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【〈本の達人〉が贈る名探偵シリーズ第4弾!】〈アイ・ラブ・ユー〉を〈月が綺麗ですね〉と漱石が訳したとされる伝説はいかに生まれたのか? 国語教師のお父さんの推理が冴える!
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夏目漱石は「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳してはいない?
松本清張の代表作「点と線」のトリックにまつわる後悔とは?
お父さん(つまり著者の北村薫氏)の博識ぶりに毎度驚かされます。
様々な史料が最後にまとまるのが気持ちいい!
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大好きな北村薫さんの「中野のお父さん」第4段。
今回も大変興味深く、愉しく読ませていただきました。
名だたる文豪にまつわる謎を当時の近しい方々の記述や落語などから読み解いていく過程も愉しく、くすりと楽しいやりとりもあったりで、何度も読み返しながらまた古書の深みにハマりたいです。
文中の耳納連山の天然玉露茶もいただいてみたいですね〜
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【収録作品】漱石と月/清張と手おくれ/「白浪看板」と語り/煙草入れと万葉集/芥川と最初の本
文芸ミステリ。シリーズ第4作。
「漱石と月」 夏目漱石が、英語の〈アイ・ラブ・ユー〉を〈月が綺麗ですね〉と訳したという、根拠のない伝説を検証する。
「清張と手おくれ」 松本清張『点と線』のネタバレありとの注意書きがある。時刻表トリックの不自然さを面と向かって指摘したのは誰か。
「『白浪看板』と語り」 三遊亭圓生の語る池波正太郎原作の「白浪看板」にある原作との違いにまつわる話。
ここに出てくる語り手の北原久仁香さんとの対談がこちら
→https://books.bunshun.jp/articles/-/8409
「煙草入れと万葉集」 落語の『居残佐平次』の噺に出てくる「十二煙草入れ」とは何か。また、「万葉集」の読み方が変わった経緯についての話。
「芥川と最初の本」 芥川龍之介と夏目漱石、そして芥川龍之介と正岡容の話。『羅生門』の、漱石本にあやかって作られたところのうち、一目瞭然の箇所はどこか。
作者が「お父さん」として、大好きなことをうれしそうに語っている姿が目に浮かび、読んでいて楽しくなる。そして、読みたい本、聞きたい噺などがまた増える……
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北村薫先生の著書は、物によっては文学に精通していないと全く理解できないものもあり、注意が必要ですが、このシリーズは私の様な文学にそこまで深い知識のないものでも比較的楽しく読めるシリーズです。
巻末、ビックリした!!
自宅近くの美術館所蔵!
ぜひ行ってみたい。
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中野のお父さんシリーズ、今回はコロナ禍がようやく収まりつつある頃の設定。お父さんの蘊蓄にひたすら感動する。編集者の娘・美希と担当作家や同僚などなど、毎回安心のシリーズだ。
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文学の謎を読み解くシリーズ、娘の美希と父の会話がテンポ良くて読みやすいです。
お気に入りは「漱石と月」
有名なフレーズが実は漱石はそう訳してない?フレーズだけが一人歩きしているのは知らなかったです…
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老舗出版社「文宝出版(ぶんぽうしゅっぱん)」で編集者を務める、田川美希(たがわ みき)と、中野の実家に住む、高校教師のお父さんのシリーズ、第4弾。
前作あたりから、軽やかな謎解きではなく、本の名前や作者の名前、落語の話や落語家の名前が芋蔓式に出てくるうんちく語りが長くなって、頭が追いつかない。
美希もだいぶベテラン編集者の部類に入ってきたようで、後輩の新人・柴田李花(しばた りか)が新しく登場。
今回、うんちくの語り手は増えて、大作家の村山富美男(むらやま ふみお)先生と、『小説文宝』に登場する作家中最年長の原島博(はらしま ひろし)先生も加わり、お父さんと三つ巴のうんちく合戦となった。
美希や李花たち編集者は、先生たちの「講義」に真剣に耳を傾け、落語の会や文学館にお付き合いし、と毎日が勉強の日々。大変だなあ・・・でも、本人たちは意欲に燃えているのであろう。
今回は、世代の違いによる、常識や認識のズレが全体のテーマになっている気がする。
消えていく文化を惜しむ気持ちは自分にもあるが、次々と新しいものが出てくるから、世の中の情報は溢れっぱなしである。
残念ではあるが、断捨離・・・いや、自然淘汰されていくのだろう。
面白いと思ったのが、正岡容(まさおか いるる)という人が書いた『江戸再来記(黄表紙)』という作品。
大正12年の発表だが、世の中全てが江戸趣味になり、現代的な物が「古くさい」と言われてしまう、SFみたいな設定。原島先生の例え話は、今で言えば、スマホを使う人がいなくなって、巻き紙の手紙でやり取りすることが流行するようなもの、という。この作品は、芥川龍之介も面白がったようだ。
読んでみたいけれど、青空文庫に正岡容の作品はたくさん収録されているものの『江戸再来記』は載っていない。
『漱石と月』
I love youを「月が綺麗ですね」と訳したのは漱石なのか?
