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投稿者:ニッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
新書でナチス親衛隊をとりあげたのは、初めてではないかと思います(選書では武装親衛隊があります)。そのためボリュームは少ないですが、全体がコンパクトに分かります。大学生や社会人の入門書としては、最適です。
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ヒトラーに最も忠実だった彼らの「人種的」選抜から、ユダヤ人大量殺戮の実践、カルト的信仰、追及され続ける戦後まで、全貌を描く
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侵略戦争と並行して行われた民族浄化とホロコースト。
その組織形態と実態の概説書として、割と簡潔にまとまっていると思う。
戦争による領土拡大についてはヒトラーの意思が反映されていたのは間違いないが、対ユダヤ人に対する一連の行為についてはどこまで把握していたのだろうかという疑問が湧いてくる。
アーレントのいう「運動」が慣性力を得て、無限に展開したという印象をもっている。
詳細にわたる全てがヒトラーの指示なのか。ヒムラーの独断で動いていた部分はないのか。SS隊そのものが、最終的解決という方針に向かって組織的に暴走したのか。この辺りを今後テーマとして個人的に深めていきたい。
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戦争に優しい戦争・酷い戦争の区別があるのだろうか?戦闘員ならミサイルで粉々に吹っ飛ばしても良く、民間人は丁重に殺すのか?秩序ある戦争遂行など歴史上あったのか?程度の差はあれど惨たらしいものではないか?惨殺・掠奪・強姦などいつの時代でも何処にでもある。第二次世界大戦後のドイツ・日本が裁かれた軍事裁判は戦争という悪の中で行われた悪を裁くという一種の茶番だったと思う。
本書で問われているのはSSによる『ドイツ人の敵』ユダヤ人に対する苛烈な対処である。歴史的・宗教的・経済的に様々な要因でヨーロッパには反ユダヤ主義が古くからあるが、絶滅を図るほどの憎悪はどこから来るのだろう。しかもユダヤ人は戦闘の相手ですらなかった。
ミルグラム実験で明らかになった、権威者への盲従の最悪の事例だが、だからこそ全体主義は危険なのであり、民主的な政治指導者が次善の策だとしても必要なのだ。
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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01427632
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「金髪碧眼長身イケメンでいけすかないエリート、戦時下に銃後でユダヤ人はじめ気に入らないヤツをイビり、前線から命からがら生きて帰った国防軍兵士を督戦の名の下に撃ちまくる」ステレオタイプなSSのイメージ持ってたけど、果たしてそれがどうなのか気になって読んでみた。
ヒムラーって初めはゲッベルスの部下やったんや。何となくヒトラーの下でゲーリングがアタマ一つ抜けながらもゲッベルス、ヒムラー、ヘス、リッペンドロップ、シュペーア、もう一つ下からハイドリヒあたりが寵愛を競ってたら上手く取り入ったのがポルマンかと思ってた。
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本書はバスティアン・ハインの著作を原著とする、優れたナチ・ドイツ,シュッツシュタッフェル(親衛隊)及びその武装組織武装親衛隊(ヴァッフェン・シュッツシュタッフェル)の成り立ちと犯した罪と戦後のこれらの扱いについての優れた,今年2024年3月25日中公新書2795,として刊行された日本語のものでは親衛隊や武装親衛隊に関する最新刊の部類の概説書である。
ヒトラー衝撃隊(Stroß truppe Hitler)というのは初めて知った。親衛隊の更に核として最も信用できる、自身の護衛隊としてヒトラーが望んで選りすぐったごく少数の組織だという。いわゆるミュンヘン一揆の失敗後裁かれたこの「ヒトラー衝撃隊」は本書によれば37名とされている。(更なる詳しい感想は後日)