紙の本
解決策は抽象的で実践的でない
2024/04/21 16:17
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
電話を受けたのに受けたこと自体を忘れてしまう人、仕事ができていないのにできているつもりになっていて不出来であることに気付かない人、何度も同じ失敗を繰り返して反省するけど進歩しない人など、困った人の例示には強く共感しましたが、その具体例ほどに解決策は具体的でなく、面談を繰り返して自分の不出来に気付かせる、読解力が増すとメタ認知力が向上するため読書を勧めるなど、この著者の対策で問題が解決した事例はあるのかなぁと疑問が残る内容でした。不出来に気付いていない人に「あなたはメタ認知力が低いから読書量を増やしなさい」などと言おうものならパワハラになってしまいそうで、とても実行できません。
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書店で見て、タイトルが気になったので買いました。帯の裏には
・アドバイスを意地悪と受け止める
・自分はできる社員と思い込んでいる
・定型文がないと何も言えない
・すぐパニックになる
・評価してもらえないとすぐヤケになる
・「指示通り」に動くのも難しい
・すぐに記憶がなくなる
・意欲が空回りする
とあって、どれも中学生にも大いにあてはまるし、いるいる!と思って読みました。
中身は大きく「認知能力」「メタ認知能力」「非認知能力」の3つの問題について分けて解説してあり、「こんな社員がいる」「なるほど、それはこういうことですね」「はい、だから・・・のように困っています」「それは認知能力の欠如ですね」みたいな感じで実例が挙げられている。
この会話形式の書き方がなんともまどろっこしくて読みづらかった。
また、最近非認知能力だのなんだのが流行って、研修でもずいぶん聞いたし、本も読んだので、すでに知っている内容が多くて新しい発見はなかった。まぁ、非常に簡単に書いてあるので今まで読んで知った内容の確認・復習にはなった。さらなる確認・復習のためにココにも書いておく↓。
○認知能力・・・いわゆる知識。読解力が重要
○メタ認知能力・・・簡単に言うと自分を振り返る力
○非認知能力・・・学力でははかれない力。自分をやる気にさせる力、忍耐強く取り組む力、我慢強さ、集中力、共感力、感情をコントロールする力
(EQ こころの知能指数)という本でも有名になった。
で、この本では各章の最後に、認知能力なり非認知能力なりメタ認知能力なりが欠けている社員をどうすれば良いかという相談に対して、そこそこ具体的なアドバイスをしているのだが、多くの生徒を見てきた私としては、
そんなことで改善するなら苦労しないぜよ、としか思えなかった。褒めてもらえなくてすぐヤケになる社員には、褒めるところがなくても(結果がついてきてなくても)過程を褒めてあげれば良い、とか。義務教育でも、結果だけでなく過程を評価しよう!なんて流れになっているけど、なかなか無理がありますよね。過程を評価しようと思えば、どんな能力の生徒(社員)だって、一応「その人なりに」は「頑張っている(つもり)」なわけで、そんなのいちいち評価していられない。案の定、成績(知識)の評価にCをつけて、学びに向かう姿勢(いわゆる意欲・学習の過程)の評価にAをつけたら、管理職からそれはあり得ないだろう、学ぶ姿勢がAなら知識面でも結果的にAかBにはなるはずだ、という指摘を受けたよ笑。
ということで、☆3つです。
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認知能力やメタ認知能力に問題がある社員を、指導・改善するためのアドバイスが書かれている。(管理職や指導的立場にある人向け)
内容は、雑多に浅く広くという感じ。具体性は今ひとつで体系的でもないため、読者が本書のアドバイスを実践したとしても、部下を改善できるケースは稀だろう。(新書というフォーマット上、仕方がないのだが)
では、本書がどんなニーズに向けて書かれたかというと、酒の席で愚痴を言い合うのと同じ目的のように感じる。「ダメなやつと相対しなければならない自分を嘆いて見せつつ、その反対に自分はダメなやつじゃないことを確認して安心する」的な暗いニーズ。本書のような本は、目の前の課題を解決するのではなく、自分が気持ちよくなるためだけの読書になりがちなので、よくよく気をつける必要がある。
本書には、メタ認知が重要と書かれているので、読みながらメタ認知した結果、そんな感じの感想になった。
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プロローグの「周囲にこんな人いませんか?」
まさに「いるいる!」と思いながら読みました。
今までも問題がある部下をもったことがありますが、
今まで対応した人たちとは異なるタイプの人がいて、
実際に困っていて、なんとかヒントを得たくて、この本を手に取りました。
問題行動の背景には、どういうことがあるのか、
問題行動を起こす人はどういう認識でいるのか、
といったことが解説されています。
その対策についても書かれていますが…
「それを命じてできるようなら問題になってないよ」と思えたり。
メモをとれと言ってもできないような人に、
読解力を高めるための読書を勧めても…
「この1冊で解決!」ということを期待せず、
参考程度の気持ちで読むことをお勧めします。