『清張と手おくれ』
「点と線」、マニアに叩かれる
『「白波看板」と語り』
その時代になかった単語を使うこと
『煙草入れと万葉集』
名前が載っているが実態が分からない故の誤解
『芥川と最初の本』
夏目先生をリスペクトした芥川龍之介が、最初の本であやかったこととは・・・
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博覧強記な作者による、博覧強記な高校の国語教師が文芸書編集者の娘が持ち帰る文学史上の謎をたちどころに解いてみせるシリーズ。
今作は(も?)老作家二人が持ち寄る疑問に挑む。
取り上げられる謎はとてもマニアックで、古典落語に出てくる十二煙草入れが折り紙だったと知っても何の役にも立たないのだが、なんとなくへぇと思ってしまう。
知識の開陳が嫌味なく、押し付けがましくないのは、文体か、作者の人徳か。
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最近、「ミチクサ先生」を読んだばかりだったので、
出てくる文豪たちに親近感。
またお会いしましたねもいう気持ちで読む。
特に、こんなに菅虎雄の名前をこんなにお見かけするとは。
大学時代以来かも。
新人さんとの仲も微笑ましい。
こんな風に下の子の面倒を見るって、
実は難しいんだよねぇ。
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誰もが知っている有名作品から知る人ぞ知るの作品まで、ありとあらゆる文学を巡る謎を解き明かすシリーズ。正直言うと知らないものの方が多いのですが、それでも充分に楽しめます。読み終えると、賢くなったような気がするかも。
お気に入りは「清張と手おくれ」。松本清張「点と線」を巡る問題についてはネタバレになっているのですが。あまりに有名なだけに、読んでいなくてもだいたいのことは知っているので気にせずに読みました。和田誠さんに関する話が面白くて、しかし「快盗ルビイ・マーチンスン」が和田誠さんによって映像化されていただなんて知らなかったよー!
「漱石と月」も勉強になりました。そうか、あれは伝説だったのか。どっかで聞いたことがあって、事実だと思っていました。
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北村薫ワールド全開!
半分も理解できなかったが、満喫。
それにしても、早稲田大学の体育会バスケ部を卒業し、老舗の出版社へ編集者として就職し、人間関係に何ら問題もなく仕事をこなし、実家には愛情溢れた両親がいて、手作りの料理と温かいもてなし、そして日本文学に造詣の深い優しい父と語り合う″才媛″、この世にいるのだろうか…羨ましすぎる!
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書痴というと本に夢中で世の中に疎い人との意味もある。ところがどうして、世事に精通していればこそ愉しみは広がると証明しているのが中野のお父さんだ。
今回は作家先生からのお題もある。おじさまたちの蘊蓄合戦も、好敵手が見つかって楽しんでいるように見えるので嫌味はない。
それにしても、これほど多方面から作品を味わえればさぞ面白いに違いない。読んだ片っ端から忘れてしまう私には、夢のまた夢の話である。
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名だたる文豪たちの名作の謎を解く。
今回は、5つの謎。
「漱石と月」
「清張と手おくれ」
「白浪看板と語り」
「煙草入れと万葉集」
「芥川と最初の本」
流れるような雰囲気が好きで、漱石と月がいいなと感じた。
後半につれ落語もある程度知らないと解釈に困るなぁ…と。
だが何よりお父さんの話がいい。
だからこその中野のお父さんだろうが。