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投稿者:スカイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
流石、村田沙耶香様。
1日で、読み切れる、作家さんは、今の時代中々いないです。
一気に読むと尚、面白いです。
同世代だから、共感しっぱなし。
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
村田沙耶香を評価する語彙がない。
もしかしたら、自分の中に足りないだけなのかもしれない。
ただ、言葉は、常に対比の中に存在する。
美しいか、美しくないか。
面白いか、面白くないか。
そんな次元でなく、この小説は、村田沙耶香であって、
それ以上でもそれ以下でもない。
そしてこの世界は、まだ広がるはずの世界。
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投稿者:ぽんぽこ仮面 - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めのうちはLGBTQのお話かなあと思ったけど、読み進めていくうちにとんでもない展開を見せてくれて、いい意味で裏切られたとてつもなく大きい小説でした。
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
芥川賞を受けた「コンビニ人間」で村田氏を知り、注目。「授乳」「マウス」「殺人出産」でハマってしまったが、本作は些か残念。単行本の後、かなり経って文庫化されたのは、受賞が契機か。氏の作品では、今のところ「マウス」が一番と思っている。女性を様々な視点から描いた意欲は買うにせよ、純文学作家にありがちな独りよがりな本作は少しがっかり。もう1冊くらい読んで、今後、愛読者になるかどうか決めたい。
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3人の女性のジェンダーとセックスを、そのうちの2人の視点で描く。
自分が男女のどちらに属するのか苦悩する里帆の話はわかりやすいが、星の欠片として地球とセックスする知佳子の話はなかなか共感しにくい。
一人称として語られることのない椿が、女性として生きることを受け入れつつ、その苦しみを感じている存在なのは著者の意図的なものだろうか。性の多様化を感じはしたが、物語として心には響かなかった。
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三人の女性の、独特なる性への感覚を、村田ワールドで表現。
ちょっともやっとしたかな。自然体の千佳子はいいけど、ソルはちょっと受け入れ難かった。
里帆の、無性については、なんかそーゆーのもいあかな〜って。
椿は、おんなオンナしてる。
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youtubeにあったボクらの時代の動画の中で、著者が中学生のときに周りの評価を気にしながら小説を書いたときのエピソードを聞いて、この人ガチなのかなと思って気になっていた。そんなところでbookoffでこの本を買ってみた。
面白かった。要するにみんなが考える常識に囚われる必要はない、というテーマだったと思う。最初の里帆の章では、なんだか女性作家にありがちな雰囲気だなとそれこそ偏見に満ちた感想を抱いてしまったが、その分、知佳子の章に入った途端に何が起こったのかわからないくらいビックリした。いい意味で裏切られました。もっと大きいテーマだったんだな、と。
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米国のFacebook社が運営するSNSでは、50もの性別を選べるようにしているというのは有名なお話。でも、自分の周りにはわたしから見て「男」か「女」と認識している人たちばかりだ。きっと、中には自分の性を見つけられず苦しんでいる人もいるんではないか。そんな人に、知らず識らずのうちに無遠慮な言葉をかけているんではないか。そんな疑いを強めてくれた本だった。
この本にでてくる女性たちは、性に違和感を覚えている。
セックスが辛く、もしかしたら自分は男なのではと思い、男装をするフリーターの里帆。そんな曖昧な里帆を責める椿は、暗闇でも日焼け止めを欠かさず肉体を丁寧にケアする。二人の感覚すら共有できない知佳子は、生身の男性と寝ても人間としての肉体感覚が持てないでいた。(帯より)
性的マイノリティ=同性愛者ではない。人の数だけ性やセックスとの付き合い方がある中、枠に当てはめようとしている「何か大きなもの」に従ってばかりではいけない。
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セックスが苦痛だという女性が自分の居場所を見つけようと苦悩する。性的嗜好は人様々だろうが、それがさらに多様化していくのであろう未来を予言するような作品。
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普通ってなんだろう、とつくづく思う村田さんの本です。
主要な登場人物のなかでは、椿が「普通」で、知佳子が対極の「普通でない」のだろうけど、だんだん知佳子でなく椿のことがわからなくなっていきました。
里帆が枠に囚われてしまっているのはそう思います。自分で自分を苦しめてるんだろうな…だけどそれも若気の至りのような気がします。真面目なんだろうな。
知佳子のおままごとも、「灰色の突起」も良かったです。知佳子さんの目で世界を見てみたい。村田さんの感覚なんだろうか…。。
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女の子か男の子じゃないといけない?
固定概念なのか.
何者かでなければいけないことが、若い柔らかいこころを追い詰めていくんだな.
夜風に吹かれてて解放されててほしい、ずっと.
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再帰性というか脱構築の典型のような物語。村田沙耶香の他の作品がそうであるように、「性」に対しての内在的構造を再帰的に問いかけ続けている。でもこの物語は今まで以上に直接的。
人間らしさとは虚構なのだろうか。私たちが感じる喜びとは結局「おままごと」から逃れることはできないのだろうか。宮田真司のいうように「あえて」選択することででしか、私たちが仮初めでも人間らしくあり続けることは難しいのだろうか。信じるということとは別に、確かなものがほしくなる。
17.7.9
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19歳の里帆は自分の性別を決めかねている。
だから身体の発達じゃない、自分の意思での「第二次性徴」を成功させるのだ。
自己の欲望の対象が分からず
孤高にもなれず
自分の形を形容する言葉がどこにもなくて。
雁字搦めで息苦しい誰かの為に持ち寄れる自由があるのだと、そう思った。
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周りとのズレを感じる心をうまく処理できない「里帆」。それを「子供だから」と斬られたり、より世界から遠い別の女性に遭遇してみたり。他者を枠に嵌める暴力も、自分を枠に嵌めようとする痛ましさも描かれている。
『コンビニ人間』のような手加減無しのどす黒さはなく、優しさを感じる。
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以前読んだ「殺人出産」がおもしろかったので。
自分の性に悩む19歳の女の子とアラサー2人の女性との不思議な友情を描いたお話。
宗教っぽい話で若干取っ付きにくかったかなあ。
ラストもスッキリしないのであんまり好みじゃなかったかも。