凸凹3人組が全国行脚
2022/08/03 08:34
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
方向音痴でありながら旅本作家という、和泉蝋庵のアンバランスさが絶妙です。サポート役の耳彦や、紅一点の魅力・輪との冒険の数々も痛快でした。
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
1冊目はもっと幻想的なイメージだった気がするけれど、
こちらはもっと地に足がついた感じ(ざっくりいうと筆名・乙一の作風)
耳彦がかなりひどい目に遭う。
蝋庵先生の迷い癖の正体は。
「死の山」「呵々の夜」が好み。
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安定の面白さ。
怪談といいながらも、語り口が柔らかく、丁寧で嫌味がない。
安心して読める希少な作家さんだ。
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『幽』連載の連作短編集。
単純な怪奇小説に留まらず、ふとしたところでグロテスクだったり、人間の暗部だったり、そういった部分が浮かんで来るところが面白い。
矢張り乙一の別名義の中では山白朝子が一番好きだ。
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「エムブリヲ奇譚」を読んだのがだいぶ昔なので内容をあまり覚えていないのですが、耳彦ってこんなに毎回酷い目に遭っていたっけというくらいの仕打ちが延々と続いていました。よく生きているな。
表題作の「私のサイクロプス」がお気に入り。ラストが残酷でしたが美しかったです。
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旅本作家・和泉蠟庵とその道連れの耳彦と輪が旅先で出会う、懐かしくも新しい怪異譚を集めた短篇集。和泉蠟庵シリーズ二作目。
作中でちゃんと理に落ちる話より、表題作「私のサイクロプス」や「星と熊の悲劇」のように大きな謎の残る話のほうが面白い。特に「私のサイクロプス」は巨人自体が鋼であり製鉄所であるような鍛治の描写がよかった。「四角い頭蓋骨と子どもたち」は人工的にフリークを作り出しては人身売買をして生計をたてている村の話で、キャサリン・ダン『異形の愛』(20/5/1読了)と共通していた。
一番好きなのは「鼻削ぎ寺」。殺人鬼が簡単に殺せる男の能力にすがっているという関係性の緊張感がよい。絶妙に脱力する醢オチも好き。
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図書館本。シリーズ第二作。ホラー系の短編集。気分が悪くなるようなきつめの描写も、作者が書くと不快な感じがしない。通勤電車で、毎日1、2話ずつ読んだ。鼻削ぎ寺、星と熊の悲劇が良かった。続編も期待。
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本棚の三つ前にある「エムブリヲ奇譚」の続編。
旅本作家、和泉螂庵。
荷物持ち、耳彦。
の2人旅に前作「エムブリヲ奇譚」で登場した輪という女性が加わり、3人旅になった。
あいもかわらず天才的な蠟庵の迷い癖のおかげで不可思議な世界に足を踏み入れてしまう一行。
9編の短編集。
残念ながら人数は増えたが、パワーダウンしているように見受けられる。
つまらなくはない。
ただ、前作が良すぎたのだろうか。
もっと、もっとと期待してしまう。
とてもおいしい定食を食べた後に、普通の定食を食べたような気分。
好きなシリーズなので次回作も出してほしいな。
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前作『エムブリヲ奇譚』が図書館にないので、2作目から。
話の繋がりにおいて問題はなかったです。
和泉蝋庵と輪、耳彦が遭遇する怪奇な出来事、というよりおぞましい事件の数々。
3人ともよく無事だな~(特に耳彦)
最終話で蝋庵の父親の話が出てきたけど、このシリーズは続くのかな?
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旅本作家の和泉蝋庵、荷物持ちの耳彦、版元の娘輪の3人が旅をしながら様々な怪異に遭遇する物語。
登場人物それぞれ個性があり、3人の関係性も心地よく読んでいて癖になる
サイクロプスやハユタラス、河童などをモチーフにした物語もあれば、民間伝承や御伽噺の様な、どこかで触れたことがあるような物語もあり、それら全てが、幻想怪奇で切なく美しくグロテスクに綴られる短編集。
久しぶりにもっと読みたいと思えたシリーズです。
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前作のエムブリヲ奇譚の続編で、旅本作家が旅程で出会う怪異を記した短編集。
前作の方が好みだったけれど、ドタバタ劇として本作も面白い。
表題作が物悲しい異形の巨人の話で、一番好きだったかな。
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9つの連作短編集。
前作「エムブリオ奇譚」のラピスラズリ幻想の主人公だった輪もくわわっだ三人旅。あいも変わらず奇妙奇天烈な旅。
そして、本当に本当に、耳彦……笑
まるで全ての悪いことを一身に引き受けているかのように、尽くかわいそうな目にあっている。
まだまだ続きそうなので、のんびり楽しみにしています。
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シリーズ二作目は輪を旅のメンバーに加え、耳彦はすっかりいじられ役。
耳彦があまりにもだらしないので嫌いになりそうだった。悪い人ではなくてだらしないだけの人なのだけど、最終話で若い女性に言い寄っているときにこの人はダメだと思った。
今作でも耳彦ひとりで大変な目に遭って急死に一生を得ていたりするのに、読者の一人にここまで嫌われるとは耳彦も踏んだり蹴ったりである。
和泉蠟庵先生に再び会えて嬉しい。相変わらず盛大に道に迷い、輪や耳彦を置いてけぼりにしていたりする。先生の幼少期と繋がりそうで繋がらない『星と熊の悲劇』が一番好みだった。下りられない山の天辺は、神かそれに近い存在の領域のようにも思えた。蠟庵先生の出生の秘密についてはやはり天狗との関係が示唆されるので、本当のところはどうなのか知りたくなってきてしまう。三作目は出されないんだろうか。待っています。
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結構なグロさの物語が続くのに、文章の抑制された柔らかさのおかげか、どの作品もどこか切なく懐かしいような余韻が残る。
耳彦がすっかりいじられ役として定着しているのが楽しい。
特に好きなのは、昔話のような雰囲気でとても切ない「私のサイクロプス」、途中ハッとする仕掛けがある「死の山」、耳彦と湧水のほのかなロマンスが良い「星と熊の悲劇」。