紙の本
大人のこじらせ
2024/05/23 05:14
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
三十歳を目前に結婚を決めた千鶴が、自分に想いを寄せる学生時代からの親友にケジメを付けさせようと、周りを巻き込んだ「告白大作戦」を繰り広げる、異色の青春恋愛小説。
設定が痛い。性格も悪い。かなり胸糞でぶっ飛んだ始まりに戸惑ったが、その痛さが拗らせ過ぎた大人の恋愛の面倒臭さを表していて、ちょっと意地悪な楽しみ方をしてしまった。
同じ事をしていても、大人だというだけで痛々しく感じたり、ズルく感じたり、そういう事に真っ向からぶつかりながらも、新しい関係性を模索していく、圧倒的ポジティブな作品。
恋と友情のあいだで揺れる、ひたすら七面倒臭い想いすら愛しく感じる、燃えるだけじゃない恋がしたくなる物語。
設定だけでなく展開にも意外性があり、6人の個性が何かしらの形でしっかり「告白大作戦」に絡んでいるのも面白かった。
でもやっぱり年齢を考えると痛い
紙の本
こんな人間とは関わりたくない
2024/06/14 13:40
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
友人から自分へ告白させて、それを断って、自分は他の人と結婚。
どんな理由をこじつけても、あり得ない、わけわからない。
人の感情を無理やりコントロールしようとする周りの人間も嫌。
こんな人間たちとは関わりたくない。
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親友に告白されたい。そして振りたい。
このキャッチフレーズに驚き読みたいと思った。
序盤では、響貴にどうやって告白させようかと主人公を含め色々な作戦を決行していた。しかし、響貴はバランス人間なので、上手くはぶらかしてだかりでいた。
紆余曲折を経て、千鶴の披露宴に招待した。その時響貴に結婚スピーチで思いを顕にした。大胆で奇抜な発想が千鶴らしいなと思った。千鶴から真っ直ぐなメッセージを受け取った響貴は、動揺していまった。
そして、響貴はバランス人間なので、真っ直ぐ来られると動揺してしまうそうだ。自分のことをよく考え、そして、千鶴に好きだったと告白した。
「好きだった」とあえて過去形にして、千鶴と婚姻相手を心から祝福する響貴の心情を思うと、なんて悲しいんだと思った。私だったら、好きな相手が結婚して、心から喜べないと思うからだ。響貴大人だね。
皆がみんな、他人の幸せを思っているお話だった。
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#告白撃 #読了
大人には大人の青春があるんだな
これは学生の時は味わえない青春
ただし、学生の時の青春が甘酸っぱいなら、この大人の青春はスパイシーだろうか
恋と友情には紙一重ほど薄いのに厚い気持ちでできた隔たりがあるんだろう、簡単に撃ち抜けない頑丈な気持ちでできた特製のやつ
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1日で読み終えてしまった。
安定の住野さんの作品。予想はできたけど、期待されるような結末にはしない。
主観が変わる時の絵柄の細かい描き分けも良かった。
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果凛、千鶴の2人の視点で主に描かれる社会人の恋愛模様。物語の中心になるのは、果凛、千鶴、響貴のゲーム仲間3人。ただ、普通の恋愛模様ではなく、千鶴が結婚することになり、「たぶん千鶴に片想いしてるだろう響貴に告白させて、次の恋に進ませよう」という千鶴と果凛の話から全てが始まる。
そこに同じ大学の友達である舞、華生、大賀さんも絡んできて、お互いの思惑が複雑に絡み合い、久しぶりの温泉旅行や千鶴の誕生日会など様々なイベントが開催される中で、千鶴と響貴の心が揺れ動く。
社会人の男女の心の動きが上手に描かれていて、共感できる場面が多々あった。最後はどうなるのか気になりながらあっという間に読み終えてしまう読みやすさは、さすが住野よるさんだと思った。最後には、大どんでん返しの告白撃も待っているのでお楽しみに。
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もちろんダダダダダー!バンバン!ドッカン!って展開ではないですね。
