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【日本初のイコン画家・山下りん その情熱と波瀾の生涯!】明治13年にロシアに留学しイコンを学ぶ。一途さゆえ周囲と衝突し芸術と信仰のはざまでもがきながら生きた女性を描く感動長編。
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面白かったんだけど、ずーっと重い、苦しい話だった。あまり好きになれない主人公だったな。
「道を知るというは、重荷を背負うことにございます」
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選んだ読みたい本が、思わぬところでシンクロしていたという興奮をくれた「白光」。ロシア正教のイコン画家・山下りんの生涯を描きます。
自分の心が求めるものに人生を捧げる覚悟を持ち、そのためならばまず行動という人間の山下りん。彼女の心にたぎる熱意が走りすぎて、多くの軋轢を生み出してしまう。そのことに気づくのは、失ってしまってから。
熱意があればこそ、りんを支えてくれる存在や手助けしてくれる存在もあるのですが、大きすぎる故に持て余されてしまうことも事実。安易ではあるけども、時代が違えば、彼女と周囲の人間の関係性も違ったものになっていたはず。
互いに尊敬し、互いの長所短所を慮り、終生の友人となれたはずではないでしょうか
。
りん自身が終生の道であると思い定めた画業。それが覚束なくなってから、これまでを振り返り、多くの人々との関わりに感謝することができたのは、我執からの解放のように思えて美しさもあるけども、悲しみもあるように思いました。
いつも今いる場所から離れた時に、そこにいることの意義を知る。それを手遅れと諦めずに、手遅れであろうとも、失敗であろうとも、経験から何かを得てきた得ることを諦めなかったから、物語終盤の透徹さにつながっていったのだろうと思います。
『グッドバイ』に続いての朝井まかて。
困難と不屈の女丈夫でした『白光』も。