紙の本
抽象的な内容で、安易な理解は難しいです。
2024/02/13 20:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は昭和時代にミリオンセラーを輩出したバンドの一員で、精神科医です。その著者が、「むなしさ」とは何かについて持論を説いた1冊です。
著者は様々な物語や絵画を引き合いに出し、「むなしさ」について追求しています。しかし、あまりにも抽象的に著されているため、当書の良さは1回読んだだけでは安易に理解できません。何度も読む必要がある書籍です。
文中の文字間隔が広く、私服も薄いので是非、読むのをチャレンジしてみてください。
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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01426311
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人間は生まれて生きていく過程で、常に心のどこかに「むなしさ」という心の影が佇み居座る。それを自覚するかどうか、ないものとして扱うかどうかは、個人の洗濯。じっとその存在に耐え、味わう。「沼」に留まることによって、創造が生まれる。そのために白黒でない中間領域を抱える心の器を持ちたい。そのために日々精進していきたい。
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読んだあとどっとむなしさに襲われた。
柔らかい文体でむなしさを感じる自分を愛してほしいと繰り返し言われているようで、感じたくないと抑圧していたむなしさが、受け止めてほしいと湧き出てきたのだと思う。
漢字の成り立ちや、読み方が同じものの共通点とか、興味があるようで知る機会がなかったから読んでいて面白かった。
現代はむなしさを紛らわすもので溢れていて、いくらでも誤魔化せるけれど、人生の間の中で感じているむなしさはただ感じてあげることが必要だと思った。
人は本音と建前、表と裏、きれいごとと汚いこととあって、受け止めて愛すには、まず自分の心にどろどろとした沼があることを否定したくない。
その沼は完全に浄化されることはないから、癒されることに躍起にならなくてもいいと思い直した。あと、行動に移さなければ脳内では何を思ってもいい。
泥中でうまれるもの、咲くものがある。馴染むまで己の泥にとことん付き合っていきたいです。
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我々はむなしさから逃れることはできない。だから、むなしさを抱え、味わうことが大事。
北山先生の仰っていることはわからなくはないが、むなしさを味わえるようになるのは簡単なことではないと思われる。どうやったら味わえるようになるのか、今のところ、自分の中に答えは見いだせていない。
また、読後の印象として、スッキリしない、けむに巻かれたかのような感覚を持った。
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【目次】
序章「むなしさ」という感覚
第1章「喪失」を喪失した時代に
第2章「むなしさ」はどこからー心の発達からみる
第3章「間」は簡単には埋まらないー幻滅という体験
第4章「むなしさ」はすまないー白黒思考と「心の沼」
第5章「むなしさ」を味わう
おわりにー悲しみは言葉にならない
あとがき
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書店の書評コーナーにて。
「むなしさ」は「す(澄)まない」。
心の隙間、穴に「むなしさ」が入り込んだ時、私たちは急いで埋めようとする。現代は「間」に耐えられない仕組みになっている。容易に「間」が「魔」になる時代。
むなしさは、すまないものだとあきらめて、心の底に住まわせる。むなしさを、時間をかけて醸成し、味わう。
結論を急がない。「間」に耐えてこそ生まれる創造物もある。
心の穴を、埋めないまま「間」として、時間をかけて向き合ってみることを意識したいと思えた一冊。
こんなに真面目な心理学の新書なのに、著者はなんと、おらはしんじまっただぁ〜♪で有名なフォーク・クルセダーズのきたやまおさむさん。
さすがは精神科の医師、言葉を大切に使われている印象。ワードセンスに惹かれた。
喪失は移行対象をみつけ、時間をかけて移行していくことでうまくこなすことができる
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普段感じている「むなしさ」の原因を「間」や「心の沼」という著者の用語で解説してくれていて、なるほどと思いながら読んだ。「むなしさ」はなくならないから無理に埋め合わせようとせず付き合っていくことが大事とのこと。ただ、「むなしさ」と「間」は関係がわかったが、これら2つと「心の沼」の関連がいまいち読み取れなかった。「心の沼」ははっきりしない未処理のものがあるという説明だったが、未処理のものがある状態と「間」の関係をどう考えたらいいのか。
日本語の表現や成り立ちと関連させて論じている部分が多くあり、興味深かった。
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忙しすぎる現代では「むなしさ」を感じる間もなく、「むなしさ」を悪いものとして捉えるが、「むなしさ」の効用を氏の専門である、精神分析学と、日本語臨床で解き明かす詩的な書であった。ネガティブ・ケイパビリティに通じる考察であったが、この件については全く触れられていなかった。ただ通底として流れているテーマは氏の友人である加藤和彦氏の事であり、解決できない「むなしさ」に向き合うことであった。
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どうして読もうと思ったのか思い出せないですが、ほぼ毎日コツコツ読んで読み終えました。
自分が立ち止まってしまった根本が見えてきました。
そして自分を客観視することは、自分を見失わないためにも必要だということを改めて考えさせられました。
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フォーク・クルセダーズのメンバーでありながら、精神科医で白鴎大学の学長でもある著者が、むなしさについて、さまざまな角度から論じている。
加藤和彦氏の自死を止められなかった後悔やむなしさから、この本が書かれたのではと推察する。
その気持ちを普遍的なものへと昇華し、むなしさを感じている全ての人に、それで良いんだよと優しく寄り添ってくれている本となっている。
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むなしさは外的にも内的にも起きることだと改めて分かりました。裏切られたいときのむなしさやせつなさが嫌だから、私は最初から期待をしてないのかもしれないなぁと思いました。はっきりした感情ではないと読んで思ったので、ゆっくりと、時にはスペースにそっと置いておきながら向き合っていきたいです。
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むなしさを感じた時、私たちはそれを解決しようとしてしまうけど、そうではなくむなしさがあることを認めた上で生きていこうという話。解決しようとするから苦しくなる。むなしさはあって当たり前で共に生きていくものだと諦めると少し気持ちが楽になる。
おわりに 199p〜200pにかけてが響きました。
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空しさに深く悩まされていた自分が救われるかと思い読んでみましたがよけいに泥沼にハマりました。坂崎さんと歌っている北山さんは楽しそうだけど本の内容はかなりきつかった。
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日々の中に感じる「むなしさ」についてかつてミュージシャンであり、精神科医でもある著者がその構造について思うところを記している。
元ミュージシャンという事もあり、華やかな芸能生活を送る人がその舞台を降りているときは全く特別でない日常を過ごしていたり、むしろ苦しい生活をしている事が大半でその非日常な舞台上の経験があるだけに虚しさに苦しむというのは新しい見方で良かった。
しかしながら肝心の虚しさの構造の説明については、ちょっと言葉遊びが多すぎて辟易してしまった。
日本語の同音異義語に拘泥して、現実はホントにそうなのか?と思う事が多かった。
精神医学の基礎としてはフロイト理論に根差しており、ちょっと珍しいかなと感じた。