4人で焼肉屋に集まったぐらいからだんだん興味が湧いてきました。
それまではあんま頭に入ってこなかった。
他人の事に頭突っ込んでもいい事ないと思ってる僕には、ちょっとめんどくさいメンツだなって思たのと、こんな愛されてて愛してて素敵な友達だなって感じました。
カチャッ、ドーン!カチャッ、ドーン!って展開かな。違うか。
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後半を読んでて、なんか読後感悪そうと思いながらも、読み終わり流石に上手くまとめたと思いました。
あと、台詞の言葉遊びが、面白かった。
種明かしもするんかい!って思いましたが。
まあ、そうしないとおわれないからなぁ。
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住野さんの作品は相変わらず読みやすくスルスル読めた。
落ちに納得いくようないかないような…
あと一歩欲しかった。3.3
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男女混合の大学からの友人グループが12年間途切れずに続くというのは、なかなか稀有なことかも。
誰かの転勤や結婚や出産で疎遠になったり途切れたり、あるいはグループ内での恋愛沙汰で気まずくなったり。
仲の良いグループを解体する原因にはサークルクラッシャーによる人間関係の複雑化だったり。そんな様々な原因を交わしつつ12年間続いた6人グループの、30歳を目前に控えたひとつのうねり。
学生時代なら男女関係ない付き合いも可能だろうけど、ある程度大人になればその関係もどちらか一方の「我慢」が命綱になっていたりする。
自覚しようがしてまいが、それを他のメンバーの気付かれないようにというのはなかなかに難しい。
グループ内の好意のバランスや関係性の密度も変化があるだろうし。
そんな中での千鶴の告白大作戦。これ、普通に考えたら傲慢の極みでは?
結婚する自分に好意を抱いているであろう友人との今後もずっと仲良くしたいから、自分に告白させてそして振る、って。
自分への思いを昇華させるためって、それは、大きなお世話では?
「30歳まで一人だったら」という約束は、割とあるので友人たちのおせっかいも頷けるけれど、それでもこの年なら自分の気持ち位自分でオチを付けるだろうよ、と思いながらもラストの展開が気になって最後まで読んでしまった。
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黒に白混ぜて、灰色にした後にまた黒を入れたみたいな、いやまぁ結局そうだよねぇという終わり方。
好きな女性の最後の居場所にあり続けるために、選んだ道。自分勝手な独占欲みたいなものも少し感じる。ヒロインは魔性の女性ですな。
なぜ告白しないのか。
その理由も私は分からないが、納得はできる。
その辺のキャラクターの性格の分け方。
特徴など、しっかり出来てて良かった。
主人公の1人の名前が女性っぽくてそこがややこしい。
私はここまで、充実した青春を過ごしてないので分からないが、ヒロインはいい子そうに見えて、1人の人生の10年間、脳の一部をその人のことで奪っていたと思うと罪深い。
酔った勢いで泊まりに来るとかさ…見た目良くて元気っ子で安心するなんて言われたら男はイチコロよ。
私も親友と呼べるのは1人しかいないが性格違うし、遊ぶ頻度も正直合わない。ただ、それくらいの距離感がいいなと思う時もある。
大人になるってやだな。
相手の予定や体調、環境を気にし過ぎてしまうし
最近の悩み。
話はそれましたが、まあ読みやすいですし結婚式のパートの時は自分のやった時を思い出してうるうるしました。流れがリアルすぎる笑。
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Amazonの紹介より
親友に告白されたい。そして失恋させたい。大人げない告白大作戦の開幕!
三十歳を目前に婚約した千鶴は、自分への恋心を隠し続ける親友の響貴に告白させるため、秘密の計画を立てていた。願いはひとつ。彼が想いを引きずらず、前に進めるようになること。
大人のやることとは到底思えないアイデアに呆れつつも、学生時代からの共通の友人・果凛が協力してくれることになったが、〈告白大作戦〉は予想外の展開を見せ――。ものわかりのいい私たちを揺さぶる、こじれまくった恋と友情!!
