宝物が見つかるから。あなたにしか見えない宝物がこの世界にはたくさんあるから』
『想いを伝えられるとき、伝えなければ、その機会は永遠に失われてしまう。失われてしまった後、どんなに呼びかけてもそれは二度と帰ってこない』
『整ったものだけが美しいわけじゃない。心を重ねられるものは別に、完成されものじゃなくてもいい』
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前作を読んでからだいぶ経つので、何となくの人間関係把握のまま読み進める
大きな失敗からの飛躍、心の動きが丁寧にえがかれていて何度もうるっときてしまった
悲しみを乗り越えたり進路が決まったり、大きく変化した霜介…湖山先生やまわりの人たちが導いてくれてよかった
どんな絵なんだろう?と思うこと多々なので挿絵がもっとあると嬉しいな
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読みたいけど読みたく無かった。
この物語にいつまでも浸っていたかった。
前作に続き今回もよかったです。
子供たちとの触れ合いのシーンも良くて、私も元気をもらえました。
また風景描写をここまで素敵に文章で表現できるところは毎回感動させられます。
うるっとした場面はいくつもありましたが、最後の作品の題名を見た時は思わず泣いてしまいました。
今作は湖山先生の人柄がより伝わってきて、多くを語らず静かに見守る姿勢や心の広さなど見習いたいと思うところが沢山ありました。
登場人物たちの成長や苦節がとても感じられる一冊です。この作品に出会えて良かったです。前作同様、時間を置いてまた読み直します。
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砥上さんのパワーアップした表現力に圧倒される1冊だった。感動して、何度も涙が頬をつたった。みずほちゃんやさまざまな出会いを通して、亡くなったお母さんと対話し、つらい思いから浄化されていく。そして描けない自分と向き合い乗り越えていく成長の物語。最後の揮毫会。全ての想いがそこに詰まっている。
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#読書記録 2023.12
#一線の湖
#砥上裕將
翠山賞を取って2年。自分の将来、自分の水墨画を見失った霜介が、次の一歩を踏み出すまでの物語。
母の足跡がきっかけとなる前半のラストでは涙腺が決壊した。後半は展開される水墨画の世界観が圧巻。読み手の頭の中に湖や山、花々や翡翠を現出させる。水墨画家でもある作者の真骨頂と言えるだろう。2023年読書納めに相応しい一冊。
#読書好きな人と繋がりたい
#読了