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キモカワ邪神と少女の絆に胸を打たれる物語
2021/08/07 21:01
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投稿者:まりも - この投稿者のレビュー一覧を見る
田舎町を舞台に邪神たちとニンゲンの心温まる交流を描いてきた本作。第3巻には、これまでの集大成ともいうべき、24・25話「北風と太陽」が収録されています。
ここまで明確に描かれていなかった主人公・流々のバックボーンが判明し、彼女の内なる想いに触れるとともに、丁寧に紡がれた破壊神・マグ=メヌエクとの交流があたたかく響いてきます。
「あたしのせい」と言い続け、どこか自罰的な流々に対し、「貴様はもっと望んでいい」と彼女の願いを全力で叶える破壊神。普段はかわいらしいマグちゃんの、神としての威厳と器の大きさにに感服しました。かっこいいよマグちゃん!一人と一柱の間に築かれた絆と親愛を感じる素晴らしいエピソードでした。
他にも、ナプタくんの眷属・ヤドカリたちが活躍する19話や、三邪神たちが飲み会をする21話、ナプタくんが破滅しかける23話など、コメディ部分もしっかり笑えて楽しめます。
すっかりギャグ担当なったナプタくんにイズマくん、常に話をひっかき回すウネさん、不憫&ツッコミ担当の錬くんなど、キャラクター達も固まってきて賑やかです。
彼らの穏やかで楽しい日常が愛おしくなります。
プリンの舌触り
2021/03/10 12:46
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投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ナプる、という言葉が田舎の海辺で採録された。
これは異形の神ナプタークに由来し、この単語を産み出したのは食堂の看板娘である。
発声時の話者の態度には、軽侮の気持ちが認められるのだが、星形の小さな神の名が、何故、このような否定的なニュアンスを帯びた動詞へと改変され、人口に膾炙するようになったのであろうか。
何者かによって、永らく封印されていたナプタークは、言わば、漂泊の神だ。
世事に疎く、身寄りも無く、野良犬のように生きる神の姿は、干乾びたヒトデに似ていて、哀れである。
本来であれば、丁重に持て成し、神の気力と体力の回復を願うのが、人間の務めであろう。
ナプタークの権能の優秀さは、百を下らぬ配下の数の多さが、雄弁に物語る。
序列があるとは言え、ナプタークと同格の神々の名前は、マグる、や、ウネる、と差別的に転用される事はなく、ナプタークの本性に、人間から見下される原因があると考えるのが、妥当であろう。
実は、ナプタークは向上心が旺盛だ。
マグ=メヌエクもウーネラスも、人間の風俗に並々ならぬ関心を寄せており、三柱とも新奇探索性が強い性格なのだが、料理の腕を磨くのは、ナプタークだけである。
自前の調理器具を揃えつつあるナプタークは、昼間、ふじさわ食堂で下働きし、報酬を得、それを元手にして、金儲けを企む、泥臭い神である。
労働以外の手段で金が手に入る事を発見したナプタークは、追々、貨幣論を執筆するかもしれない。
ウーネラスは着道楽だ。
幕間に、人界の案内役を務めるウーネラスは、聖騎士団に肩入れする、裏切り者である。
邪神の討伐に出向く、聖騎士団の末裔に付き添うウーネラスは、場面に相応しい衣装で、マグちゃんやナプタくんの前に現れる。
着道楽ではないものの、ナプタークは、服も作れる。
ナプタークによる、その材料の選択こそが、ナプタークからナプるが派生するメカニズムを読者が理解する一助となるであろう。
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