パッとあらすじを読んだ時には、なんかひどいことをしている印象を受けました。ずっと友達関係で、もしかしたら恋に発展⁉と思いながらも、このままの方が傷つきず良い関係だったのに、告白させて失恋させ、前を進んでほしいというなんとも自分勝手さが、ちょっとなと思ってしまいました。
その一方で、その作戦に賛同し、友人もどこか複雑だなと思ってしまいました。遊び半分ではなく、真剣に相手のことを想って行動する描写は、心の揺れ動きが垣間見れて、良く映っているものの、響貴としてみればどうなのかなとか思ってしまいました。
ちなみに友人の名前が果凛なのですが、読むたびに女性のイメージがあったので、いつも戸惑っていました。
そもそも、大学から30まで、ずっと友達関係が続いていて、交流が続いていること自体凄いなと思ってしまいました。
早く告白すればいいのにと思う一方で、響貴を傷つけないよう、言うか言うまいかといった迷いの描写を心の揺れ動きとともにゆっくり表現されていて、繊細さが窺えました。
ただ、話を長く伸ばしている印象があって、ちょっとダラダラ感があるように感じました。
話が進むにつれ、響貴の心理描写はどうだったんだろうと思ってしまいます。こうしゃべっているけれども、心はもしかしたら違うんじゃないかとか思ってしまいましたし、何だか切なく映ってしまうとか思ってしまいました。
それにしても、千鶴の恋人の心の広さが凄いなと思いました。多分、千鶴の友人関係は把握しているかと思いますが、よく嫉妬といった感情が芽生えなかったなとか思いました。
もしかしたら友人関係が崩壊するかもしれませんが、作中の友人たちは、ちょっとやそっとじゃ壊れない印象がありました。いつまでも仲良い関係でいてほしいと思いました。
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感想
縮まらない距離。相手が離れていくから。自分から距離を詰めたら壊れそうだから。でも。そんなぐらついた関係壊してしまえばよい。壊れろ。
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住野よるさんの作品らしく青春のひとときという感じはありましたが、30代のこじれた恋愛がテーマということで少しこれまでとは違うテイストだったのかなと思いました。
本作は三十歳を目前に婚約した千鶴が、千鶴への恋心を秘めた親友に告白させ、その親友を振る作戦を立てるところから始まります。そんな突拍子もない作戦を立てたのは、親友にこの恋を引きずってほしくないからという願いがあってのこと。そんな千鶴は別の親友の協力をもと作戦を遂行するが…
どちらかというと、シチュエーションコメディみたいな感じのドタバタ劇だったような印象がありました。男女の友情を優先して、恋愛に至るきっかけを逃した経験のある人にとっては割と残酷な気もしましたが、時には恐れず、物分かりの良いフリをせず、なりふり構わず行動することも大切なのかなと思いました。
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「親友に告白されたい。そして失恋させたい。」
帯に書かれてあったこの文を見てどんな話なの?ってまず疑問に思った笑
普通に見たら超最低な奴。だけど失恋させたい理由を知りたかったから読んでみた。
全部読んでみた感想としては主人公たちに共感はできなかったな〜。他人の恋愛に口出したことがないからどんなに大切な友達であってもそんなことする?って読んでて常にハテナマークが浮かんでた。
ただキャラは魅力的で好き。千鶴は実際にいたら凄いパワー貰えそうだし近くで眺めていたい。果凛も千鶴に対しての理解がありすぎて最高な友達関係だと思う。ていうか登場人物全員が千鶴に対して理解ありすぎ。大学の時にこんな良い友達作りたかった…。ただその中でもお互い一人一人が最高の友達!ってわけではなくてそれぞれ適度な距離感で関わってるのリアルで良かった。
千鶴が華生に対して「明日にはこの子のことを嫌いになっているかもしれない自覚がある。華生も絶対にそう思ってる。」って思ってたシーン心に残った。そういう危うい関係性は実際に覚えがある。
千鶴の心情描写に対して響貴の心情があまり描かれなかったから本当に最後までどう思ってるのかわからなかった。全て千鶴の勘違いで響貴は何とも思ってないんじゃないかって何回か感じたけどそうではなかったか。響貴幸せになってくれ!!いつか千鶴の面影を感じる人に出会って結婚して欲しい。そして果凛達に「あの人千鶴に似てるよね?」って言われてほしい!!お互いがお互いに似た人を選んだ状態になってほしいなぁ。そしたら何であいつじゃダメだったんだってなるか。やっぱり恋愛はタイミング。
響貴は婚約とかそういう縛りに囚われないで千鶴の特別でいたかったのかな。千鶴が傷ついた時に安心して来れる場所でいたかったなんて愛でしかない。私だったら好きな人は自分と幸せになってほしいから響貴みたいには思えないかも。
私がもし千鶴の旦那さんポジションだったら響貴の存在に嫉妬する。絶対する。結婚までしたのにまだ敵わないのかって思っちゃうよ。あー複雑。